[chapter5]ロゴスlogosから抜け出せない
私たちは「星座」の網の目にとらわれて生きている.カントが「純粋理性批判」で描き出したように,ヨハネ福音書の冒頭の句「はじめに言葉(logos)ありき」という言葉が象徴するように,人間の思考がロゴス化することは止めようがない.そこで「ロゴスlogos」とは別の思考のあり方として山内得立は「レンマlemma」という思考の枠組み,土方巽は「暗黒舞踏」,福岡伸一は「動的平衡」という言葉と概念を打ち出すことで,私たちがいかに言葉やロゴスlogosの呪縛から逃げられない生物なのかを露呈さ