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紡ぐ

ひとつの命がそこにある

そのひとつの命は1人だけのものではない

命が生まれる時、必ずそこには2つの命も存在する

その繰り返しで命は生まれていく。

命を紡ぐ。

ひとつの命を蔑ろにすることは同時に2つの命を蔑ろにする

命は勝手に与えられたものではない

それは人も動物であっても同じこと。

エルちゃんにもパパもママもいた

パパは病気だった

私はその大事な2つの命からこのかけがえのない命を預かった。

その命に何があっても目を逸らさず背を向けず寄り添っていく。

当たり前なこと。

それを更に強く思わせてもらえた。

ひとつの大切な命が私に教えてくれた。

短く長い時間の中でたくさんのことを。

そして改めて感じた

誰かにどれだけのことをしてもらえるかが幸せではないこと。

どれだけのことを自分がすることができるかが幸せだということを命をかけて教えてくれた。

命には必ず、必ず終わりが来る。

平等に与えられた生と死。

その限られた時間をどうすごすか。

私が向き合った命

時に全力で向き合い、時に少し目を逸らし、事実を受け止めようとしないばかりに傷付け、それでも私の歌を希望だと言い、生きる力だと1日1日を辛さと楽しみの中で生きた。

もう少し生きたいと泣いた日

歌が聞けて幸せだと言っていた毎日

自分の体がダメになっていくと弱音を吐いた日

動物を救う為に頑張るんだと強がった日

あなたに出会えて幸せだったと

あなたが自分の人生を変えてくれたと

辛い体で画面越しに伝えてくれた日々。

何よりも何よりも私の為にと。

何も返せないと泣いていた。

違う。

私が数え切れない程のものを与えてもらった。

歌を、伝える力も、命の大切さも、儚さも。


歌い続けて欲しいと言葉を残した最期の日。

私の歌を1番心に留めてくれた人がいないここに残された私はどうすればいいのか空に問いかけた。

答えが見つからない。

今は過去と向き合い時間をすごす。

立ち止まることは決して無駄ではないこと

すぎた時間を埋められることをあなたは教えてくれました。



命はいつ終わりが来るかわからない。

だからこそ「今を大切に生きよう」



あの日見上げた空

あの暗い色は明るい色に変わっただろうか。

「ありがとう」の言葉が溢れている。


その命、あの心、思いがくれたことだけは紡いでいく。

私は自分の命が終わりを告げるまで命の尊さを残していこう。

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