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「顧客に向き合う」を組織のカルチャーにする方法

毎日のように採用面接していると、転職したい理由の一つに「今の会社は顧客に向き合ってない」ことを挙げる人は多いです。顧客との向き合い方は経営者の哲学とビジネスモデルに大きく影響されるもので正解はないですが、弊社では創業以来、顧客の課題を解決するプロダクトを作るという強い信念で組織を構築してきました。
この記事では、なぜ顧客の課題解決を大事にしているのか、どういう経緯でその考えに至ったのかを解説します。

貴山敬 ( @tkiyama )

※Tebiki社のカルチャーや各種社内制度はこちらもご覧ください。

「ユーザーの行動がすべて」

顧客の課題を解決するためには、ユーザー行動を高い解像度で理解することが何よりも大事だと考えており、弊社では「バリュー」の1番目に「ユーザーの行動が全て」を掲げています。

このバリューを反映して、開発プロセスの起点に、CSによるユーザー観察を置いています。

ユーザー行動の根っこには解決すべき顧客の課題があります。マーケ/営業/開発など全てのチームが、顧客が抱えている課題を探索して発見するために、「ユーザー行動がすべて」というバリューを定めました。

ユーザー行動がなぜ大事か

UX(ユーザーエクスペリエンス)、ユーザーシナリオ、カスタマージャーニー、ユースケース、ユーザー中心主義、顧客志向、ペルソナ、ユーザーインタビュー、UXリサーチ

などなど、ユーザー行動を分析するコンセプトやフレームワークはたくさんあります。

ビジネスとは、つきつめると「誰かの課題を解決する」ことで対価を得るもの。ところが、事業を営んでいるとどうしても事業者目線が強くなってしまって目が曇るので、「誰かの課題」を高い純度で把握するために、ユーザー行動を言語化/ビジュアル化する様々な手法があると言えます。

なお、B向けのサービスはユースケースが幅広く、シンプルなユーザーシナリオやペルソナにはめ込むと本質を見誤るなーと感じてます。このあたりはこの対談記事でfreeeの宮田さんがおっしゃっていることと同じ。

toCでデータ分析をしていたときは、ユーザーのペルソナがある程度共通化しているといいますか。分析し、集計すればユーザー像を把握できると思うのですが、toBの場合は業務プロセスが個社ごとに違うし、そこを理解しないとプロダクトがどのように使われるのかも異なります。お客さまの「真の課題」を見るためにも、実際に対面でユーザーと会った経験や、そこから出てきたインサイトが重要だなと思えてますね。

大事なのはユーザーの「意見」ではなく「行動」

バリューの中で、ユーザーの『行動』と強調しているのは強いこだわりがあります。

意見や気持ちは状況次第で変わってしまうし、インタビュアーの力量でも左右され、正しく表現できないことが多いです。でも行動はファクトそのもの。ユーザーが、いつ、なぜ、どういう気持ちで、その行動をとったのか、そこに顧客の課題を解く鍵があると考えています。

また、当然ながら顧客は開発者目線ではないので、機能要望は部分最適です。そのままリクエスト通りに作ると全体最適を毀損して、こちらの記事にある通り、「足の生えた魚」が仕上がるだけになってしまいます。

弊社のカスタマーサクセスは、顧客ミーティングで機能改善要望を頻繁に頂きます。もちろんご意見は参考情報として大切にするのですが、一番知りたいのは、要望そのものではなく、なぜその要望が出てくるのかという背景です。
なんとなく言ってるだけなのか、個人の趣味なのか、裏打ちする行動はあるのか、その人のユースケースに即しているのか。そのあたりを深く掘り下げられるかがCS担当の腕のみせどころだし、顧客の課題を解決するプロダクトを作るための大きなポイントになります。

SaaSは、顧客と目線が一致するビジネスモデル

弊社が提供しているSaaSというビジネスモデルは、売り切りでなく毎月の利用料を頂く課金体系なので、顧客の役に立たなければ解約されます。そして、開発やマーケに大きなリソースを投下する先行投資型なので、すぐ解約されると資金回収できないのですごく困ります。

ではどうやって解約を防ぐかというと、顧客の課題を解決する、という一点に尽きます。解約防止のTIPSはいろいろあるけど、最終的には役立っているかで判断される。この点において、SaaSを導入して課題解決したい顧客とSaaS事業者の目線が完全一致する、健全なビジネスモデルだなーと常日頃思っています。

経営者としてここに行き着いた理由

起業するとき、ユーザー行動を全ての起点にしようと考えたのは私にとって自然なことでした。これには2つ理由があります。

これまで自分が手掛けてきた事業を振り返ると、うまくいかないときはたいてい一緒で、顧客の課題解決にあんまり役立ってませんでした。誰かの何かを広く深く解決できていないと、初速はそれなりに出たとしても結局売上は伸びないし、儲からない。
ビジネスモデルとかブランディングとかでそれなりにごまかせはしますが、最終的には課題解決に直球ズドンかどうかですべてが決まる、という感覚があります。

2つ目は、事業の成功確率とかそういうことじゃなくて、純粋に自分の好みです。起業のモチベーションは人それぞれで、お金や名声もまっとうな動機だと思いますが、私は社会の構造を変えたくて起業しました。誰かの課題を深く解決できたときに、人の行動が変わり、それが社会のあり方を変える動力になるはず。社会を変革するのは起業家だと思っています。

さいごに

弊社も含めて、ほとんどの会社がミッションやバリューで顧客志向をうたっています。しかし、その言葉どおり行動できるかどうか、顧客課題の解決能力の強さは、最終的には組織そのものにビルトインされたカルチャーに行き着くなーと、今回の記事を書いててあらためて思いました。
プロダクト開発やカスタマーサクセスなど、顧客の課題解決に取り組むみなさんの参考になればうれしいです。

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