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【活動報告】無料塾開校の準備/お寺でWRAP/子ども食堂2周年


「しずく学習塾」開校の準備

中学生向けの「無料学習塾」開校に対する想い

昨年の11月ごろから神戸市西区池上に新しく出来る無料塾「しずく学習塾」の準備をしていました。その間に、無料学習支援教室の見学、中学校や地域のPTAの方々などに挨拶させて頂いたりなどしていました。

そもそもTEARDROPSを立ち上げたきっかけとなる想いの一つが「伊川谷(正確には池上)に中高生が無料で学習できる環境を作ること」でした。

私は大学受験の勉強をするために、わざわざ隣の駅の有料自習室まで行って勉強していました。社会人になった今考えると、学校やユースセンター、カフェやフードコートなど、勉強する場所の選択肢なんていくつもあるじゃん、って思うのですが、学生の時の私にとって、そのどれもが居心地のいい場所ではありませんでした(当時はSNSもしていなかったし知る手段が無かった)。私が感じたような抑圧感を、これ以上、誰も感じてほしくない、と思いました。

活動を始めてからも、より強く感じるようになりました。
伊川谷や池上にいる中高生が、デパートのキッズスペースを陣取っているのをよく見ます。

地域活動についての本音。

今まで、神戸市の色んな区に出向いてきました。「伊川谷で活動している」と言うと「そのあたりには中間支援組織がないし、頑張ってほしい」とよく言われます。地域活動って、地域によって扱いが全然異なっていて、もともとぴっしりと敷かれているレールの上を走るだけでいい地域もあれば、忖度や隠ぺい体質が蔓延っていて、それを一からつぶしていかなくちゃいけないような地域もあります。神戸市西区に「子ども食堂」が増えてはいるけれど、それを支えているのは高齢者の方が多いのが現状(会議に参加したこともあるけど、20代はたった2人だけ)。「町に一つ子ども食堂があります!」と謳っているけれど「持続可能性」は皆無。「後継者がいない」という声も、実際に聞きました。

私は子ども食堂に2年関わってきました。私たちの団体が関わっているのもあって、10代や20代が多くて賑わっていると認知されているみたいですが、わたしはそれなりの理由があって時間を削って関わっているのに、行政の一部の方々は、まるで自分の手柄のように広報していて、それを見て愕然としました。「居場所」という言葉を使っているけれど、本気で進める気はないのかなって。

と、誰かのせいにして、自分の感情を鎮めてしまうこともあります。
わたしは地域活動をして孤独や依存から抜け出していた気持ちになっていましたが、地域活動でも同じようなことを繰り返していました。相手が出来ること以上のことを求めてしまう性格が自分の中にあることに、何度も失望を繰り返しています。

でも、活動を続けることで、人への依存の仕方も変わってきました。
たとえば「子どもの居場所」というけれど、子どものことについて深く調べるだけでいればいいかというとそんなことなくて、地域の中で子どもを育てる人、たとえば主婦の方や高齢者(共働き・高齢者雇用の現代では少なくなっているけれど)の抱えている課題、認識までも把握しないといけないのだなあ、と感じていたり。

お寺でWRAP入門!

そもそもWRAPとは?

WRAP(元気回復行動プラン)は、元気であるために大切な5つのこと、リカバリートピックと共に、米国のメアリー・E・コープランドを中心に作られ、日本各地でもさまざまな活動が行われている。

またWRAPには、元気に役立つ道具箱、6つのプランとその対応プランがあり、そのときの元気に役立つものや日々の生活をしていくうえで大切にしたいこと、調子が悪くなるのはどのようなときなど、今の自分を知るうえで役に立つ。

検索結果: WRAP | COMHBO地域精神保健福祉機構

そもそもWRAPをどこで知ったのか。
わたしは最近「スティグマ」という言葉についてとても関心があって。
「こころの科学」という雑誌を読んだときに「リカバリーカレッジ」について書かれている章があり、そこに「WRAP」についても書かれていました。

神戸にもあるのだろうか?
と思った私はすぐに調べました。
「リカバリーカレッジKOBE」が存在すると知った私は詳しい話を聴くためにメールを送り、代表の方に会うことになりました。

WRAPでは、「障害の程度」や「病名」をまったく問いません。

検索結果: WRAP | COMHBO地域精神保健福祉機構

ああ、まさに「名前のない痛みを聴く」というミッションを掲げている私たちの団体にピッタリだ、と思いました。

「ぜひお寺でリカバリーカレッジをしたい!」
と思った私は「WRAPファシリテーター」のカルボさん、るいさんと
「お寺でWRAP入門!」というイベントを企画!

左:るいさん 右:カルボさん

当日になると、「障害の程度」や「病名」をまったく問わない安心安全な場が出来上がっていて、音楽の趣味や、好きな本の種類、好きな香り、よくいく整体屋さん/居酒屋さんについて、など、色々なことを共有し合いました。

沢山の笑顔が生まれた一方で、涙を流される方もいました。
でも、安心できる場だったからこそ、流せた涙なのではないかと私は思いました。

カルボさんと録ったラジオです。よければお聴きください。