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我が心のレジェンドたち vol.2

リングに叫び、拳を突き上げたあの日。今もこの胸に燃えさかる熱き炎のファイターたちをイラストとエッセイで綴るプロレス讃歌!


我が心のレジェンドたち vol.2

全国のプロレスファンの皆様こんばんは。『週刊アイアンクロー』編集長のチャーシュー・タケです。今週は“燃える闘魂”アントニオ猪木です。

                 イラスト 志賀コージ

●♪イノキ、ボン‐バ‐イエ‼ ~禁断の果実を追い求めた魔性の男~

その昔、日本プロレス時代のアントニオ猪木は、血気盛んな若手の人気レスラーでした。
時に熱くなりすぎて反則負けを喫する場面も何度となく観ましたね。当時はまだ“燃える闘魂”という代名詞ではなく、“若獅子”と呼ばれていましたが。オレンジ色のレスラーパンツの凛々しい、スピード感あふれたファイトに、テレビの前で拳を握りしめながら興奮したあの日が甦ります。類まれなるカリスマ性と、大いなる野望を秘めた豹の眼光は、いつしかプロレスラーという枠に収まらない存在として肥大していくのです。モハメド・アリから譲り受けた入場曲『イノキ・ボン‐バ‐イエ』の魔性。あの曲で、何度となく震えを抑えきれず、言葉にならない声を上げたことでしょう。「ほうき」を相手にしても好試合を演じてしまう!と言わしめた抜群の“プロレス力”。対戦するレスラーの魅力を最大限に引き出し、観客の心をこれでもかと掴んで離さない、その魔性の魅力は、まさに“反側技”でしたね。こうして「イノキ信者」たちは全国に増殖していったのです。
かつて蔵前国技館での試合前、通路奥でいざリングへと向かわんと仁王立ちの猪木。恐る恐る出した私の手を、真正面を向いたままガッシリと握ってくれた感激。意外なほど柔らかだったその手の感触は一生ものです。
私たちプロレス者の元旦は、イッテン・ヨン。そう、毎年恒例の新日本の1.4東京ドーム大会で年明けとなる。メインの猪木戦、そして締めの「1、2、3、ダーッ!」を一緒に叫び、水道橋近くの居酒屋で新年会となるのが定番コース。
その猪木も、天国のリングに旅立った。合掌。

◼️『プロレスダイアリー甦える鉄の爪』は毎週木曜日に更新します。

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