本記事はガバメントクラウドAdvent Calendar 2024の1日目の投稿となります。 公表プラットフォームがQiitaですので、テクニカルや実務的な内容は他の方にお譲りし、初日ということもありますので、まずはバックグラウンド的な基礎知識を書いていこうかと思います。 また他の方が深掘り記事を書けるように、各トピックはさわり程度に流しますので、2日目以降の執筆のネタにしていただければと思います。 1.ガバメントクラウドとは? 一言で言えば「デジタル庁が整備する、
各種情報発信について、かなり機会が増えてきましたので、備忘代わりにここにログを残します。適宜追加していきます。 2023年4月11日 ジチタイワークスWEB(Web掲載)おもしろい?こわくない?参加中の自治体職員にインタビュー! https://jichitai.works/article/details/1699 共創PFの紹介記事の一部として、利用者の声が掲載されており、その中に登場しています。まだアンバサダー制度がなかった時代ですね。 2023年6月29日 A
リソース不足によるデスマーチは珍しくもありませんが、そうしたプロジェクトが真に崩壊する時は目標の達成の見込みが無くなった時です。 具体例として名前を出して申し訳ありませんが、過去の特許庁や京都市のシステム更改案件などが典型です。 デスマーチに陥ったプロジェクトにおいて、出来ることと出来ない事を整理し、優先順位をつけて対応するのは重要な事です。しかし、その結果目標達成の見込みや効果が見いだせなくなった時、モラルハザードに陥りプロジェクトは急速に崩壊に向かいます。 その
1 はじめに 先日、ある自治体の方からLGCS接続パラメータシートの提出について相談を受けました。 ご存じの通り、名古屋市はガバメントクラウド接続回線は独自に専用回線を調達しているため、蚊帳の外の話ではありますが、興味本位で実際のパラメータシートを見てみると、一般的な自治体職員が正確に記入するのは非常に厳しい気がしました。 そのため、筆者が考える躓きポイントについて記載していこうと思います。 なお筆者はAWSしか分からないのでAWSについてのみ記載します(´・ω・`)
前編で第4章まで解説しましたので、引き続き第5章から後編です。繰り返しになりますが、各章タイトルについては便宜的に旧(1.0版)のものを採用します。 5.ガバメントクラウド共同利用方式における責任分界5.1 システム管理上の責任分界 IaCによる「セキュリティルール、IaCコード管理等の管理機能」が「セキュリティ設定等」にまとめられています。また「最低限」の表現が無くなっています。一方、後述する単独利用方式では「最低限」の表現は残っています。 この「IaC手法によ
2024年4月24日、自治体への事前予告や意見照会なしに「地方公共団体情報システムのガバメントクラウドの利用に関する基準【第1.0版】」が改定され、「地方公共団体情報システムのガバメントクラウドの利用について【第2.0版】」となりました。 もともとガバメントクラウド接続サービスの廃止等不整合が多く生じていましたので、改定自体は歓迎なのですが、新旧対照がなく非常に分かりづらい状況になっています。 ※ 【5月13日追記】5月9日付で新旧対照表が公開されました。 https
3月1日から名古屋市の「令和6年度春実施試験 第1類[大学卒業程度・22歳から30歳]採用試験」の申し込みが開始されましたので、今回は勝手にリクルート記事を書きます。 ありがたいことに、自分と一緒に仕事をしたいと言うような声もチラホラ聞くようになりました。 大多数は社交辞令だと思いますが、もし本気でデジタル分野の仕事をしたいのであれば悪い選択では無いと思います。 なお、あくまで個人の主観による非公式のものですので、正式な情報は名古屋市公式HPの該当コンテンツをご確認
デッカイギの実行委員会の方から依頼を受けて、1/6(土)13:00-15:30開催予定の「標準化困りごと相談会」にて「調達」コーナーのファシリテーターを行う事になりました。 どのような場になるか今から楽しみですが、その予習として、システム標準化関係の調達について、どのようなものがあるか、事前におさらいしておこうと思います。 解説には以下のアーキテクチャ図を用います。左側が自治体庁舎で右側がガバメントクラウド(例としてAWS)です。 1.ガバメントクラウド利用権付与・運
今年もあと少しなので、備忘録代わりに今年度の個人的な作業記録を記しておきたいと思います。 1月デッカイギへの参加 2023年最初のイベント。多くの関係者と意見交換を行い、交流を深めました。サプライズで大臣が登場したのが印象的でした。 指定都市市長会:政令市要件の検討が佳境 非常にタイトなスケジュールの中、各業務所管課に激を飛ばし、作業を極力単純化するよう工夫して、乗り切りました。 総務省:システム標準化移行経費調査 当初11月ごろ実施予定と言われていた経費
来年度からガバメントクラウドを利用するけど、クラウド利用料が分からなくて令和6年度の予算要求ができない。そういった声を最近聞くようになりました。 AWSであれば、一度動き出してしまえば、マネージドサービス(AWS Cost Explorer)にて今後1年間の利用料金の予測が可能で、それを元に予算要求をすれば良いので、実績のない初年度のみが問題となる認識です。 今回は、この初年度に向けたクラウド利用料の積算手法について記載したいと思います。 例によってCSPはAWS想定
何となくそんな気がしていましたが、最近確信するに至りました。 理由を端的にいうと、ガバメントクラウド利用基準等においては、共同利用方式のメリットの部分のみ記載して、デメリットの部分が記載されていないからです。言い換えれば、単独利用方式では発生しない隠れたコストがあるため、単独利用方式と比較して安くなることはないということです。 今回はその理由について説明していきます。また前提条件として、特に記載がない限りCSPはAWSを想定します。 1.顧客である自治体にアーキテク
2023年4月28日にAWSにおいて、AWS Verified Accessというサービスが一般公開になりました。 一言で言えば、AWS上の特定のアプリケーションにゼロトラストネットワークアクセスを提供するマネージドサービスです。 自分は昨年末のre:Inventでの公開以来、このサービスを注視していました。というのも、システム標準化・ガバメントクラウド利用における銀の弾丸となり得るからです。 拙記事「全国のシステム標準化事務に従事する自治体職員に伝えたい事」でも触
ガバメントクラウドの利用方法には単独利用と共同利用があります。 違いはガバメントクラウドの運用管理補助者(インフラ構築を担当する事業者)が単独市町村を扱うか複数市町村を扱うかによります。 どちらもデジタル庁と市町村とのガバメントクラウド利用権付与・運用管理委託契約に基づきますが、前者が市町村に直接クラウド管理のアカウントを払い出すのに対し、後者は複数市町村とベンダとの合意を前提に、担当ベンダが直接アカウントを利用できるように措置します。 それとは別の話として、運用管理
システム標準化は大変困難な事業です。 2022年10月に地方公共団体情報システム標準化基本方針が策定されましたが。そこにはシステム標準化の目標としてベンダロックインの回避や2018年度比でコストの3割削減等が掲げられています。 恐らく各市町村に置かれても、財政部門や議会にそのような説明をしているのではないでしょうか。 このシステム標準化の試みは、アプリケーションの標準化とそれに合わせた業務のBPR、クラウドジャーニー、アプリのモダン化と、単体でも結構大変な案件を複
私について 最初の記事ですので、簡単に自己紹介を。 1971年名古屋市生まれの団塊ジュニア世代。地元の私立中学・高校を経て1990年名古屋大学理学部に入学。在学中バブルが崩壊し就職難となったため理系就職をあきらめて1998年に退学し、名古屋市に一般事務職として入庁。 区役所勤務を経て2002年に健康福祉局に異動。 数少ない純理系人間のせいか、健康福祉局時代は電算業務を任される事が多く、後期高齢者医療広域連合派遣の5年間を含め、20年間各種福祉系情報システムの開発、保守、運