【1分でわかる材料】日本の鉄資源のほとんどが砂鉄
日本の鉄鉱石の製錬は古代に一時期行われたのを最後に、もっぱら砂鉄を原料とするタタラ製鉄が主流となりました。砂鉄を原料とするこの日本独特のタタラ製鉄は、江戸時代末期まで約1000年間にわたって続けられたのです。
日本の砂鉄は火成岩の中に含まれる磁鉄鉱が、岩石の風化や河川による運搬によって、ある場所に集積したものです。山で採れるものは山砂鉄、川や海岸で採れるものは川砂鉄、海岸砂鉄と呼ばれます。
日本の鉄資源の埋蔵量は約2億5000万トンと見積もられていますが、その90%が砂鉄です。
古くから中国地方(出雲・伯備・安芸・美作)ではリンや硫黄などの不純物が少ない砂鉄が多く採れたことから、タタラ製鉄が盛んに行われました。
『参考文献』
マグネットワールド「磁石の歴史と文化」