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福岡デザイナーズの祭だ!ワッショイ!Design Dontaku vol.1 イベントレポート

2ヶ月も経ってしまいましたが、2023年7月28日に開催した福岡のデザイナー向けイベントDesign Dontaku vol.1のレポートをお届けします。
なんで今さら?サボりすぎじゃないかって??いや、むしろ今なんです!答えは後ほど。

Design Dontakuは、福岡デザイナーの、デザイナーによる、デザイナーのためのイベント。プロジェクト管理ツール「Backlog」でおなじみの株式会社ヌーラボさんとマネーフォワードの共同企画。そこにgazさんとSEREALさんもジョインしてくれて、4社で「いっちょ福岡のデザイン業界盛り上げるばい!」ってことで開催しました。


コトのはじまりは、前回の…

Design Dontakuが爆誕したのは、遡ること今年の5月。GMOペパボさんとマネーフォワードが共同開催した、両社のCDO対談イベントでした。
多くのデザイナーさんにご参加いただき、懇親会で色々な方とお話ししている中で、以下のようなお声をいただきました。

「福岡って、エンジニアイベントはたくさん行われているけど、デザイナーのイベントってあまり無いから嬉しいです!」
他社のデザイナーさんとお話してみたかったから、良い機会をありがとうございます」

…ほぅほぅ。だったら、もっとイベントやっていこうじゃありませんか!

そして、ご来場頂いていたヌーラボのUXライターちひろさんを後日ランチにお誘いし、一緒にイベントやりましょう!と意気投合したのがはじまりです。
CDO対談では、各社のデザイン組織の戦略がメインテーマだったので、今度はもっと現場レベルに焦点をあてたイベントにしたら面白そうだからLT形式にしましょうか、ということで、gazさん、SEREALさんをお誘いしました。

なんで「どんたく」?

Design Dontaku。略してデザドン。福岡にゆかりのない皆様も「どんたく」って一度は耳にしたことあるんじゃないでしょうか?(あって欲しい!)

博多どんたくは、毎年5月3日と4日に行われる祭りです。オランダ語のZondag(ゾンターク…休日という意味)が語源となっているんですが、この祭りは踊りや芸事を市民が持ち寄って作られているんです。
その感じが、デザイナーが知見や経験を持ち寄って作るイベント、そして祭りのように楽しくしたいという想いと重なるので、Design Dontaku (#デザドン)と名付けました。

ビジュアル制作は、福岡が地元の弊社コミュニケーションデザイナーまゆさんが担当。
どんたくに因んだモチーフが散りばめられているので、よーく見てみてくださいね。

イベント当日!ノベルティを用意してお出迎え

会場はヌーラボさんのカフェスペース。レンガ造りのバーカウンターがある素敵な空間にワクワクが止まりません。
ご自由にお持ち帰りいただけるノベルティから、ブログ書くよ枠&Togetterするよ枠でお申し込み頂いた方への特別ノベルティもご用意しました。

イベントビジュアルと各社ロゴのチロルチョコ。可愛くて食べられない!(食べたけど)

4社の個性あふれるLT

今回のイベントは、4社のLTとパネルディスカッション、そして懇親会という構成です。

LT 1:ヌーラボさん

トップバッターは、ヌーラボのUXエンジニア Joonas(ヨナス)さん。
テーマは「国際チーム間の物理的・文化的距離を縮めるコツ」。

ヌーラボさんは、国内3拠点(福岡・京都・東京)に加え、ニューヨーク、シンガポール、アムステルダムに海外拠点を展開されているので、チーム間のコミュニケーション、む…難しそう!
ちょっとしたニュアンスの違いでコミュニケーションに溝が生まれるというリスクに対して、ヌーラボさんが取られている工夫は、以下のようなものでした。

  • 日本人はあまり質問をしない、間違いを恐れがちな国民性であることを事前に伝えておく

  • 一歩先を考えて行動する

  • YES/NOだけで答えられる質問をしない。

  • 成果物にはコメントをひたすら残しておき、フィードバックをもらうことでコミュニケーションを活性化する

なるほど〜。前提を互いに理解しあい、相手の立場や特性を考えて行動することで心理的安全性も生まれますね。

物理的距離に関しては、国際チームとのやりとりは、国内のリモートワークとさほど違いは無いとのこと。確かに、リモートワークだと距離に影響はないですよね。
マネーフォワードも、インドやベトナムにも拠点があるので、コミュニケーションの取り方の工夫は大変参考になりました!

今回が人生初LTというヨナスさん。ネームプレートのカタカナが可愛い。

LT 2:gazさん

2人目のLTは、gazのUI事業部長 Yonta(よんた)さん。
テーマは「デザインでコラボレーションするためのチームの仕組み」。

beaverin(ビーバリン)というサービスを担当されているYontaさん。beaverinは、スタートアップのサービスの立ち上げとビジネスの成長を、デザイナーがチームの一員として伴走しクライアントと共創する、といいます。
クライアントワークは、デザインを外注するようなイメージもありますが、デザイナーがチームの一員として伴走する、とはどのような取り組みをされているのでしょうか。

以前、クライアントから「こんなに信頼関係が構築できる外部パートナーがいるのなら内製化する必要がない」というコメントを頂いたとのこと。もし私がこの言葉をもらったら恐らく号泣してます。信頼関係を築くコツ、知りたい…!

受託会社でありがちなのは、デザイナーが作ったデザインをPdMとすり合わせ、いざ実装に回すと実装観点での漏れを指摘され手戻りが発生するパターン。
一方、beaverinで取り組まれているのは、ひとつのデザインを関係者みんなで触りながら作っていくモブデザイン。エンジニアの実装観点をその場で取り入れ、PdMの判断をその場で仰ぐことができる。さらにデザイナーの思考や意図を共有できるというメリットもありますね。

他にも、パートナー会社さんとの1on1やペアデザイン、LT会でのナレッジ共有を行っているとのこと。
…あれ?これって、インハウスのデザイナーと変わらない動き方ですよね。外部パートナーでも垣根を超えてコラボレーションできる仕組み、すごいです!!

設計段階から関係者と一緒に検討するって大事だな、と改めて気づかせてもらったLTでした。

LT 3:マネーフォワード

3人目は、弊社BXデザイン部 部長のはらゆみさん。
今回、このLTのために東京から駆けつけてくれました!感謝!
テーマは「プロダクトデザインをブランド表現に重ねる」。

みなさん「ブランドって何ですか?」と聞かれたら、なんて答えます?
わたくし、ChatGPTさんに問いかけてみましたよ。

ブランド(Brand)は、製品、サービス、企業、団体、あるいは個人に関連づけられた識別可能なシンボル、名称、ロゴ、スローガン、デザイン、または他の要素のことを指します。ブランドは、消費者に対して特定の商品やサービスを識別し、差別化し、認識させるための戦略的な要素です。以下は、ブランドに関連する主要な概念と要素です。
(以下、長文につき省略)

ChatGPT

長々と立派な説明をしてくれたけど、全く頭に入らないーーー。

はらゆみさんは、参加者のみなさんに、以下の質問をされました。
好きなドーナツをひとつ思い浮かべてください。

筆者の頭の中:(フレンチクルーラー?いや、ポンデリングも捨てがたい…)

そして、はらゆみさん。
「恐らくここにいる方の多くが、同じお店もしくは商品を思い浮かべたんじゃないでしょうか。それこそがブランドです。」

おおおおお!確かに大多数が某ドーナツチェーン店を思い浮かべたに違いない!

企業側が主張する「これが我が社のブランドです」ではなく、消費者(ユーザー)が思い浮かべる現象こそが「ブランド」
わかりやすっ!(ChatGPTさんに教えてあげたい。)

そして、企業ブランド、サービスブランド、プロダクトは繋がるものではなく、重なるもの。重なっているレイヤーの隙間を埋めていく作業が、プロダクトデザインにブランド表現を重ねることであると…納得!

では、実際にはどのように隙間を埋めているのでしょうか?
はらゆみさんは、プロダクトで利用するオリジナルアイコンを、プロダクトデザイナーと一緒に制作した事例を紹介してくださいました。
トーン&マナーを定義して、アイコンが持つ「マネーフォワードらしい」イメージを言語化し、小さなアイコンの細部にまで「らしさ」を突き詰めている過程に、会場のみなさんからも感嘆の声が漏れていました。

プロダクトデザイナーとBXデザイナー、得意分野は違えど境目はグラデーション。お互いの目線を密にすり合わせていくコミュニケーションで、一緒にブランドをプロダクトに重ねることができるんですね。

「マネーフォワードらしさ」がパンパンに詰まったオリジナルアイコンを早くユーザーさんに届けたい!

LT 4:SEREALさん

LTの最後は、SEREAL CEOのあだちさん。
テーマは「スタートアップスタジオとデザイナー

スタートアップスタジオとは、スタートアップの立ち上げを支援する組織です。
SEREALさんでは、スタートアップするために必要なアセットを作って、シード、アーリーフェーズ(プロダクトマーケットフィットする前)の社外スタートアップと協業したり、自社スタートアップを起業されています。

では、スタートアップスタジオで活躍できるデザイナーとは、どのようなデザイナーなのでしょうか。
以下が向いているデザイナーの4つのポイントだといいます。

  1. 複数同時に案件を進め、対応領域も幅広いことを楽しめる。

  2. あいまいなものを前に進めて形にできる。ゴールを自分で決めることができる。

  3. 100点を目指すのではなく、60点のあたりまえ品質を超爆速でアウトプットできる。

  4. 成功するか分からないVUCAを、冷静に楽しめる強靭なメンタル!

手がける案件は複数のスタートアップですから、toC、toB、業務・業種領域もさまざまで、デザイナーに求められる役割もUI、UX、PdM…と幅広くなります。また案件のフェーズも、アイデアで仮説構築しているものから、課題特定、グロースとさまざま。とにかく幅広い対応を楽しめたり、得意とする人が向いてますよね。

そして、9割以上が失敗するというスタートアップの状況を冷静に判断して、挑戦を楽しめるメンタル!これができる人は、強い!!!

2と3で挙げられていた、あいまいなものを前に進めて形にしたり、60点の品質をスピード感を持ってアウトプットする、というのは、スタートアップに限らず、どのデザイナーにも必要なスキルだったりしますよね。

スタートアップスタジオは、幅広い領域で、たくさんの失敗事例から学ぶことも多いでしょうから、経験値を上げてつよつよデザイナーを目指したい方には、最高の環境だなと思いました!

スタートアップスタジオの仕組み。ゼロイチのチャレンジ、面白そうです!

失敗談で盛り上がったパネルディスカッション

パネルディスカッションでは、クライアントワークチームとしてgazさんとSEREALさん(SEREALさんはどちらも対応されていますが今回はこちら側で)、インハウスチームとしてヌーラボさんとマネーフォワードに分かれて、それぞれの視点でのデザインの違いや面白さを語り合いました。

モデレーターは、弊社デザインマネージャーのこちょーさん。クライアントワークもインハウスも両方に経験豊富なツワモノが、両者の違いに切り込んでいきます。

まずはクライアントワークとインハウスでの、さまざまな軸で一般的にイメージされるであろう特徴の表を見ながら、それぞれの会社さんではどうでしょう?という切り口で話が展開されました。

そして同時に、会場の皆様には、Slidoに質問を投稿して頂きました。

  • 今までどんな失敗があったか

  • 「もう無理」って思ったこと

  • 社内やチームに入る際に、どのように理解を深めているか

  • クライアントワークとインハウス、違う方に転職した理由

  • 新卒で入るならどっち?

などなど。
集まった質問はもっとたくさんありましたが、聞いてみたい質問にリアクションしてもらうと、失敗談にめちゃくちゃ反応がありました。外から見ていると成功の部分しか見えないから気になりますよね〜。

SEREALさんに至っては、契約書の納期を過ぎて訴えられた話、という、ここでそんな話しちゃっていいんですか?!というような貴重なお話をしてくださいましたが、これはもう、ご来場頂いた方の特典ということで、詳細は伏せます。

失敗から学ぶことは多く、各社ともリカバリをどうしたか、そのあとのプロセスをどう改善したか、というところに繋げられていて大変興味深かったです。

その他にも、各社のデザイナーに求められる期待値と評価のポイントや、プロダクトのコンセプトワークで実施していることなどお話ししていただき、時間押し押しで幕を閉じました。

マネフォの二人に挟まれて、答えに悩むヌーラボまっきーさん。
失敗談も笑顔で語るSEREALあだちさん。

祭りの締めは懇親会

熱のこもったパネルディスカッションから、まだまだ聞いてみたいことがたくさん!という温度感で始まった懇親会は、言わずもがな大変盛り上がりました。

自然と小さな輪ができて、その輪のメンバーが入れ替わり立ち替わり…
デザイナー、ディレクター、デザインマネージャー、エンジニア。いろんな方と交流できてシンプルに楽しかったです!!これぞDesign Dontakuだ!

軽食のハンバーガーとビール片手に、あちこちで輪ができていました。

イベントを終えて…

イベント終了後、参加者の方々にアンケートにお答えいただきました。満足度もとても高く、たくさんのお声を頂いたので一部ご紹介しますね。

  • クライアントワークを主にしているので、インハウスデザイナーの方のご意見が聞けて興味深かったです!

  • パネルトークが際どい質問ばかりで最高でした

  • クライアントワークとインハウス、それぞれの違いを分かりやすく共有いただきながらも、どちらも同じような評価方法だったりと聞くと、実はあまり変わらないんじゃないかと感じました。とても面白かったです。

  • デザイン現場の方々の思考や工夫などの生の声が聞けたのが収穫でした。 特に、はらゆみさんのLTは、内容・テンポ・フォント選択・レイアウトなどプレゼン自体がミニマルにUI/UXを意識されててすごくよかったです。

  • 良い縁があり、とても楽しい時間を過ごせました!

とても嬉しいです。ありがとうございます!
運営メンバーみんな、感謝の気持ちでいっぱいです。

わたし自身も、福岡のデザイン業界を盛り上げていきたいという気持ちもありますが、他社のデザイナーさんとお話をすると、毎回新たな発見もありますし、共感する部分もたくさんあって、もっともっと交流の機会を増やしていきたいなぁと思いが強くなりました!
今後も「デザドンがあるけん博多たい」というフレーズが浸透するように頑張ってまいります。(意味がわからない…という福岡県民以外の方は、キーワード「博多たい」で検索。)

ということで…Design Dontaku 2回目やりますっ!

第1回目が終わってすぐに、ヌーラボさんに「次いつやります??」とお声をかけさせていただき、10/26(木)にDesign Dontaku vol.2 を開催することになりました!

今回は、vol.1にご参加いただいたご縁で、ゆめみさんYAMAPさん、そしてPostalkさんとの5社で「エンジニアとデザイナーのコミュニケーション🤝」をテーマにお届けします。

会場はFGN(Fukuoka Growth Next)なので、規模も拡大して多くの方にご来場頂けます。(前回は募集人数を超えてしまい、ご参加頂けなかった方、誠に申し訳ございません!)
すでにconnpassでも告知させて頂いておりますので、ぜひお越しくださいませ!!!

そして、最後に。
イベント参加だけじゃ足りない!マネーフォワードのデザイナーとしてイベント盛り上げたいよ!という方も積極募集中です。
インハウスのデザイナーとして、プロダクトと福岡のデザイン業界を一緒にグロースさせませんか?


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