順応力が高いのはいいことなのか?
先日、会社の近くのコンビニに寄った時のこと。
夕方の打合せ帰り。
何か軽食を買おうとコンビニをぶらぶらしていると、レジ前の肉まんが目に入った。
おでんに並ぶ、冬のコンビニ風物詩だ。
季節を感じるし、ちょうどあったか〜いものが食べたかったので、肉まんを買うことにした。
ただ、匂いのする肉まんを持ち帰って会社で食べるというのはなんだか気が引けたので、目に付いたイートインスペースで食べようと決め、肉まんとミルクティーを買った。
支払いを終えて、ハッとした。
イートインスペースで食べたら消費税が10%になってしまうではないか!
今まさにもらったレシートをちらりと見ると、当然8%の消費税で計算されている。
レジとイートインスペースは目と鼻の先だった。
とっくにお会計済みのコンビニの袋を持って、店員の目の前で、5秒ほどフリーズした。
・・・・・
くるりと踵を返し、自動ドアへ向かう。
そのままコンビニを出て、会社にも戻れず、近くの公園で肉まんをはぐはぐとほおばったのだった。
***
ただ、この時の私はといえば、
「だから軽減税率なんて面倒くさい制度を取り入れやがって」
という気持ちではなく、
「持ち帰りかどうかで8%と10%が分かれるのだから仕方ないかぁ」
という気持ちだった。
自分はシステム屋ということもあり、今年の10月の消費税増税や、軽減税率対応の影響をもろに食らった身であった。
が、当時そのことでイライラしたり、「増税反対!」と思ったり、「なんなら全部10%でよくない?」と思ったりすることは正直あんまりなかった。
自分は、割と制度にすぐに順応してしまえるようだ。
「こういうルールですよ」と言われているのに、それに反発し続けてることの方がストレスだからだ。
もちろん「今日から皆さんは殺し合いをしてもらいます」なんてルールを提示されたら話は別だが。
***
昔から、特に組織の中で、順応力や適応力が高いと言われることがよくあった。
だが、果たしてそれは本当にいいことなのだろうか?
物事を受け入れやすいということは、何かにものすごく「影響を受けやすい」ということでもある。
長いものに巻かれているだけではないか?
自分の軸が足りていないだけではないか?
強い力を持った者に騙されやすいだけではないか?
ふと、そう思ってしまった。
いろんな人、いろんな仕組みに合わせられることを強みと言ってくれる人もいる。
けど、他のものに合わせられるだけ、「自分」との境界線がはっきりしなくなる。
疑問を持たず生きるのは楽だ。
全てに疑問を抱いていたら疲れてしまう。
けど、その中で何かすごく大事なものを取りこぼしてる気がする。
物事に対して、疑問を持てる自分でありたい。
考えた末、納得できる自分でありたい。
肉まんを食べ終え、コンビニから会社までの道のり。
レシートを見つめながら、そんなことを考えていた。
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