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ハッカーを読め (4/7) 『パンプルムース氏対ハッカー』

過去に雑誌等に書いた記事を再掲しています。編集前のものなので、出版されたものとは異なるし、掲載にあたり若干修正している場合もあります。これは2007年に発売された、UNIX MAGAZINE Classic に書いたもの。

マイケル・ボンド『パンプルムース氏対ハッカー』

マイケル・ボンドという名前を知らなくても、あの「くまのパディントン」の作者と言えばわかるだろう。パンプルムース氏シリーズは、元刑事で現在はグルメ情報誌の覆面調査員である主人公が愛犬ポムフリットと活躍する大人向けのミステリ小説。本書はその6作目なので、これを読むためだけそれまでの5冊を読まねばならなかった。ちなみに、パンプルムースはフランス語でグレープフルーツのことだ。

パンプルムース氏が勤務する出版社も情報化の流れでシステムをコンピュータ化することになるが、いつのまにかデータが改竄されてしまう。主人公は技術に詳しくないので、コンピュータセキュリティに通じたコンサルタントを助人として雇う。このコンサルタントと主人公の会話が、素人向けのセキュリティ入門になっているところが面白い。ただ、最新鋭のシステムのメモリが1400バイト以上となっているのは、原書の間違いかそれとも翻訳ミスなのか。


パンプルムース氏シリーズ

シリーズについては創元社から詳しい解説が出ているので、そちらをどうぞ。「パンプルムース氏対ハッカー」については、妙に詳しく書いてある。

マイケル・ボンド

この記事を書いてから特に作者のマイケル・ボンドについて意識したことはなかったのだが、2017年に91歳で亡くなっていた。

パディントンは、2016年に実写映画化され、続編が2018年に公開されている。亡くなったのは、2作目の撮影終盤だったとのことだ。アマゾンプライムにあったので、観ながらこれを書いてる。あ、ニコール・キッドマンが出てきた。

そして、3作目「パディントン・イン・ペルー」の撮影が2023年に始まるそうなので、人気作らしい。

パンプルムース氏シリーズについては、特にこれといった噂は見当たらない。

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