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犀 (サイ : Rhinocerotidae)

子供の頃、動物図鑑を眺めるのが大好きでした。特にサイはツノをもつそのフォルムから太古の昔の生き物をイメージさせて特別視していましたね。そんなこんなで色々と調べてみました。現生するサイは5種に分類されるそうです。

現生の種類

<アフリカ大陸の東部と南部に生息>
・シロサイ
  この名称は蘭語から英語への誤訳が原因とされる。最も大型。
・クロサイ
  尖った口先で葉や果実を摂取する。シロサイより気性が荒い。

<インド北部からネパール南部に生息>
・インドサイ
  角は一本。鎧が特徴的。

<マレーシアとインドネシアの限られた地域に生息>
・ジャワサイ
  インドサイと似ている。角が一本。やや小柄。雌は角がない。
・スマトラサイ
  5種の中で最も小さく最も原始的な種。茶褐色の体毛がある。


進化の歴史

サイは始新世前期、約4700万年前に他の奇蹄目から分岐した。角のない小さなサイの祖先ヒラキウス属のHyrachyus eximiusは北米で発見された。始新世後期までにサイは、ヒラコドン科、アミノドン科、サイ科の3科になった。

ヒラコドン科 Hyracodontidae
始新世中期から中新世前期(5580-2200万年前)にかけて北米、ヨーロッパ、アジアに広がっていた絶滅した科。角を持たない。

アミノドン科 Amynodontidae
始新世中期から漸新世前期にかけて北米、ヨーロッパ、アジアに広く分散、生息していた。一部の種は漸新世後期まで残っていたものの絶滅した。角を持たない。アミノドン科は水生サイとして知られている。この科の種はカバのような生態や外観をもち、川や湖に生息し、水草も食べるなど、カバと同じような水生適応を多く持つ。

サイ科 Rhinocerotidae
始新世後期にユーラシア大陸で誕生し、すべての現生のサイはこれに属している。かつてサイ科の種は小型且つ豊富だった。漸新世中期における絶滅の波が小型種のほぼ全てを一掃するまでは少なくとも26属がユーラシアと北アメリカに生息していた。この絶滅の波の後でも、いくつかの独立した系統は生き残った。Menoceras は豚程度の大きさで鼻の上部に左右に並ぶ角を持っていた。北米のテレオケラスは樽型の胴体と短い肢を持ち約500万年前まで生息していた。アメリカでは鮮新世にすべてが絶滅した。


現生種の絶滅危惧

100年前には約50万頭いたサイですが密猟と生息地の自然環境破壊により激減し今では約27000頭 (うちジャワサイは67頭、キタシロサイは5頭)しか残っていません。2011年から2020年の10年間平均では年間800頭以上が密猟によって殺されました。 コロナ禍で密猟は減少していますがロックダウンの緩和につれて再び増加傾向にあります。

サイの角は癌など様々な病気への効能がある万能薬と信じられ中国やベトナムなどでは高値で取引されているといいます。 医学的にその効果は証明されていないにも関わらず今だに多くのサイが犠牲となっているのです。


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