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リモートワークの情報共有術~こまった時どう乗り越えた?

こんにちは。サイボウズチームワーク総研の三宅です。なかなか終わらないコロナ禍、リモートワークを継続している企業の方も少なくないことでしょう。私たちサイボウズでも多くのメンバーがリモートワークを続けています。

リモートワークで欠かせないのが「情報共有」です。情報共有とは、一般的には「ある情報を複数の社員で活用する」ことですが、サイボウズでは「情報を社内のオープンなオンライン環境でやり取りし、社員誰でも自由にみられる状態にする」というものです(たとえば、メールやチャットグループなどは指定した人しか見ることができないので、この記事で言うところの情報共有とは、ちょっとちがいます)。

この情報共有、慣れないうちは大変でした‥。あくまでサイボウズ全体の話ではなく、私個人の話です。私がサイボウズに中途入社したのは2016年、社内ではオープンに様々な情報がやり取りされていました。私はそもそもSNSすら苦手で、自分の考えや意見を不特定多数に公開することに不慣れだったこともあり、参加当初はさまざまな戸惑いがありました。

リモートワークが一気に普及した今、もしかしたら同じように戸惑っている方もいらっしゃるかもしれない‥と思い、この記事では、かつて私が情報共有で困ったことや、どうやって乗り越えたのか、について書いてみます。「情報共有を進める時にはいろいろあるけれど、やってみるとよさそうだ」そんな風に思ってもらえると嬉しいです。

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情報共有のこまった➀ 社内とはいえ誰がみているか分からない‥情報はどんな内容にするべき?

サイボウズ社内で共有する情報は、仕事がらみのあらゆるものです(プライバシー情報など公開が適さないものは適宜閲覧制限を設けることが可能です)。私の場合は、コメントのやり取りやファイル共有、アプリ登録が主ですが、入社してしばらくは「コレ勝手に共有していいのかな?」と、よく迷っていました。

たとえば、まだ進捗途中で変わる可能性が高い企画書。中途半端なものを公開したら、自分がいい加減にみられてしまわない?という怖さがあったのを覚えています。他には、自分だけが考えたのではなく数人の意見でまとめた資料。著作権ではないけれど、私が代表して上げちゃっていいのかなあ?誰かに事前許可を取った方が良い?など、アップする前にいろいろな可能性を考えすぎて、地味に疲れてしまいました。

ですが、しばらくするうちに分かってきたことがあります。それは、共有する目的を意識すればやりやすい、ということです。先ほどの進捗途中の企画書共有を例にすると、途中だからこそ検討点や今後のステップなどを相談することが目的になります。単純に、途中企画書を共有する?しない?で考えると迷いましたが、「相談したいから共有が必要なのだ」と目的を認識することで、モヤモヤしなくなりました。

ちなみに、進捗途中案件では多くの場合、検討や相談のプロセスそのものを共有します。プロセス共有をすると、必要情報を適宜ふり返ることができますし、メンバーの納得感も高まり、アウトプットに良い成果をもたらすことが多いです。他案件の参考になるケースも多々あります。オープンな環境での情報共有には、そうしたメリットもあります。

情報共有のこまった② 知らない社員からの「思わぬ指摘」、どう受け止める?

中途入社したころ、正直こんな風に思っていました。「情報をオープンにして、もしプロジェクトをよく分かっていない人が傍からいろいろ言ってきたら‥なんか面倒くさそう」

多くはないですが、オープンにやりとりをする環境では「思わぬ指摘」は発生します。実際に、ほぼ面識のない社員から「通常、そういう進め方はしない」とコメントされたこともあります。その時には、「えっいきなり誰?これはどう扱ったらよい?」と、戸惑ったことを覚えています。

サイボウズでは基本的に、コメントと発言者はセットです(場合により発言者を公開しない設定も可能です)。そのような環境では、ウソや悪意に基づくことは起こりにくいです。コメント内容には、書いた人の信頼がかかっていると、私は考えます。指摘する側もわざわざ時間を割いて、必要なことを伝えようとしてくれているのです。

今のところ、「思わぬ指摘」で面倒な目にあったことはありません。むしろ、足りない知識を得たり、仕事の視点をさらに広げたりといった「聞けてよかった」ものがほとんどです。

情報共有のこまった③ テキストコミュニケーション、どう書いたらいいの?

「職場での文章=かしこまった体裁(メールのような)」中途入社したころは、そう思っていました。社内で同じチームの人にも、かしこまった文章でカキコミ。でもそのやり方だと、相手との距離感が一向に縮まらないのです。なんというか、みえない壁がある感じ‥。

そのうちに、ケースバイケースで適した書き方があることが分かってきました。今は「主に読むのは誰か」を想定して書いています。書き込むスペースの参加者や、宛先に指定する相手で判断します。よく知った社内チームの場合は口語やカオモジをまぜながら、おしゃべりを文字にしたぐらいの感じがちょうどよいです。あまり面識のない他部署の人であれば、失礼や誤解を生まないように少し改まった書き方をします。リアルで会っている時の距離感と同じですね。

テキストの場合、口語や感嘆符、カオモジを使うことは意外と大切だと思っています。以前は、仕事の場でカオモジなんてナシでしょ、と思っていたのですが‥!たとえば、「わかりました」という返信。事前のやりとりによっては、なんかぶっきらぼう?怒っている?などと不安が生じることもあります。もし「わかりました!」ならば、このような不安は生まれませんね。

情報共有のこまった④ 情報洪水の恐怖

情報共有が進むと、社内の多くの情報を目にできます。興味にまかせて端から読むと‥読んでも読んでも終わらない状態に(T_T)。膨大な量の情報を目の当たりにして「こんなの見きれない」と、呆然としてしまったものです。しかし、しばらくして分かったのは、得られる情報を全部読んでいる人などいないということでした。

情報にはレベルがあります。必要性に応じて、入手方法や読み方を変えることが大切です。たとえば入手方法では、情報をフォローして常時表示する、フィルター設定をする、検索でとりに行く、などなど。読み方の場合は、ちゃんと理解しておくべき情報、概要を知っていればいい情報、知らなくても問題ない情報…といったレベルに合わせて変えます。私の場合、後ろにいくほどナナメ読みです。

このように、情報とのつきあい方を変えることで、なんとか洪水から逃れられるようになりました。また、情報とのつきあい方を考えることは、今の自分に必要なことは何なのかを知るきっかけにもなっています。

まとめ

オープンな情報共有が初心者だった私にとって、当初はいろいろな困ったことがありました。けれど、続けた先に待っていたのは、以下のような良いことでした。

・情報共有すると、誰かの役に立つことがある
・情報共有すると、新しい情報が返ってくる
・新たな協働のチャンスが増える
・プロセス共有がスピーディ
・コミュニケーション力が鍛えられる
・知らなかった社員とつながりができる
・学び、情報収集の機会がひろがる 

いま、情報共有を進めようとされている皆さんに、何かの参考になれば幸いです。

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リモートマネジメントの悩みの構造➀“情報共有が進まない” https://note.com/teamwork/n/n92bd4b953344

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