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【『グッドバイ』を出す気概】雑記.20210825

・最近あまりにもやる気がない。しかも、以前何度も経験した「やる気ない期」の比じゃない。今回は根本から違う。

・以前経験したそれは、「出口がふさがっている」程度のものだった。手は動かせなくても頭の中ではつくりたい何かがぐるぐる回っていた、とでも表現できようか。

・それに対して言うならば、今は「源流が枯渇している」状態だ。もう、な〜んもない。なんもないは言い過ぎにしても、ずっと胸の奥にあった、ドロドロした何かを生み出し続けていたスポーンブロックが、急に消滅してしまった感覚がある。実際その影響でなんだか胸の奥がスッとしているのだが、この感じすら妙に気持ちが悪い。きっと今まではそのドロドロした何かが燃料として作用していて、それがある生活が当たり前になっていたのだろう。


・この「ドロドロした何か」ってなんだろうか。まあその答えは簡単で、多分ストレスだ。実際、それが消えたのは大きなストレスの源が消えた(ような気がした)時だった。

・僕は、来月20日に東京で開催される「COMITIA 137」へのサークル参加を申し込んでいた。そして、最近は専らそこで販売する予定の作品を制作していた。そこまでは良かったのだが、そんな中、ニュースに疎い僕でもわかるぐらいに東京がヤバいことになりだしてしまった。一緒に参加する予定のFapple君とも「今回は欠席が安定かも」という話をしたりしていた。(Fapple君名前出してごめんね)

・まあ要するに何が言いたいのかというと「結構頑張って作っていたものがもしかしたら思い通りの形で発表できないかもしれない」という状況になってしまったのである。もちろん、本当は「欠席かもしれない」という事実を受け止めてなお全力で作り、出られないにしてもBOOTHとかの通販で売るぞ!!!という強い意志を持つことが最善なんだけど、残念ながら僕の心はそこまで強靭ではなかった。実際、現地に行って直接販売するという行為に憧れや目的意識を強く抱いていたことは事実で、それが実現しないとなるとモチベーションには強く関わってくる。

・結果として、「もうよくない?」という内なる声が大きくなっていき、初めてのサークル参加というあまりにも大きいストレスの源は僕の前から消え(たような気持ちになり)、僕の中のスポーンブロックも消えてしまったのだった。

・あと、贅沢な悩みだけど、現在に他のストレスの源が存在していないことも原因だろう。大学は長い間休みだし、バイトもやりたいと思いつつ結局始められていない。一つしか精神的な拠り所がないのも考えものだなと思う。


・今回やる気がなくなった理由としては上記の通りだと思うが、それ以前から慢性的なスランプみたいなものは感じていた。その原因も、最近少しわかってきたような気がする。


・サカナクションのフロントマンである山口一郎さんがこんなことを言っていた。

「過去の自分のモノマネはしないほうがいい。それ以外は何やってもいい」

確かインスタグラムライブで言っただけで記録には残っていないしうろ覚えだけど、僕はこれがやけに印象に残っている。


・サカナクションにはそれを体現するようなエピソードがある。


・『アルクアラウンド』はサカナクション最初のヒット曲と言っても差し支えない。MVも特徴的で、実際、その曲から入ったファンも多いと聞く。それを受けて、山口さんはレコード会社の社員に「次のアルバムでは『アルクアラウンド』みたいな曲を入れて欲しい」と言われたという。しかし、山口さんはそれを拒否した。実際、次のアルバム『kikUUiki』には『アルクアラウンド』に目に見えて似た曲は入っていない。


・もう一つある。先述のものからしばらく経っての話だ。サカナクションは着実に人気を獲得し、とうとう紅白出場を果たした。披露曲は『ミュージック』。ドラマとのタイアップもあったキャッチーな曲だった。そしてその数週間後、サカナクションは両A面シングルをリリースした。戦略としては、紅白で増えたライトなファンを取り込むべく、同系統の曲や受け入れられやすい曲を制作するのがセオリーだろう。しかし、その2曲、『グッドバイ』と『ユリイカ』は違った。

正直、どちらもキャッチーとは程遠い楽曲だと思うし、僕もこれらの曲が良いと感じるようになるのはだいぶ後になってからだった。歌詞の内容は内省的とも言えるようなもので、曲調も、少なくともフェスで盛り上がるようなものではない。これは意図されたものであるらしく、「『グッドバイ』は自分が純粋につくりたいものをつくった」と『SONGS』で言っていたり「このシングルで紅白で入ったファンをふるいにかけた」と冗談混じりに話したりしている。


・彼はこれらを半ば笑い話のように語ったりするし、「かましてんな〜」と思っていた。でも、これってとんでもなくすごいことなんじゃないかと思う。

・もし自分が同じ境遇に立ったとしたら、絶対そんなことできない。せっかく自分のことを知って集まったファンが離れていってしまうなんてめちゃくちゃイヤだと思う。しかも紅白出場後なんて言うなれば入れ食い状態なんだから、このチャンスを逃すのは損だろ、なんて思ってしまう。だけど山口さんはそれをやった。(これらの曲が世間に受け入れられてほしいという願いも少なからずあったかも知れないが、どちらにしろ挑戦であったことに変わりはない。)その明確な理由を知ることはできないが、きっとその理由こそ「過去の自分のモノマネをしないこと」、そして「自分が本当につくりたいものをつくるということ」が強く関係しているのだろう。

・天才に自分の姿を重ねるなどおこがましいことは承知の上だが、自分のスランプの原因にはこの話に結びつくものがあるんじゃないかと思った。

・僕は最近、それこそ過去の自分のモノマネをやってしまっていた。その理由は単純で、評価されないのが怖かったからだ。2年前の自分の絵は、ありがたいことにそれなりの評価を得ていた。そして、フォロワーさんにもその頃にフォローしてもらった方は多い。その人たちの期待を裏切らず、そして保守的に評価を得るために、山口さんの言う「やっちゃダメな行為」をやらかしてしまっていたのだ。

・音楽に関してもそうだ。ありきたりな言い回しだが、「過去の自分に捕われている」というのがよく当てはまる。自分がどんなものを作りたいのかよくわからなくなって、過去に制作した作品から「かつての自分にできたこと」を参照し、そこから再生産をしようとしてしまう。そして、そんな自分に嫌気が差し、制作そのものをやめてしまう。過去に培ったものを活かすのはきっと重要なのだと思う。それでもやはり進歩がないとどうにもならないだろう。

・この問題の解決策は、他でもなく「他人からの評価に依存せず創作を行う」しかないだろう。もちろん、他人の評価を糧とすることは悪ではない。でも、それだけを拠り所としてしまったらカスでしかない。もう最悪。自分でコントロールできないんだから。「自分の機嫌は自分で取る」っていうのは大事なことだけど、他人に作品の評価軸を完全に依存するっていうのはまさしくこの真逆だ。なのに僕は長らくそれをやってしまっていた。

・あ〜〜〜〜!!!!!

・殺してくれ〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!


・これを改善する策は、さいとうなおき先生によれば、自分が成し遂げたことをカレンダーに書き出していくのが有効らしい。それによって自分の中での小さな成功体験が蓄積されてなんか良くなるらしい。

・インプットなども入れていいらしいので、フィルマークスの記録からとりあえず書き入れてみた。

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・映画観過ぎだろコイツ。しれっと『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』を2回観るな。ウソです、観た方がいい。

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