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【蝦夷幽世問わず語り】マカオタリ

見た者を不運たらしめると言われる怪鳥。名前は【ひっくり返る】と言う意味で、その名の通り木の枝に止まろうとしたり、地面に降りたりするとひっくり返ってしまい、永遠に休息する事が出来ないと言われている。

〈容姿〉
見た目はミミズクそのもの。
因みにアイヌの人々はシマフクロウをコタンカラカムイ(村を護るカムイ)、エゾフクロウをイソサンケカムイ(獲物を授けるカムイ)と呼び崇めたが、他のフクロウの仲間についてはカムイと見倣さず、寧ろ縁起の良くない化け物として扱っていた。マカオタリはそうした伝承のひとつである。

〈性質〉
直接人間に危害は加えないが、この鳥を見た者は必ず不運になり、悲惨な人生を送るか、最悪の場合死んでしまうと言われる。これにはマカオタリの誕生の経緯が関係している。

〈備考〉
日高アイヌの伝承に拠ると、マカオタリは元々はペナンペ(川上の者)と呼ばれる人間で、文化神オキクルミカムイとヤオシケプカムイ(蜘蛛のカムイ)に無礼を働いた為にオキクルミカムイの怒りを買い、呪われて鳥に変えられたのだと言う。更にオキクルミカムイは「お前のような根性の悪い人間から化成したからには、この先お前の姿を見た者もお前同様に呪われる事になろう」と呪いの重ねがけをした為、マカオタリを見た者は皆酷く不運になるのだと言われている。

参考資料
Wikipedia
アイヌ文学の生活史(更科源蔵著、NHKブックス)


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