「あ、別にダメな教育方法ではなかったんだ」と思えて、私たちも救われたんです。 - 保護者インタビュー #02
テックプログレスに通学する親御様に、通学のきっかけや通学で生まれた変化や成長、ご家庭での子育て方針などを聞くインタビュー企画。
第二弾は、テックプログレスの小さな哲学者「伊藤康介くん(中学2年)」のお父さま・お母さまにお話を伺いました。
誰よりも「思考を楽しむ」ことに長けている彼はどのようにして形成されたのか、また、テックプログレスとの出会いによってどのような変化があったのか、興味深いお話が満載です!
-周りが気にならない超マイペースな息子がやっと出会えた「習い事」-
はなみずき校開校1ヶ月後の2015年7月から通っていただいたんですね。
現在は中学2年生ですが、この頃は小学5年生でした。
きっかけはどのような感じだったか覚えてらっしゃいますか?
父:もともとは、なにか運動をさせようと思っていて。
少し変わってるんですけど、スポーツチャンバラとかフェンシングをやらせてみようとしたのですが続かなかったんですよね。
学校の部活も入ろうとしないし、これまで習い事は長続きしなかったんです。
母:本人が自分からやりたがらなかったんです。
ただ、家でパソコンやマインクラフトをするときの集中力はすごくて、友だちと遊んだりとかっていうのもそんなにね。
父:ゲームで遊んだりってのはあるんですけど、みんなが公園で遊ぶねっていうと「じゃあ行ってらっしゃい!」と言って自分は一人で好きなことをしようとするような子でした。笑
母:やはり親としてはちょっと不安を感じるわけです。
父:そこで、パソコンスクールやプログラミングスクールなど検索してみると、都会の方はいくつかあったけど、松山に全然なくて。
たまたまあったのがテックプログレスです。
4,5月あたりにちょうど見かけて、体験会に行こうと。
母:やっと見つけたー!みたいな感じだったね。
4,5月だったらまだ教室も内装が出来上がってないような時期ですね。
父:そうですね。体験会をみてから考えようかということで、妻は出張でいなかったので私が連れて行ったんですね。
母:体験を受けた夜、結構興奮した感じで「よかったよー!一人ひとりの個性伸ばしてくれてカリキュラムもこういうふうになっててね」と電話してくれたのを覚えています。
父:最初聞いた時に印象強かったのが「個性を伸ばす」「否定をせずにやっていきたい」という点です。そこが康介に向いているな、これは続きそうだなと思いました。
母:スポーツチャンバラやフェンシングは説得しながら、「これだったらいけるんじゃない?どう?」みたいに連れ出したところがあったんですけど、ここは康介自身がやりたいって言ったんですよ。
これまではほんと続かなかったんですね。
母:続かなかったですね〜。まず声かけても興味を示さない子だったので。汗
父:そうなんですよ。例えばですね、自転車に乗らせるじゃないですか。
自転車の練習って普通は本人が乗りたくなって、乗れるといいなと思い始めると思うんですけど、本人は乗らなくていいんです。本人にとっては必要ないんです。
本人の感覚としては「お父さんに付き合ってあげてる」って感じなんですよ。笑
母:本人は申し訳ないなと思うみたいなんです。お父さんお母さんは自分のために「これは必要なんだよ?」「練習しない?」と必死に説得してくれているけど、自分はまるで興味ないし、「乗ろうと思えば乗れるし、歩くからいいよ」と。
未だに乗れないんですけどね。笑
父:練習したあとに「これでよかったね、お父さん満足した?」みたいに言われるんです。笑
昔から自分の価値観があって、自分にとって必要がないものがはっきりしていました。
伊藤くんって僕が見てきた子どものなかでも特に頭の回転が早くて、頭いいなと思うんですけど、学校の勉強は好きではないところはありますよね。
これも本人からすると学校の勉強に意味を見出せてないというか、価値を感じていないというか…。
やればできるんだろうけど、面白くないからやらないっていう判断基準は昔から変わらず今に続いているのかもしれないですね。
父:そうですね、大事なのは本人にとって価値があると思うかどうかで、周りがどう思うかとかはあまり関係ないみたいですね。
母:ものすごくマイペースです。
一方で、自分が興味を持ったものに対する吸収力がすごいですよね。
伊藤くんが無料体験に来た時をうっすらと覚えているのですが、すごいハキハキした優秀な子だなぁと。
最近の小学生はこんな理解力あるんだと思ってカリキュラム考えたら、他の子は全然ついていけてなくて僕らのカリキュラム構想がそこで崩壊しました。笑
父:理解力は今でこそ平々凡々になりましたけど、幼稚園児ぐらいの頃の方が大人びていたというか出来上がってた気がします。
母:幼稚園児の頃から宇宙の話を好んだり。
そういう話は夫に任せてるのですが、そうすると同級生のお友だちとは話が合わないし、マイペースだから本人としても別に付き合わなくてもいいじゃんって…
小学校に入ってからも変わらずだったので社会との接点がなかったんですよね。
だから親としては心配で、小学校のベテラン先生も「末は大臣か、大馬鹿者か」って呆れて言われてましたし、小学校の頃は何度も呼び出しくらってました。
教室の様子からは全くそうは見えないですね!
母:「康介くんが団体行動してくれません」って。
みんなが同じことをできるようになることを学ぶのに、それを納得できず、すぐ自分の世界に入っちゃうから、学校以外で習い事をさせて社会との接点をなにかしら作れないかなと。
そうしたタイミングでテックプログレスを見つけて入会して。
本当に良かったと思ったのが、夫も言ってましたが康介のユニークな個性を尊重してくれる点です。
親としては団体行動ができないという社交性以外は普通だし、良いところいっぱいだなと思うんですけど、社会と馴染めるのかなって心配もありましたし、本人もその点で自信を無くしているところもあって。
テックプログレスに入ると、先生たちが小5の子どもとしてではなく、「伊藤くん」として話してくれて、康介としてもいろいろ話を共有できる人が見つかったのが嬉しかったようです。
プログラミングは康介が好きで集中できるツールの一つではあるんですけど、それ以上に個性を受け止めてもらったり、家族じゃない人からも承認してもらえたのがすごい大きくて、ありがたくて。
父:「話が通じる」って喜んでたね。笑
母:そうそう、今度これ先生に話すんだ!とか今でもよく言ってるね。笑
僕らも「個性を大切にする」というのはずっと意識してきましたが、彼にとってテックプログレスが自己肯定感を高める場になっていたというのはとても嬉しいです。
-「お母さん調べないで一緒に考えようよ!考えたほうが面白いから」-
すでにお聞きできている部分も多いですが、改めて通学してから生まれた変化はありますか?
父:まず顕著なのは、モノの仕組みのことを考えるようになったことです。
具体的にはどのような場面でそれが見られましたか?
母:車とか自動販売機、信号など、ゲームがプログラミングして作られていることはわかったけど、それ以外にも、生活のあらゆる場面にプログラムが使われていて、それぞれにさまざまな仕組みがあることを知ったと思います。
父:「これってどうなってるんだろう?」ていう会話は多くなりましたね。
母:夫もそういう会話が好きだから、二人でドンドン盛り上がって、そうした時間も増えましたね。
康介に言われて印象的だったことがあって、
ある時、月から隕石を持ち帰ったかどうか?みたいな話題になって、「持ち帰ったんじゃない?」「いや、持ち帰ってなかったと思うよ」て話になったんですけど、私はわからないことがあるとすぐにググったり調べちゃうんですね。
そこで「ちょっと調べてみるね」と言うと康介から「お母さん調べないで一緒に考えようよ!考えたほうが面白いから」と言われて。
父:結果が知りたいんじゃなくて、その過程を考えることが楽しいみたいなんですね。
母:夫はそうやって会話を楽しむ方なんですけど、私はすぐググっちゃうから何度か続けてそう言われましたね。笑
純粋な知識欲とはまた違って、思考するのが好きというのは伊藤くんの特徴ですね。
彼のそうしたお喋り好きが講じて議論が盛んになったのか、お父さんが話をよく振っていった結果、彼が議論好きになったのか、どちらなんでしょう?
母:昔からすごくお喋りで、話すのが好きだったよね。
父:話すのは好きだけど、そういう方向に考えられる子になるよう若干誘導している感じもありましたね。
私としては、自分で考えられる子になってほしいという想いがあって、言われたことをやる人も重要なんですけど、自分で問題意識を持って解決に当たれることが今後は大切だと。
AIが仕事を奪っていくときに、奪われる側ではなく使う側になってほしい。
そうすると、自分で考えられる人でないといけないので、そこは伸ばしておこうと思っています。
悩みながらも貫いた「なぜ?どうして?」を重ねるコミュニケーション
重松:こうした話を聞いていると、親子でのコミュニケーションが多く、家族での時間を大切にされている印象があります。
子育ての中で意識されてきたことはありますか?
父:二人で決めていたことがあって、まず「頭ごなしになにかしなさいと伝えたり、否定はしない」
ちゃんと会話して、なぜ?、どうして?をちゃんと聞くようにしよう、ということです。
でも、とても不安でした。
頭ごなしに言う方が簡単なんですよね。その方が結果がすぐに出る。
それに対して、できたね、よかったね、と。
一方で、本人と対話を重ねて考え方を理解して、ってやり方はすごく時間がかかる。
そのやり方が正しいのか不安だけど、将来的にその方が考えられる子になるよね、と思って続けてきました。
そんなとき、テックプログレスに来ると教育の指針に掲げて、それを体現している。
これまで自分たちがやってきたことがどうやら間違いではなさそうだと気づけた瞬間でした。
母:呼び出しを頻繁に受けていた小学生の頃のことですが、先生の言ったことに対して「でも…」と反論したり、納得できずそこから動かなくなる康介を作ってしまったのは、本人が納得いくまで話をするという私たちのコミュニケーションが原因なのかな、間違えて話を聞きすぎちゃっていたのかな、と私たちも心が折れかけた時期がありました。
そこで、私たちも学校風に「いいから決めたことをやりなさい」とやってみました。すると、康介としては突然の変化に心がボキッと折れてしまい、重たくてうまく回らない感じになりやめました。
そんな時にちょうどこちらの教室を見つけて、「あ、別にダメな教育方法ではなかったんだ」と思えて、私たちも救われたんです。
会話を重視して、ひとつひとつ「なぜ?」を大切にしたがために、学校の先生のように理由なく「ああしなさい、こうしなさい」という指示を聞き入れられなくなったんですね。
父:彼はなんのために?と理由が知りたいんです。ただ、その回答を求めようとすると「いいからしなさい」と言われる。
理由や目的を求める姿勢はとても大事だと思います。
学校の勉強って問題は向こうから与えられますよね。そしてそれを処理していくと。
与えられた問題を無心で高速に解いていける子がいわゆる学校の勉強ができる子なんだと思います。
そもそも問題や目標を自分で考えたり、見つけたり、まず自分で方向性を定めることが好きな子は、自分がやりたいと思って決めたことは取り組めるけど、「はい、これ解いてください」と出された問題には興味を持ちにくいと。そんな特性の違いがあるのかなと思いました。でも親御さんからすると、ここは悩ましいですよね…
-やりたいことを見つけたときは、がむしゃらに-
父:うちは学校の勉強については、中でいいよと言っているんです。
ただ、やりたいことを見つけた時は、がむしゃらにやろう!と言っています。
母:中でいいよとは言ってるのは、やりたいことが見つかったときに自分が行きたい方向に行けなくなる可能性があるから。
大学進学の是非はありますが、専門性を学ぶためにはやはり大学は重要で、大学に行こうと思えば、学校の成績はどうしても切り離せないですもんね。
今年は中3になって、高校受験が控えていますが、今後どういうふうになってほしいとかありますか?
父:具体的なのものはないですけど、「こうしなさい」っていうスタンスの会社だと康介の能力は発揮できないと思うので、会社に限らず自分のやりたいことがやれるところ、そうしたフィールドで活躍してほしいです。それができればなんでもいいかなと思います。
自分がやりたいと思っていることに対しては我慢できると思うんですよね。
母:親としては康介のユニークな個性を殺したくなくて、ユニークな個性のまま才能を発揮できるような仕事についてもらうことが一番かなと。そうしたときに自分で考えていけるようになってほしいですね。
父:あとは、先ほども話しましたが、「考えられる人、そしてシステムやAIを使う側の人」になってほしいというのがやっぱりあります。それらを抵抗なく使える人になってほしい。
不確実な時代なのでこれから訪れる波を柔軟に受け入れて、その波にちゃんと乗れる人みたいな。
堅いだけではダメで、時に柔軟に変化できるしなやかさも大切ですね。
-テックプログレスへの要望と今後の課題-
それではだいぶ長くなってしまいましたが、最後にテックプログレスへの不満やご意見などあればお聞かせください。
母:要望なんですけど、ここでつながりを持てたことが嬉しかったり楽しかったので、中高生になった後や、社会に出るまでなにかしら介入できる隙を作ってほしいです。
例えば、イベント時にボランティアとして参加できたり、発表会や普段の授業などでもメンターとして参加できたり、選択肢が広がるといいなと思います。
卒業生チームとして参加して作品を作ったり、お兄ちゃんたちすごいぞ!みたいな感じで小学生に刺激を与える存在があったり。
あと、夫が言っていたのは、以前発表会でメンターを務めさせてもらいましたけど、そんな良い働きができなかったんですね。それはおそらく、この子が上の世代からメンタリングされた経験がなかったから、実際どういうふうに動けばいいのかイメージがなかったのもあると思うんです。
そういう点では、この子たちが次にメンターとなる子たちのメンターになる。つまり、メンターのメンターみたいなのがあって面白いなと思いました。そうすると、卒業してもOBとしてつながり持てるじゃん!と。笑
父:高校生ぐらいの子が中学生メンターのメンターになるみたいな。
いいアイデアですね!ぜひ採用したいです。
今春卒業する子が多くて、僕もなにかしら彼らとつながりを持っておきたいなと考えていたところだったので参考になります!
純粋に彼らが今後どうなっていくのか知りたいなとも思っていましたし。
お父さまからも何かありますか?
父:論理的に思考するうえで、頭のなかで「フロー」が作れることってすごく重要だと考えてるんですね。
Scratchはフローが勝手に作られていって目に見える形になりますが、テキストプログラミング言語での開発になると、そうしたフローが存在しないわけなので、まず自分で作らないといけない。フローを作れるかどうかがプログラムを作れるかになると思うんですよね。
なので、曖昧なことを曖昧に捉えるのでなく、分解して考えられるように、それこそScratchからJavascriptのコースに移る前などに、「自分でフローを書いてみよう」みたいな講座や練習があるとスムーズに次のステップに行けるのではないかと。
感覚で出来ている人は天才だけど、だいたいの人は感覚でなく、考えないといけない。
日常生活や仕事においても、フローは思考の手助けになるんじゃないかなと。
難しいですね〜。汗
母:カリキュラムに含むまでしなくても「フローを書いてみよう」みたいなイベントがあってもいいですよね。
なるほど、とても参考になります、ありがとうございます!
本日はお時間いただき本当にありがとうございました!
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