放流しても魚は増えない
現在日本では、水産資源の維持のために約70種類の水産動物の種苗放流が行われている。
北海道大学らの研究グループは、放流が長期的に水産資源の維持に貢献できているのかどうかを、シミュレーションと過去21年間のデータの分析を行い検討してきた。その結果多くの場合、生息している水産動物の種類を減らしてしまうことが明らかになったという。
放流することによって種間競争が激しくなり、放流種以外の種類は排除されるという結果になる。
また過度の放流を行うと、放流種の種内競争が激しくなり自然繁殖が抑制され、長期的には放流種自身の減少をもたらすことがわかった。
これまで、放流はあくまでも水産資源の維持を目的として行われてきた。しかし、放流が長期的視点では、水産資源を減少させてしまうかもしれないという指摘は重く受け止めていく必要があるだろう。
1度失ってしまった自然は戻って来ない。
『参考資料』
https://www.hokudai.ac.jp/news/2023/02/post-1173.html
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