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青は藍より出でて

タイトルに深い意味は無いので気にしてはいけない(おい)。

ワタクシは80年代が青春真っ盛りだったので、その頃の洋楽にはどっぷりハマったクチである。…とは言え、昔のワタクシはレコード(或いはCD)を潤沢に買える程小遣いなど貰えてなかったし(序でに言うとアルバイトも禁じられていた)、何ならラジオを聴く事でさえ親が良い顔をしなかったので、音源…MP3を自分が稼いだカネで買うようになったのは割と最近の話だ。何故MP3になってからの購入なのか、社会人なりたての時はどうだったんだ…と言うお声があるかも知れない。確かに社会人になってからはCDを随分買った。だが、ワタクシが青春と共に過ごした洋楽の音源は、ワタクシが社会人になった頃には市場から消えていたのだ。ハヤリスタリの恐ろしいところである。

さて、80年代の洋楽に話を戻す。

今年になって偶然、80年代に夢中になった洋楽2曲をMP3で入手した。ジョージ・ハリスンの【セット・オン・ユー】とマルティカの【空が落ちてくる】である。
この2曲にはある共通点が存在する。それは【オールディーズのカヴァー(大幅なアレンジ含む)】と言う点である。

マルティカの【空が落ちてくる】の元歌は有名であろう。キャロル・キングの同名の歌で、こちらはこちらで良曲ではあるのだけれど、ワタクシは断然エネルギッシュなマルティカ版の方が好きだ。
以前ある場でマルティカ版【空が落ちてくる】を思い切りシャウトしたら、キャロル・キング版を愛好する数名の同席者から文句を言われて、場が一瞬だけ険悪になった事がある。

他方、ジョージ・ハリスンの【セット・オン・ユー】もオールディーズのカヴァー(元歌はジェームス・レイ)だが、こちらはマルティカの【空が落ちてくる】以上に原曲のイメージから離れた大胆なアレンジが施されており、一聴しただけでは同じ曲とはとても思えない仕上がりになっている。

こうした例は、探せば結構あるもので、ワタクシが知っているだけでもMCハマーの【ユー・キャント・タッチ・ディス】(元歌はリック・ジェイムズの【スーパー・フリーク】)、スキャットマンの【ハーデスト・ワード】(元歌はエルトン・ジョンの【ソーリィ・シンス・トゥ・ビー・ア・ハーデスト・ワード】)や【インヴィンシブル・マン】(元歌はクイーンの同名の曲)、シニータの【あの日にゲット・ライク・バック】(元歌はマキシン・ナイチンゲールの【愛とは強いもの】)等多岐に渡る。いずれも単なるカヴァーに留まらず、一捻り加えてあるのが共通の特徴だ。

そうした【単なるカヴァーに留まらない】一例として、ある歌を思い出したので記す。

4 Non Blondesの【What's up】と言う歌がある。
この歌はユーロビートアレンジもされ、そっち方面の音楽を聴く人間にもそれなりに名が知られた歌であるが、元歌はどちらかと言うとおとなしめな楽曲だ。
その歌が思わぬカタチで日の目を見た。
海外のアニメーション【マスターズ・オヴ・ユニバース】の映像に在野の男性クリエイターがノリノリにアレンジした同曲を唄って音源を合わせた動画がネットミームになったのだ。
お陰で同曲は再びインターネットの世界で注目されるようになり、なんとYouTubeミュージックにはそのクリエイターが唄ったバージョンがサブスクリプションの一曲としてラインナップ。最終的にこの男性ヴォーカルによる同曲のアレンジは【Fabulous Secret Powers】と言うタイトルでシングルが発売されるに至った。この辺、如何にも海外らしい。恐らく日本では、こんな事は先ず実現不可能であろう。

能動的に曲を流し聴くだけでは無く、たまにこうした制作の裏側を覗いて見ると、普段聴いている曲がいつもより少し違って聴こえて楽しい。そう感じるのはワタクシだけであろうか。

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