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【支援力UPクイズ2】無断外出をする人への対応は?


Twitterで上記のアンケートをしました。

「職員に断らずに施設の外に出かけてしまう人がいます。
その人にどのように関わりますか?」という質問です。

1.見張って、出て行かないようにする
2.出て行かないと約束をさせる
3.行きたいところを聞き、職員が一緒に行く
4.出かけたい旨を職員に話したら、一人で行かせる

の4択で伺ってみました。

では、一つ一つ正しい支援か、検証をしていきましょう。

1.見張って、出て行かないようにする

やっているとすれば、多分、安全のため。
いなくなったら困るのは職員。
外で何かあったら施設の責任も問われる。
だから、出て行かないように監視するのが支援だと思い込む。

そうすればするほど、逃げ出そうとするのは利用者の人。

見張られる人生って、あなたは好きですか?
やってほしいですか?

「見張る」に頼ろうとするのは
支援力のなさをあらわにしています。
支援って、何?を
もう一度考えてほしいですね。

2.出て行かないと約束をさせる

これも、支援している風な様子を見せたいだけでしょう。
いい支援をしたつもりだから、
約束というものが、効果があると思い込みがちですね。
でも、約束をしても、その利用者の人は、また出ていくでしょう。
約束に意味を感じていませんし、
自分のしたいことは外にありますから。

でも、支援者は約束は効果があると思っているので、
利用者を責めることにつながるでしょう。

実は、これを選んだ方は、
何の時にもやっている可能性があります。
この設問に限らず。
いろんな場面で。

「約束」って、支援者の安心材料でしかないし、
「約束」を破ったとして「怒る材料」になりえないものと、
考えられる支援者でいてほしいものです。

3.行きたいところを聞き、職員が一緒に行く

見事1位を獲得しましたね!
でも、残念ながら本質から言うと間違いです。

なのに多くの人が間違うのは、良かれと思った支援だからです。
「4」の一人で行かせるのは、支援に見えない
関わってこそ支援なのではないかと思ってしまう。

だから、「3」を選んだのではないかと思います。

さらに、この設問、ひっかけ問題が見えなかったかもしれませんね。

通常、施設は集団への支援だということを
思い描くことができたでしょうか?

ひとりの利用者の外出を一人の職員がしていて、
他の人からも同じような申し出があったら、行けるのか?となると、
「施設としては無理な支援」になりませんか?

となると、やる前から「やらない」を選択しかねません。

たぶん、この設問で、
多くの人が「無断外出をする人だけ」を
思い描いての回答だったのではないでしょうか?

この支援は、集団の中では無理が出ます。
ですから、本質的に良い支援ではないのです。
そして、4に続く部分があります。

4.出かけたい旨を職員に話したら、一人で行かせる

正解はこちらです。

もともとこの人は一人で外出ができる人です。
となると、外出の支援は、実は不要なのです。

支援が不要な人に支援が必要と思い込むのは、
施設をやっている時間に外出をさせて、
事故があったらどうしようというイメージでしょうし、
外出自体が、問題だと捉えている場合、
そとで、何か起こしかねないとも思ってしまう。

だからできれば、してほしくないと思う人は多いと思います。

でも、この人の人生・生活・役割を考えてみましょう。
できることを活かした支援を考えることです。

もし、ご家族がいらっしゃるのであれば、
ご家族への説明も必要でしょう。
時に、説得することもあるかもしれません。

そして、この時に、約束を取り付けて出すことをしがちですが、
いくつも約束をしても効果的ではありません。
監視にしかならないのです。

最低限の安全確認と、ご本人の自立の視点を持って、
機会を作りましょう。
施設から一人で外出する機会は、
さらにご本人の自立や自信につながります。

外で何か事故や事件に巻き込まれるのではないかとの心配は、
別な支援の投入をすることになります。
(ここでは触れませんが)

あくまでも、通常、一人で外出している方であれば、
地域住民やお店などの社会資源も使いつつ、
機会の保証をしていきたいところです。

まとめ

「理想や4だけど、実際は3」
「約束が守れなければ4は無理」など、
支援者本位という意見も多くありました。

無理と決めて、無理だからやらない。
約束を守らなければ…という縛りは、
管理になっていることに気づかない。

約束が守れなければ、
その約束が間違っていたと解釈してみることも
大切な気づきです。

彼らの可能性は、施設の中だけにあるのではないので、
ニーズは何かな?
どんなことができるのかな?という視点を
持って行きましょう!

なお、実際の成功事例は、こちらに書いてあります。

「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
このやり取りから始まる外出で、
誰もがハッピーになった支援です。
実際の支援は、30年以上前から
様々な人にしている支援です。

利用者の人のしたいこと・できること
職員として・家族としての役割

自分たちの支援って、何をすることなのだろう?
管理ではなく、監視ではなく。
と思っています。

ちなみに、うちの利用者の約束は、
断って出かけるということだけでます。




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