米ドル覇権の終焉
2024年現在、米ドル覇権が終わろうとしている。
歴史上、とても貴重な1,2年であると考えています。
米ドル覇権は太平洋戦争が終わってからスタートしました。
正確にはブレトンウッズ体制、つまり固定為替相場制というものが1945年に開始されました。
米国がドルと金との兌換を約束すると共に、国の通貨の交換比率(為替相場)を一定に保つ仕組みです。
世界の金融市場の安定確保を狙っての策です。
しかし、1971年に有名なニクソンショックが起きます。
要は、米ドルと金との兌換をやめます。と宣言をしました。
この時点ですでに米ドルは金の裏付けがないただの紙となりました。
といっても今現在、世界中でまだ価値を持ち続けているのはなぜか?
当たり前に、信用という幻想があるから「お金」というものは成り立っています。
では、米ドルの信用を築き上げている要素があります。
それはなにか?という話をここではして、その要素が最近終わりかけている。
という話につなげて記述していくこととします。
その要素とは、以下の3つと言われています。ご存じの方もいるかと思います。
軍事力(米軍の世界駐屯 = 世界の警察)
ペトロダラー
順に追って1つずつ見ていきましょう。
軍事力(米軍の世界駐屯 = 世界の警察)
世界の軍事力ランキングを見てみましょう。
軍事力=軍事費としてここでは記載していますが、2011年がピークで年々軍事費が上がってきていることがわかります。
が、しかし、軍事費のグラフだけでは予測ができないことがあります。
それは、世界に駐屯している米軍の撤退です。
アメリカは世界の警察をやめる!とも言っていますが、この言葉を聞くとある大統領が思い浮かぶのではないでしょうか?
世間一般的には、彼の顔が思い浮かぶのではないでしょうか?
ある意味正しく、今後米国大統領の座に戻ってきた暁には、米軍の完全撤退をすると思われています。
しかし、米軍撤退の件について、もっと以前から決まっていました。
オバマ大統領の時から米国は世界の警察の地位を捨てると宣言していました。(2013年)
つまり、2013年よりも前に、米ドル崩壊を進めるシナリオに進んでいたということです。
民主党、共和党になったとしても米国は撤退の意思を見せています。
米国の意思というと実際のところ違いますが、そういう文脈にあるということです。
撤退の理由として最有力候補として考えているのは、「シェールガス革命」と考えています。
この発言の何年も前に、技術革新によって米国でもエネルギー生産を効率よくできることができるようになりました。
今まで米国がしていた覇権維持の方法をざっくりと説明します。
世界各国に世界の警察として、米軍を派遣し駐屯
テロを起こされた大義名分で報復し、石油などをぶん取る
ペトロダラー制を導入し、米ドルを介した石油の取引のみとさせる
だいぶ大雑把で荒い説明ですが、大方こんなようなことをして覇権を維持してきました。
そのため、アラブ諸国ではアメリカに対して良いイメージを持っていない人が多いのです。
色々な事件やテロの際にはいつもアメリカがいるなと、誰しもイメージがつくのではないでしょうか?
これが終わります。
自国でエネルギー生産ができることとなり、世界から軍を撤退させる。
軍を維持させるのだってとてつもなくお金がかかります。
世界の警察をしている意味を失ったアメリカは先程も言ったように、オバマ大統領のときに撤退宣言をしました。
その結果、米ドルの覇権要素である1つ、「軍事力」を失いつつあります。
「いやいやそんなことないでしょ笑」と思われる方、このグラフを御覧ください。
米ドルの影響が大きい地域=G7とBRICS加盟国を比べたグラフです。
人口は圧倒的にBRICSが多く、差が歴然です。
Nominal GDPっていうところ勝ってんじゃん!と思うかもしれませんが、真ん中のグラフの「GDP on PPP」という指標は、各国の物価水準や通貨価値を考慮に入れて国民所得を調整したものであり、国際間での比較に適しています。
より客観的に見れば、2023年時点ですでに米ドルにBRICSは勝っているようにも見えます。
これからさらに拍車をかけBRICS加盟国が増え、脱米ドル化が進むとなるとどうなるかは、少し勉強していれば明白な答えです。
これが、軍事力(米軍の世界駐屯 = 世界の警察)を失うことで米ドル覇権が終焉する1つめの理由です。
ペトロダラー
ペトロダラーとはなにか?一言で言えば、ドル・石油本位制です。
石油の売買をする際にドル建てで取引しましょうという暗黙の了解です。
厳格な取り決めはありません。
ただ、今までドル建てでやり取りをしたほうが安心だよね。そうしよう。という慣習のもとドル建てで取引がされていました。
その暗黙の了解をやぶった国は、世界で監視しているアメリカ兵によってお仕置きをしますという罰則付きです。
▼イラク フセイン大統領
2000年 米ドルではなくユーロで石油販売を発表
2001年 大量破壊兵器疑惑でイラク戦争
▼リビア カダフィ大佐
2011年 米ドルではなく金が裏付けのディナールで石油販売を発表後、リビア内戦が勃発(捕まって殺された
勝者がルールを決めるとはまさにこのことでしょうか。
それももう終わります。
BRICS加盟諸国は、脱米ドルを推し進めて、代替される強力な通貨を準備しています。
以下、Bloombergでとても中立な立場で記事が書かれています。
※余談ですが、Bloombergの大株主は◯スチャイルド家です。つまり、その方たちが言っているということは。ということです。
また、軍事力の章でも書きましたが、シェールガス革命によって米軍は撤退の流れにあります。
一回始まった米ドル覇権の終焉までのステップは不可逆的なもので、加速度的に進むと考えています。
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