あとがき

いつか、この言葉を辿る君へ。
これから連なってゆく文章のサーカスは今世で君と遭えぬまま終わる時を想定したものなので先ずは始まりとしての「あとがき」である。

それでは。
ぐっどもーにんぐ、はろー、ぐっどいぶにんぐ、そして、はわゆ?
あいむ、そーそー。
ここまで書いて「普段使わない言語は一度憶えても忘れるのだな」と実感し「せめて思考する言語くらいは豊かでありたいね」と思い、この世界に存在する確率が日々低下してゆく中で時間と体調とこころが許す時に拙いながらも自分なりの言葉を遺すことにする。


文章。それを構成する言葉。
誰かや何かと対話したり文章を書く時、若しくはその前段階や後処理として自分の中で思考する時、言葉そのものについて考える。その言葉が持つ本来の力、言葉を構成する文字の意味、そもそもどこから訪れた文字なのか。それらをどう使役し何を考え何を伝え何を成そうとしているのか。

それが私を呪うこともなく祝うことすらない様に。
それが君を祝うことはあれど呪うことがない様に。

わたしは、私や僕が遠い夜の海の底で聴いた音色の様に必要な時だけ優しく寄り添う魔法を綴りたい。ヒーローっていないんだなと思いながら消えてしまったわたし達と、決して消してはならない夢の先に存在する未来でわたしの傍にいる君の為に。


ここはわたしの思考をわたしがわたしの為に記す場所。
いこーる、ここで誰かや何かと意見交換や意思統一を図るつもりはない。わたしは救世主やお医者様ではないので他人の「承認されたいだとか理解されたいだとか許されたいだとか何やかんや」については二度と受け付けない、それでこころが壊れて分離して困っているので余計なことしたらえびふらいぶつけんぞ。
つまり、日記だの感想だの思考だの物語だのポエムだのを適当に書くだけの、文字数制限のない自由帳。クロッキー帳。文体も作文だったり論文だったり散文だったり、きっとぐちゃぐちゃ。そんなものを作れば黒歴史が増えそうとは思ったけど、猫型ロボットが登場しそうな机があった筈の実家には既に私の部屋すら存在しないので、もう二度とこの文章を打っている現在には戻らないだろうし『人生は一度きりだから好きな様に生きろ』と数多の如く存在する推しの一人が言っていた。言った本人は数日後に怪我をしていたので俄然説得力のある言葉だ、人間である限り誰かや何かと関わりを持って生きているのだから成るべくご自愛して欲しい。

ところで、ここまで君に語りかけたわたしが読者でないことを証明し、これを辿った君が作者でないことを証明するものって存在すると思う?
ここで語るのはわたしだが、君が語ることもあるだろう。聞き手あっての語り部、語り部あっての聞き手。観客と演者、白と黒、光と陰etc…。世界はequalで0に近い場所にある、常に答えはシンプル。だからこそ見つけ難い。
どこか違う場所や時間や世界では立場が逆になるかもしれない、成る程、我々が観測出来る事象の向こう側にいるのは天才でも化物でも異能でもなく同じ人間だ。ゆめゆめそれを忘れずに楽しく幸せに生きてゆきたい。えっへへん。

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