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悩んでいるあなたと、1年前の私へ

こんにちは。
劇団てあとろ50‘ 50期の和奏です。
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このブログを書き始めたときはまだ春の終わりを感じ始めた頃でした。
まさかの最終日の担当になり、蒸し暑さを感じるようになるとは思ってもいませんでした。
もうすぐ、梅雨が来て、青い青い夏が来ます。
青春は青い春と書きますが、青春と聞いて思い浮かぶのはいつも夏です。
きっといつも何かにのめり込むのは、夏だからだと思います。

去年の夏、私はてあとろ50期として新人訓練を受けました。
今までの人生で一番青い夏でした。

てあとろに入ること、新人訓練を受けること、そもそも大学で演劇をすること、悩んでいる人もいると思います。私も1年前たくさん悩みました。
なので、ブログリレーの最後に、1年前の私が知りたかったことを書こうと思います。
とても長くなるので、気になるところだけでもぜひ読んでください。
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①新人訓練と授業の両立ってできるの?
②スタッフってどうなの?
③なんでてあとろに決めたの?
④正直、新人訓練ってどうなの?
⑤最後に
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①新人訓練と授業の両立ってどうなの?

できます。

もちろん努力次第です。新人訓練を言い訳に勉強しなければ両立はできません。
でも忙しいからこそ、ちゃんと授業を受ける意識や時間を見つけて試験対策をする意識が身につくと思います。実際、理系の私でもフル単することができました。
結局はどれだけ自分が頑張るかですが、やってみたら意外となんとかなるものです。
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②スタッフってどうなの?

てあとろは新人試演会で役者として立つというルールがある一方で、正式に入団した後はスタッフセクションに加入するというルールもあります。
私はてあとろに入ってから、新人試演会と早稲田祭で役者を、舞台監督補佐をてあとろで2回、他劇団で2回経験させていただきました。また、主宰(=企画のトップ)を2回、さらに、先日の新歓公演では舞台監督を務めさせていただきました。
元々私は役者志望ですし、もちろん役者はとても楽しいです。

でも同じくらい、スタッフも楽しいです。

主宰は、自分の想像を素晴らしい役者さんとスタッフさんによって形にすることができます。 
たくさんの打ち合わせを通して、自分が生み出した役が舞台の上で生きているのを感じる時、自分の思い描いた空間がスタッフさんによって形作られていくの目の当たりにする時、夢みたいな光景が目の前に広がっているようで、本当に幸せです。

舞台監督(=舞監)は、主宰さんを始めたくさんの人が作ってきた素敵な公演を観客の皆様に届けられるように支える役職です。
この文章も新歓公演のハケ裏で待機しながら書いています。写真もハケ裏から撮った舞台の写真です。
この幕の向こうで役者さんが楽しそうに演技している時、観客の笑い声が聞こえた時、私まで嬉しくなります。
舞監をしていると、役者とはまた違う新しい視点で舞台や小屋を見ることができるようになります。
また、舞監セクションは補佐も含め小屋入り週ずっと仕事があるので、同じ舞監班の仲間や役者さんと仲良くなることもできます。実際、私が主宰を務めた50期新人企画『こがれる』の役者さんやスタッフさんには、私が舞監補佐として参加した企画で仲良くなってお呼びした同期が何人もいます。また、その同期からオファーをいただいて、舞台美術研究会さんの春季研究会公演『ジェネリック無償の♡』に小道具補佐として関わらせていただきました。

長くなりましたが、スタッフには「自分の仕事がひとつの公演をつくる楽しみ」や「新しい仲間をつくる楽しみ」があります。

早稲田演劇界隈では役者とスタッフを両立する人が多いですし、スタッフ経験でしか得られないことがたくさんあります。

そして、私はスタッフ経験を積むのにてあとろほどいい団体はないと思います。
セクションに分かれているから丁寧に仕事を教えてもらうことができますし、先輩が参加する他劇団の企画に参加させてもらえることも多いです。
スタッフとして、ひいては演劇人として成長したいのなら、てあとろを強くおすめします。
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③なんでてあとろに決めたの?

正気と狂気の割合がちょうどいいと思ったからです。

てあとろはスタッフセクションが分かれていたり、企画やオファーなどについて話し合う「総会」を月に一度行っていたり、1年代が2年代の手厚いサポートの元で企画する「新人企画」という公演があったりなど、「組織」としてしっかりしています。また、団員一人一人が責任感を持っていますし、ちゃんと学業やバイトと両立している人がほとんどです。

しかし一方で、4ヶ月に及ぶ新人訓練・新人試演会を行う狂気を持ち合わせています。また、劇団員が少ないものの、団員のスキルや人脈を活かして年5、6回程度の公演を打ててしまうこともある意味狂気じみていると感じています。

私はこの「ちゃんと」と「全力で」を両立しているところに魅力を感じて、てあとろに入団することを決めました。

大学生活なんてどうでもいいし周りなんてどうでもいいから、自分のやりたい演劇をやりたいんだって人には、あまりてあとろは向いてないと思います。
他にやりたいことがあるから片手間で演劇をやりたいという人にも、てあとろはあまり向いてないと思います。

でも、大学生として学業やバイトと両立しながら、劇団員や仲間と関わり合って、全力でひとつの演劇を作ってみたいあなたに、てあとろはとても向いていると思います。

そんなあなたと一緒に演劇ができたら、私はとても嬉しいです。
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④正直、新人訓練ってどうなの?

大変です。辛いし、苦しいです。行きたくないと思った日も、辞めたいと思った日も数えきれません。

でも、もし一年前に戻ったとしても、私はてあとろで新人訓練を受けることを選びます。

新人訓練担当から厳しいアドバイスを受けながらも成長を認めてもらえること、自分の成長が一日単位でも長期単位でも感じられること、同期とどこまでも高め合えること、どれも普通に生活してたら得られない経験です。
同期や新人訓練担当に努力が認められて泣きそうになるほど嬉しかったこともあります。行きたくないと思いながらも稽古場に行って、新人訓練を受けて、稽古場を出る時に「今日来て良かったな」と思えた日だって数え切れないほどありました。

大変なことも、辛いことも、苦しいことも、あります。でもそれは、本気であることの証拠です。心から、楽しい、嬉しい、と思えることも、本気であることの証拠だと思います。
きっかけは些細でもいいんです。早稲田は演劇が有名だから、とか、演劇部の友達が楽しそうだったから、とか、なんとなく新歓公演が好きだったから、とか。十分立派な理由です。

必要なのは、4ヶ月間やり抜く覚悟です。
そして、その覚悟に見合うだけの成果を、私はあなたに感じて欲しいです。
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⑤最後に

新歓公演前から続いてきたブログリレー、いかがでしたか?
私も全劇団員のブログを読んできましたが、本当にいろいろな人がいるなと感じました。

そして、そんな彼ら彼女らが、同じ劇団に所属しているというだけで、ぶつかり合って、認め合って、ひとつの作品を作っていけるこの劇団が私は大好きです。

私たちの言葉に、輝きや魅力を感じてくれたあなたが、てあとろに入ってくれること、覚悟と興奮を胸に舞台上で輝く姿を、心待ちにしています。

それまで少しのお別れです。
稽古場で待っています。

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