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台湾のお茶の種類について

1. 発酵の種類による味の違い

お茶と一口に言っても、緑茶から紅茶、烏龍茶など、さまざまな種類がありますが、原料は同じチャノキの葉から作られています。
お茶はこのチャノキの葉の発酵度によって大きく3種類に分けられます。
全く発酵しないものが不発酵茶、十分に発酵させたものが発酵茶、その中間で程よく発酵したものが半発酵茶と呼ばれています。
台湾では青茶という種類のお茶の生産が盛んです。青茶とは半発酵茶のことで、青茶というカテゴリーの中に烏龍茶があるというイメージです。
不発酵茶をゼロとして、発酵茶を10割とすれば、3割から7割程度発酵させたものが青茶になります。

  • 発酵をさせない不発酵茶は、お茶を摘んだ後にすぐ発酵を止めるので、茶葉が美しい緑色を保ちます。
    不発酵茶の代表は緑茶で、程よい渋みと青々しい爽やかな香りや色が特徴です。黄金色に近い澄んだ水の色のお茶が上質とされています。

  • 発酵度15〜20%の台湾茶で有名なものとして、台湾四大銘茶の1つである文山包種茶があげられます。別名「清茶」と呼ばれ、台湾北部で作られる烏龍茶で渋みはなくスッキリとした味わいで、茶葉は深い緑色、お茶の色は黄緑色をしています。
    3月〜5月に摘まれる「春茶」と10月下旬から11月に摘まれる「冬茶」が美味しく高く評価されています。

  • 発酵度30〜50%では凍頂烏龍茶が有名です。凍頂烏龍茶も台湾四大銘茶の1つで、台湾中部の南投県鹿谷郷凍頂山で作られる知名度の高いお茶で、色も薄い緑、黄色をしています。
    台湾烏龍茶の原点でもあり、美味しく味わえる銘柄です。

  • 台湾茶の中でも発酵度が高い「東方美人茶」は、元々は「膨風茶」と呼ばれており、ウンカと呼ばれる虫を利用して発酵を進めることで蜜のような甘い香りのお茶となります。
    発酵度70〜80%で作られる東方美人茶は渋みが少なく甘い果実のような香りで、茶葉は茶色く紅茶に近い味わいとなります。

2. 産地別の特徴とこだわり

台湾は世界的に有名なお茶の産地であり、多くの種類の高品質なお茶が栽培されています。以下では、台湾の代表的なお茶の産地とそれぞれの特徴やこだわりについて紹介します。

  • 阿里山: 阿里山は台湾でも有名なお茶の産地で、標高の高い山岳地帯で栽培されるお茶が特徴です。
    阿里山茶は、台湾嘉義県阿里山一帯を産地とする台湾を代表するお茶の1つで、利用される茶の品種により特徴は異なりますが、全体の傾向として、阿里山茶は緑茶に近くすっきりとした飲み心地で、花の香りを連想させ、仄かに甘い後味と爽やかな香りと豊かな味わいが特徴です。
    阿里山の茶畑は霧が立ち込める環境で育ちますが、光を遮る慢性的に続く霧も、茶の品質を高める要因となっています。
    日中の温度差が大きくお茶の味わいや香りに独特の深みが生まれます。

  • 東方美人茶: 東方美人茶は台湾が誇る高級ウーロン茶で、新北市の坪林区、石碇区を中心としたエリアと桃園市、新竹縣、苗栗縣に跨がるエリアで作られています。東方美人茶は、華やかな花の香りと蜜のような甘さがあり、味わい深い口当たりが魅力です。

  • 鉄観音: 鉄観音は台湾を代表する四大銘茶の一つで、台北市文山区木柵で生産されています。鉄観音は独自の加工である強い揉捻と反復焙煎が特徴で、それにより焙煎香と柑橘類の香りが楽しめるお茶となっています。

  • 高山茶: 高山茶は標高1,000m以上の産地で作られるものを高山茶と呼び、南投県竹山鎮(杉林渓)、嘉義県阿里山郷、台中市和平区(梨山)などが主要産地となります。特徴として飲んだ時に清涼感が口中で広がり、穏やかに引いていくとともに深い旨みを感じることができます。

これらの台湾のお茶は、それぞれの産地の特徴や環境によって異なる味わいや香りを持っています。台湾のお茶は世界中で高く評価されており、茶葉の品質にこだわりながら伝統的な製法で丹精込めて作られています。ぜひ、台湾のお茶を楽しんでみてください。

3. 香りの種類と効果

台湾茶はその独特の香りが魅力の一つです。お茶の香りは茶葉の風味や特徴に影響を与えます。
台湾茶の香りの主なものとその効果について説明します。

  • フローラル(花の香り): さまざまな花の香りが特徴的です。「花香(かこう)」といわれる、ジャスミンや蘭を思わせるフローラルな香りがあります。これらの花の香りは、お茶に優雅さや華やかさを与え、心地よい香りを楽しむことができます。

  • フルーティー(果物の香り): フルーティーな香りがあるものも多くあります。りんごの蜜やオレンジピール、マスカットなどの果物に似た香りは、お茶に爽やかさや甘さを加え、フレッシュな味わいを楽しむことができます。

  • ハーブ:ハーブの香りを持つものもあります。台湾茶にハーブの香りが加わることで、さわやかな飲み口や爽快感を楽しむことができます。

台湾茶は多様な香りを楽しむことができます。茶葉と発酵の絶妙なバランスが、台湾茶の個性的な香りを生み出しています。

さまざまな台湾茶を試してみて、その香りと味わいを楽しんでください。


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