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【蝦夷幽世問わず語り】フリュー

片方の翼の長さが七里はあると言われる巨鳥。地域によってフリ、フーリー、シウリ等と微妙に呼び名が異なるが、クジラを掴んで持ち上げる巨体と怪力と言う点では共通している。アラビアンナイトのルフ鳥や古代中国神話の大鵬に似ていなくもない。

〈容姿〉
前述の通り巨大な体を持つ猛禽類と言った姿をしている。
伝承によっては、美しい羽毛を持つとされる事もある。

〈性質〉
どちらかと言うと粗暴な性格。
普段は様々な野や海の獣(鹿、イルカ、クジラなど)を捕食しているが、時には人間を襲う事もある。
人間の英雄や文化神オキクルミカムイに成敗される怪物的側面の大きな存在である一方、地域によってはフリーカムイと尊称し、他のカムイと同様に敬う事がある。

〈備考〉
北海道には過去に、ユーラシア大陸からクロハゲワシと言う大型(翼開長2.5〜3メートル、体長1メートル近くはある)の猛禽類が迷鳥として飛来した記録がある。このクロハゲワシがフリューのモデルでは無いかとも言われている。但しクロハゲワシは通常は動物の死骸を食べるスカベンジャーであり、ヒトを襲う事は極めて稀。


参考資料
日本の民話 第1巻・北海道(研秀出版株式会社)
ひとつぶのサッチポロ(萱野茂著、平凡社)

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