仮面ライダーの雑な感想 ゼロワン・ブレイド編(2020/09/19 雑記)

僕は平成ライダーが好きだ。2017年に仮面ライダー鎧武を観て以降その魅力に見事にハマり、各50話弱ある作品群を現時点で14作完走している。こんなにも傾倒したコンテンツは最近だとあまりないかもしれない。

ただ、そんなにもハマってる割には感想等をあまり文章化したことがないなーとふと思った。そこで、この記事から、とりあえず今まで観た作品の感想を個人的順位が下の方から順に雑多に書いてみようと思う。もしかしたら最終的に一つの記事にまとめるかもしれない。なお、各作品の詳しい紹介は省く。また、視聴済み作品はいわゆる「名作と呼ばれがちな作品」に偏っているため、全体的な平均点は高めであるということを留意していただけるとありがたい。


『仮面ライダーゼロワン』(2019)

つい最近完結したばかりの記念すべき令和第1作。
良い点としては、とにかくライダーのビジュアルが非常に良いところが挙げられる。主人公の仮面ライダーゼロワンはもちろん、敵勢力のライダーやラスボス「アークワン」もモチーフを上手く取り入れた良いデザインだった。また、登場人物たちの衣装造形に関してもかなり良かったと思う。敵組織「滅亡迅雷.net」の衣装は良い意味で厨二を貫いていて最高だったし、ヒロイン「イズ」のビジュアルも秀逸だった。

悪い点としては、一番感じたのは中盤における話のグダグダ感だ。特にお仕事5番勝負という企画に10話以上に渡り主人公が挑んでいる間は、正直「まだこれが続くのか〜…」という気持ちが強かった。二つ目は、主人公への感情移入のしづらさだ。なんというか、思想が少し極端すぎたり、感情の動きが極端すぎたりして、イマイチ共感できない感じが全体を通してあったように思う。寒いギャグを飛ばすこと自体は別に悪いことではないし、そういう欠点があるキャラというのは全然ありだと思うけど、それ以外の部分の描写が少な過ぎて上手くいかせてなかったような感じがあった。
他にも、終盤における展開の速さ、結局何が伝えたかったのかわかりづらい、などの欠点も感じられ、正直一つの作品としてまとめ切れてない感じがわりとあった。

途中での実質的な休止などもあったとは言え、個人的な超お気に入り作品であるエグゼイドのスタッフがこういった作品を出してしまったのは結構残念に感じた。ただ、世界観などを含め作品全体としての雰囲気はかなり好みだったし、変身音のセンス、玩具のギミックなども令和一弾にふさわしいものだったため、先ほど触れたビジュアル面のこともあり、駄作だとか言って切り捨てるのはもったいないとも思う。


『仮面ライダー剣(ブレイド)』(2004)

平成ライダー5作目。トランプをテーマに据えたデザインを持つライダー。

この作品を語るにあたり外せないのがオンドゥル語だが、僕としてはこれはもはや作品の魅力にまでなってしまっているように思う。あくまでもごく一部聞き取りづらい部分があるだけで、決して演技力が乏しかったりする訳ではないからだ。有名なものは序盤に数多いが、個人的に特に好きなのは仮面ライダーギャレンの変身者である橘朔也という人物の
・「ヤハリソウイウコトカ」(と言いながら話合いの最中に玄関から前触れもなく早歩きで現れる)
・「烏丸所長から、チベットから小包が送られてきたって?」(そしてその小包に入っていた強化アイテム「ラウズアブゾーバー」を見て微笑む。展開が急な上、おもちゃを貰って喜ぶ子供みたいに見えてしまうのでシュール)

などだ。本作品は序盤には少しじれったい展開が続くのだが、妙なことにオンドゥル語がちょくちょく挟まることで飽きずに観れてしまうという側面もある。

また、各キャラクターの心情描写もかなり多く、主要キャラクターにはちゃんと感情移入できると言う部分も魅力である。『ブレイド』は世間的に「傑作とは言えない」みたいな評価をされることも多いが、この辺りがちゃんとできているのはポイントが高いと思う。特に、主人公の剣崎一真と、怪人でありながら仮面ライダーでもあり、実質的な第二の主人公である相川始の関係性は非常に巧みに描写されている。また、先ほど触れた橘朔也も、なんとなく笑えてしまう場面も多い一方で一人のヒーローとして魅力的に描かれているし、4人目のライダーである上城睦月も、スーツの力に操られ翻弄されつつも、それを退けようと苦悩するという過程がしっかりと描かれている。
また、終盤での度重なる黒幕の登場、結束するライダーたち、そして力を手に入れる主人公……といった熱い展開は今まで観た作品の中でもかなり見応えがある部類に入るし、本作品を語る上では外せない要素だ。
加えて、カードスキャン機構の付いた武器による必殺技の発動も派手な上シンプルにカッコ良く、システム音声も落ち着いているのも個人的には評価が高い。ベルトもカードが180度回るだけの単純なものだが、それが逆に魅力になっている。ライダーのデザインも、少し落ち着いた印象を受ける独特な雰囲気があって中々良い。特に、主人公の最終フォームであるキングフォームとその武器であるキングラウザーのカッコよさは全ライダーの中でも屈指であると思う。

欠点としては、先程にも少し触れた通り、序盤からじれったさのある展開が続くことだろうか。別にめちゃくちゃつまらないという訳ではなく、見せ場的なシーンも定期的に存在するものの、怒涛の展開が続いたり、毎話新フォームが出たりする他の作品と比べるとどうしても飽きやすいという側面があるように感じる。

総評としては、「序盤はオンドゥル語目当てで観てるものの、途中からだんだんとキャラに愛着が湧いてきて、最後まで観終わる頃には好きになってるって感じの作品」。欠点の存在は否定できないものの、観て損はない作品だと思う。

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