アウトプットが次のインプットにつながるループを作る。[キネカCTO 榊原さん]
キネカ榊原さんへのインタビュー
アウトプットが次のインプットにつながるループを作る。
Techpitでは電子書籍の作成を通じて、これまでにない新しい執筆体験を目指しています。教材を作成されている方たちの多くは書籍などの執筆体験を抱負にお持ちです。その執筆体験を共有いただくのが、このインタビュー企画になります。
今回は、株式会社キネカCTOの榊原 宏祐さんにお話を伺いました。
Q:自己紹介からお願いします
榊原 宏祐といいます。株式会社キネカでCTOとして働いています。キネカはエンタメマッチングアプリpatoを運営している会社です。
まだ設立4年目の若い会社で、開発チームは数十名ぐらいの規模感になります。僕以外は若手が多いです。CTOという立場もあって、コードをバリバリ書くよりも、マネジメント方面の仕事が増えています。
技術書典からはじまった書籍執筆体験
Q:これまでに書かれてきた書籍について紹介いただけますか?
最初に書いたのがIonicで始めるPWA開発で、これは技術書典6が初出になります。この本はその後インプレスR&Dさんにお声がけいただいて、Ionicで始めるWebサービス開発という書籍名で商業出版させていただきました。
ハンズオン形式でIonicについて学びながら、質問箱のような匿名メッセージサービスを作る内容になっています。フロントエンドはIonic、バックエンドにFirebaseを使って、CRUD操作やログイン機能などを学べます。
後は共著でゼロから始めるデザインシステムを書きました。
Q:最初に書籍を書かれた経緯を教えてもらえますか?
元々本を書いてみたいという気持ちが強くありました。それまではブログ記事を投稿したり、技術発信を行っていたのですが、本をどう書いたら良いかはわかっていませんでした。
そんな時に技術書典というイベントを知りまして、秋葉原の会場で長蛇の列ができているという話をTwitterで見かけ、次は出ようと決めました、それがきっかけです。
普段Ionicを使っている中で、他の人からIonicで何ができるんですかと聞かれることは多かったので、それを書籍にしたらニーズがあるんじゃないかと思って書き始めました。
Q:書籍を書き上げるのにどれくらいかかりましたか?
約5ヶ月ですね。技術書典が11〜12月くらいにあって、その次が4〜5月だと発表されていたので、それまで継続的に執筆していました。
Q:その間モチベーションをどう維持していましたか?
モチベーションが下がったことはなかったですね。最初からもう技術書を出そうと決めていたので。そこに向けて、ちゃんと確実に終わらせようと考えていたので、途中でやる気がなくなることはなかったです。
強いていうならば、サンプルコードは1月の段階で終わらせていて、後はそれを作るための説明を書いていきました。技術同人誌を書こう! アウトプットのススメを参考にさせてもらいました。
後、技術書典主催であるTechBoosterさんのイベントが定期的に行われていたので、そこに参加して気持ちを高めていました。
Q:「Ionicで始めるWebサービス開発」は「Ionicで始めるPWA開発」の商業出版版になりますが、リライトや直された部分はありますか?
はい。元々の技術書典で頒布した時から2〜3年経っていたこともあって、Ionicのバージョンアップや技術書典の時には書き切れていなかった部分を書き直しています。
技術書典版を読み直してみて、説明が足りなかった部分について追記なども行っています。
共著の楽しさ
Q:ゼロから始めるデザインシステムは共著ですが、単著との違いはありましたか?
そうですね。やはり一緒に書く人がいると楽しいですね。いろいろ相談しながら書き進められますし、入稿前日は一緒に書いていた人の家に行って、やりとりしながら書き終えました。
思い出深いです。レビューし合っていたので、構成をお互いチェックしたり、意味を確認しあっていました。単著でも周りの人に読んでもらったりはしていましたが、共著のレベルではなかったです。
Q:執筆する上で注意している点はありますか?
読み終わった時にその人の武器になるようなものを目指しています。機能や仕組みの実装も、再利用性も考えつつ書いています。Ionicで始めるWebサービス開発ではログインやCRUD機能を持ったサービスができあがるので、別なアプリケーションを作る際にも応用が利くと思います。
後は文体ですね。Ionicで始めるWebサービス開発は初心者に優しい書籍を目指して、楽しげな雰囲気作りを意識しています。
ゼロから始めるデザインシステムについては、当時デザインシステムに関する情報が少なかったこともあって、先導するような雰囲気を目指して「である調」にしていますね。読み手が次のアクションにつなげられるのを意識して文体を変えています。
アウトプットが次のインプットを生み出す
Q:Techpitで書いてみたい書籍のアイディアはありますか?
Techpitの中でまだAngularやIonicに関するものがないので、まずはそこを狙っています。AngularとIonic一緒に使っても良いですし、別々でも良いですね。
IonicはUIが本当にきれいで、UIコンポーネントライブラリとして非常に優れています。CSSを書かなくても、きれいなUIを持ったアプリケーションを作れるのが魅力です。
DX(デベロッパーエクスペリエンス)が高く、開発者に優しいフレームワークなので、スタートアップなどで採用すれば開発工数を大幅に減らしたり、マーケットにフィットしたプロダクト開発に役立ちます。ぜひ使い方を覚えて、皆さんに使ってほしいです。
Q:榊原さんにとってアウトプットとは何ですか?
書籍に限らずブログや勉強会、コミュニティでもそうだと思いますが、技術を発信すると良い技術者が集まったり、次のインプットにつながる出会いが生まれると感じています。そういったアウトプットとインプットをループさせるために必須なんだと思います。
ありがとうございました!
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