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リコリスガール|星を聴く

 昼の星の声
【カチカチ】
 聞こえなくて ワーワーと走る
 ブランコの見えない あさってからも 大きな足音
 ふさぎこんでいるのは誰だ

(ああ 日の光の声の大きい
(影のはしゃぐ
(これなら夜でもぐるぐる回っていられそうよ
(はなれてはダメ
(さあ 手を繋いで デートをしましょう
(あんまり 日に焼けると なにかをうしなってしまうのよ
(たとえば
(白い肌
(もとよりないわ
(うそ めまいして そのからだ 地に焼きつくというわ
(あなたは顔に星を撒いてもかわいいと思うよ
(ふん 星のおしゃべりがうるさくて 黙らせるのに必死なの
(わたしのキスをあげようか
(星も魅了されて影になる
(星影になる
(それなら なんにも かわらないのね
(かわらなくていいのよ
(あなたは 白くて いくらかシミがあって
(あなたは 黒くて 夜に不安を抱えて
(いつか 夜の星の うたうのを いっしょに聴きましょう

(ああ そういえば 日蝕の時の星の声は とびきりかわいかったね
 うすぼんやりしていたけれど耳に届いた
(そう 影は光を聴く
(そう 髪の毛をかきあげる

リコリスガール:0017 星を聴く<了>

『星を聴く』と題した詩をリコリスガールの連作として再録

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