難解化する横浜トリエンナーレ2020
閉会ぎりぎりの横浜トリエンナーレに行ってきました。事前評では難解だった、子ども連れて行ったけど楽しめなかったといった声を聞いていました。
個人的には現代アートの祭典として日本をリードしてきた横浜美術館の横浜トリエンナーレが、コロナ後の世界で初の大規模美術際を開催してくれたことにまずは感謝したいです。
その上で難解だったかというと、難解でしたがそもそもそういうものだと思うので違和感もありませんでした。
おそらく各地で開催される芸術祭がインスタレーションベースの体験型アトラクション化しているため、がちの現代アートで問われてしまうと観る側もそんなつもりじゃなかったとなってしまうのかなと思います。
今回の作品群の中でも特別に好きだったのがエリアス・シメ(Elias SIME)さんの半導体を使った作品たち。
子どものころ廃品回収の時に捨てられた大型家電を解体した時、家電の中から得体のしれないムカデのような基盤がたくさんはいっていて気持ちが悪いような得体の知れないものを見てしまった感覚がありました。
外見は美しくても中はグロテスクということはよく発生します。
ただ、半導体や電子基板はいつの頃からか美しさを感じるようになりました。無作為に見えていた連立も、意味と効率に基づいており繊細そうな脚で基盤と繋がっています。
おそらく一つでも脚が折れてしまって基盤と繋がらなくなると大きな家電が機能しなくなる。考え抜かれた英知の象徴のようにみえます。
今回はコロナの前に企画された内容をコロナ環境下でもなんとか開催実現したというイベントでしたが、次のトリエンナーレではコロナを踏まえたアートがたくさんでてきそうです。3年後が待ち遠しい。
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