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お風呂ねぇ ~整体師がやって来たこと④~

「お風呂がいいの?シャワーじゃダメなの?」
「38℃くらいで長く入ればいいのよね?」
「入浴剤は何がお勧め?」
などなど色々聞かれてきましたが、目的が違えば用途も違うんですよ。それくらいお風呂ができることって色々ある。

お風呂の役割

身体を洗って、湯船に浸かって温まって、いゃ~気持ちいい、と微笑む。
これがお風呂の役割。けっこう色んな事してますね。
でもひとつずつ分けて考えた方がいいかも。

身体の汚れを落とす

汚れを落とすだけならシャワーでいいです。お湯で流すだけで身体についた汚れは落ちます。
皮膚科の医者は痒みの強い患者さんに「こすらないで、石鹸もいらない」と言っています。
私は疲れがたまると湿疹が出るんですよ。全身掻きむしりだらけの瘡蓋だらけになることがあるのですが、その時によく言われました。
炎症を伴う痒みには抗炎症薬を塗ると、寝ている間に掻きむしらないのですが、掻きむしった身体には石鹸ですら刺激物になります。
お湯に長時間浸かってふやかした皮膚をナイロンのタオルでボディソープをつけてバリバリこする。これが入浴だと思っていたんですよね。でもこれをやっていると、いつまでも治りませんでした。
汚れと思う中に、泥汚れや除菌以外に『身体から出た油を落としたい』というのがあると思う。それが1番の目的かも。頭が臭いってそれだし。
油汚れには表面活性剤、ということで洗剤を使いますが、つるっと皮膚の油を取ってしまうと今度は乾燥しちゃう。このバランスが難しい。
私はボディーソープを付けてナイロンのタオルでゴシゴシするのは週に2回くらいです。頭皮は痒くないのでシャンプーは毎日しますが。

汚れを落とす:シャワーで流すだけでもぜんぜん良い

温める

ここに重きを置いている人も沢山います。物理的に温かいものの中に入れば入った物の温度は上昇します。ゆで卵を作るイメージです。
いいですか?ゆで卵です。
高温に浸かるとタンパク質凝固が始まる。白身は60度くらいから変性を始める。人間の身体もタンパク質でできている。
だから湯船として入れる温度は50℃くらいまでだと思います。
ショック療法のようにちょっと入るには良い刺激ですが、温めるとは別目的になります。
私は台湾で『48℃、PH1~2』という温泉に入ったことがありますが、身体がショックを受けます。身動きが取れないほどの衝撃です。
身体がショックに慣れてくると入っていられますが、温まるというよりは火傷の炎症のような、日焼けをし過ぎた時のような、熱の持ち方になります。
好みの問題にもなるから、ダメと言う訳じゃないです。私も嫌いじゃなかったので、ちょこちょこ迎え熱湯をして、ぎゃーって言って出てまた入るとかやってました。これはアトラクションの使い方。ワクワクさせるに近い。それが刺激です。色々と目を覚ましたい時は良いと思う。
外部からの刺激としては悪くないのだけど、芯から温めるとは別物で別効果です。

芯から温めるとは、血液を温めるという事で、身体の中で冷たくなっている血液を温めて心臓に戻すということ。これが足湯や手湯になります。
ただこの湯は冷めやすい。バケツや桶など小さい容量で寒い時にやるから、どうしても冷めやすい。
私もリフレクソロジーをやっていたことがありますが、まぁまぁ温度を保持できるのは発泡スチロールの入れ物でふくらはぎまで浸かるタイプのものでした。でも容量が増えれば重くなる、準備片付けに手間がかかります。仕事ならやれます。でも自分にやるかというと、やらない(≧▽≦)
だったら熱めのシャワーを足に当てよう、でいいと思う。水道代が、とかそんなの置いておいて。

足湯を用意するくらいなら身体ごとは入れる湯船に浸かろう→でも熱湯は長く入っていられない→38℃くらいじゃ寒い→中々温まらない→ぬるいお風呂嫌い、の流れをよく聞くのですが、足先手先の温度によるんですよ。

温める:心臓を温めるのではなく足先手先の温度を上げるが先

ストレスのリセット

これがお風呂に入る良さだと思うんですよね。
まず、はぁ~と息が漏れる。はぁ~と伸びをする。これは熱いお湯ではできません。熱いお湯だと逆に縮こまる。息が止まるくらい。私止まりました。
だからリラックスには体温より1~2℃高いくらいの、ぬる湯が勧められています。ゆっくり弛緩するからです。急激に弛緩したらおしっこもうんちも出ちゃうもの。
汚い話ではなくて、弛緩とはそういうことで、全部の筋肉の緊張がとけるなんて事はなくて、とけちゃったら逆に大変で、そこは無意識で神経がやることで、神経がうまく動くにはリラックスが必要ということ。
だからよくあるお風呂のお勧めの入り方として『ぬるめのお湯に20分くらい』と言われています。なかなか理にかなっているんですよ。
冷たくなった血液を温めるには時間がかかって、高温で一瞬で全身にいる血液を沸騰なんてことはできない。
刺激とリラックスはうまく使い分けましょう。

ストレスのリセット:ストレスを与えたければ熱湯、リセットしたければぬる湯

湯治

日本がお風呂文化になったのは湯治のお陰です。

玉造り温泉に行ったことがあります。でも2晩しか居れなかったので、ツルツルになったことしか実感できなかった。

また、733年に編纂され、全国で唯一完本として伝わる『出雲國風土記』では、現在の玉造温泉を「一たび濯(すす)げば形容端正(かたちきらきら)しく、再び浴(ゆあみ)すれば、万病(よろずのやまい)悉(ことごと)くに除(のぞ)こる」と、土地の人が必ず効き目がある「神湯」と呼んでいたことを伝えており、温泉が古くから湯治を目的として利用されていたことがわかります。(LIXIL HPより)

湯治とは『再び浴みすれば』と言うように、1回入っただけですべての調子がよくなるわけではないんです。繰り返し繰り返し入る事。それが湯治。
だから「温泉に入って腰の痛みが消えた」というのは上記の「リラックスして弛緩した」ですよ。

ただね、源泉のすごさを私は知っている。

温泉とは地球のマグマで温められた水なんですが、マグマとは地球のエネルギーそのもので、エネルギーとは分け与えることができるもので、それは分子レベルで熱を生むものなんですよ。
元素の周期表をみると必ず、その元素が持つエネルギーの高さ・低さも載っています。


物質は電子の出入りで安定・不安定になるのですが、圧力が解き放たれて地上に噴き出た温泉は不安定な状態、電子を放出している状態なんだと思う。
マイナスイオンがもてはやされていたのは、これです。
不安定は安定したくなるので、安定してしまっては電子は放出されない。だから噴出したばかりの温泉がいい。循環の温泉は鉱物の効能だけになっている。それでもいいけど、できれば源泉が良いよ。エネルギーの違いがわかるから。

私はですが、ここから源泉が湧き出ていますという湯船に入ると、強すぎて、100mダッシュで走ったかのように体中が熱くなり、ひー、となてしまう。温度とは関係なく。それは不快ではなく、ただ強い、という感覚です。湯当たりともちがう。最初はなんだこれ、って思っていました。
そして源泉に入って来たあとに、お客さんに施術をすると、あきらかにそのお客さんも元気になる。気が活発になる。
細胞が活性化すると言うんでしょうか。自分のエネルギーが高位になっているので、今度は人に分け与えることができる状態、になっているのだと思う。原子と同じ状態です。自分自身がマイナスイオン発生機になっちゃうみたい。
目に見えないからね。うそだ、と言われればそれまでなので、公にお客さんに言う事は少ないけど、だと思った、と言った人も居る。

繰り返し繰り返し、源泉の湯に浸かるとイオン化エネルギーの大きな原子になっていく、というイメージなんですよね。浸かるたびに強くなるというか。
調子が悪いとはエネルギーが少ない状態、エネルギーを溜める容器自体が小さくなった状態なので、コツコツとその容器を大きくするのが湯治。
例えば災害が起きて水の配給があったとき、500mlのペットボトルを持って行くより10リットル容器を台車に載せてでも持って行く人多いんじゃないかな。500mlじゃすぐ無くなっちゃうもの。

私はだいぶ容器が大きくなったので、ある程度源泉の真上にいても余裕が持てますが、やっぱりエネルギー不足だなと思う時は、温泉場のエネルギーの強弱で入りに行く場所を決めます。小さい器で大量に淹れられたら溢れちゃうから。今、ここのに入ったら倒れちゃう、とかあるから。
身体の調子なんて都度都度変わるので用途に合わせて入り分けます。

湯治:自分のキャパを自覚して、コツコツと入るものです。

お風呂に入って健康に、と言われますが、けっこう奥が深いです。
自宅で健康のためにやるならば、手足が温まるのを待てることからです。




すごく喜びます(≧▽≦)きゃっ