道路鋲
車道の中央に設置されている『道路鋲』車に踏まれてもびくともしない強靭さ、そして暗くても車道がわかるようにライトの光を反射してくれる道路の必須アイテムだ。
『道路鋲』が発明されたのは、1910年代のことだった。当時イギリスの道路には街灯もなく夜間運転中、特に霧や雨の中では正しく車線を維持することが難しかった。
1933年のある夜、バーシー・ショウは夜に曲がりくねった道を車で走っていた。途中、ヘッドライトが何かに鋭く反射したのに好奇心をそそられたショウは、ブレーキを踏んで車を降りた。見ればヘッドライトを反射したのは猫の目だった。
彼は、このことをきっかけに反射装置が道路の中央にあれば、安全に運転できることに気づいた。試行錯誤の末、ショウは1934年に反射道路鋲(通称キャッツアイ)を発明し会社を設立した。
道路鋲の製造に弾みがついたのは、第二次世界大戦が激しさを増したころだった。敵の飛行機にさとられないように明かりを減らすため、イギリス全土で灯火管制が敷かれ、暗くても光を反射してくれる道路鋲はなくてはならないものとなった。