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応援は力に。遊びだからこその出会いがある。

MKBカップから、もう2週間経ったのか。記事を書くために写真を見返すと、それだけで思わずニヤニヤしてしまう。それくらい僕にとっては幸せな1日だった。

MKBカップはまきばフリースクールさん主催のフットサル大会。その趣旨もすごく素敵なのでちょっと触れておく。

開催趣旨:
不登校や引きこもりを経験したり貧困や家族の困難があるなどして、「部活動」の枠
にはまれなかったり、学校外で学び成長していく子どもや青年にとっては、スポーツに
取り組む機会に乏しく、取り組めたとしても、その成果を発揮する機会がありません。
大会優勝などに向かって練習を行うことによって、努力を重ねる楽しさを学び、周り
と協力しながら努力していくことを経験して欲しい。負ける悔しさ、勝つ喜びを感じ、
成長していける機会を、すべての子ども・青年たちから失われないようにしたい。機会
を得られなかった大人たちに提供したい。私たちはそう考えています。
もちろん勝ち負けがすべてではありません。「スポーツ」や「参加」はもっと自由で
あっていい、と思っています。大会に出場するスタッフチームを子どもや青年たちが応
援する。あったかい芋煮を食べながら、試合をしている人たちを「がんばるねえ」なん
てシニカルに眺める。それだって「参加」だと思います。その体験からの学びや成長が
きっとあります。大会があれば、一人一人に多様な「参加」の体験が創りだせます。
年齢によらず、性別や障がいの有無などにもよらず、「やってみたい」という意欲に
対してチャレンジの機会が与えられるならば、それはひとりの人生や、人と人のつなが
り、地域社会を、より自由で、多様で、彩りに満ちたものにしていけると思います。
スポーツを自由に。学びを多様に。その思いを込めて、大会名を「FUTSAL F
REEDOM」としました。皆様のご参加をお待ちしております。

https://blog.canpan.info/makibafree/img/E38395E38383E38388E382B5E383ABE38395E383AAE383BCE38380E383A0EFBC92EFBC90EFBC92EFBC92E9968BE582ACE8A681E9A085.pdf

TEDICも昔から参加させてもらっていて、ある種毎年の恒例行事になっている。毎年、「応援はTEDICが優勝だよね」と言ってもらっていて、それも誇らしかったのだけど、サッカーガチ勢だった自分としては、昔の熱がフツフツと湧いてしまい、「競技でも優勝じゃ」と意気込んでいた。

まきばさんの場づくり

趣旨からも伝わってくれると嬉しいのだが、この主催のまきばフリースクールさんがつくる場が本当に素晴らしい。なんと言うんだろう、「自由で、ゆるくて、セーフスポットがたくさんある」とでも言うのだろうか。

さながらピクニックのよう

スポーツガチ勢の僕なんかは、上手いやつが主で、下手なやつはモブだと言わんばかりの世界で生きてきた。それはそれでいい部分もあるのだが、どうしても上下をつくり、ダイバーシティとは正反対のような場になってしまう。それが、逆なんですよね。ゆるくて自由で、ゴロゴロしてる人たちの中で、暑苦しい人たちが一生懸命ボール蹴ってるよ、みたい感じ。だから、スポーツが苦手、集団が苦手、対人が苦手って人も居やすい場所になっている。TEDICも半分くらいの人間がゴロゴロしたり、ゲームをしたりして過ごしていたんじゃないかな。だって、それでいいんだもの。

ガチンコ勢(普段関わらないような大人)がいた時の化学反応も見てみたい

そんな安心安全な場だからこそ、今年はチャレンジしたいことがあった。サッカーガチ勢、普段、子ども・若者支援とは無縁な大人と、子どもや支援者を混ぜてみる試みだ。(あえて、こういう書き方をしているが、彼らもめっちゃいい奴。ただ、普通にサラリーマンをやっていると、不登校や貧困、虐待、みたいなものとは距離があるよね)

普通に上手いやつwww
ダメな大人たち笑(いい奴らです)

この試みは、個人的には大成功だった。最初はまぁ交わらないwww ってか子どもたちは昼夜逆転している子も多いので、早起きして大型バスに乗ってくること自体がとっても大きなチャレンジ。なので、試合にも最初は全然出ないし、声もなくて静か。それが、フットサルがやりたくてこの場に来ている、サッカー小僧(おじさん)たちの生き生きした様子を見ると、だんだん変わってくるわけですよ。

「あれ?だれ?めっちゃ上手い」
「ってかめちゃイケメンじゃね?」

そうなってくると、推し活のプロの女子中学生あたりが、段々と騒ぎ始める。実は前の日に応援用のうちわなんかも作っているので、それがベンチ脇で踊り始める。声援もだんだん黄色くなってくるわけですよ。

最初はこんな感じ
次第にこのうちわがめっちゃ踊るw

そうなると、もう子どもたちも、あっ、いいんだなってなってきて、

「次試合出てもいい??」
「下がる? → いい!もっとでる」
「次の試合まだ?」

とかとか言い始めるし、思いっきり身体を動かし始める。普段の学習支援やフリースクールでも、運動はできたりするけど、相手がいて、勝敗が決まる場だからこその「思いっきり感」は全然違う。みんな汗だくになるくらい、走り回ってて、「あの子があんなに動くんだ」「自己主張するんだ」って、普段から関わってるスタッフなんかはそれだけでなんかウルウルしたり。

そんなこんなで決勝戦

みたいな感じで、子どもたちの様子に嬉しくなりながらも、ちゃっかりガチチームは決勝戦に。(決勝までの道のりもそれはそれで1本記事書きたいくらい)

決勝前にみんなで円陣

これやりたかったんだよね。もう、エゴです。僕のエゴに付き合わせましたwww けどさ、初めて会った人も多い中で、人間関係が嫌で学校に行かなかったり、困っている子たちもいる中で、みんな手をつないで、声出してくれたんですよ。嬉しかったな〜。力もらったな。
そして、決勝戦…

優勝しました〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!

これはもう普通に、競技者として嬉しかった笑

最後に

実は、今回TEDICチームには当日飛び入り参加の高校生がいました。TEDICの学習支援に通っている高校生が、自分の友達も呼びたいって言ってくれてたんだけど、大人の事情で最初はお断りをしていました。だけど、当日、シューズを届けにきたっていうので会場で会うことに。僕の判断で参加OKにしちゃいました。(ちょっとヤンチャっぽい子らだったんだけど、参加していいよって言ったらめちゃ嬉しそうだったな〜)多分、その子らはフットサルだったから出会えた子達。困り事や「支援」という入口ではつながらなかった子達だと思う。けど、これでいいんだ、こういう形で若者と出会えていいじゃないかって思わせてもらった。これからまた何かの形で会うかわからんけど、あの時一緒にフットサルやった大人がいたな〜。あいつら、なんか面白かったな、って思えてもらっていたらそれだけでいい。自分が大学までやってきたサッカーがこんな形で役に立ったのが嬉しかった。
いいことばかり書いたけど、もう少し配慮ができていたらよかったなとか、目が行き届いてなかったなと反省することもあった。けど、この数年で一番幸せな日だったし、またやりたいと思える日だった。きれいごとではなく、子どもや若者に力をもらい、もしかしたら、力を分け合えた日だったんじゃないかな。

たいら