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英国5月小売売上高

英国の小売売上高(燃料を除く)は昨年10月から約4%減少しており、これは生活費の圧迫と、パンデミック後の物品需要からサービス支出へ消費ローテーションによる影響の両方を反映しています。この先、さらなる低迷が予想されますが、堅調な雇用市場が消費全般の落ち込みを防ぐのに役立つと思われます。

英国の小売売上高は2021年夏以降、減少傾向が続く

英国の小売売上高は4月に0.4%増加した後、5月に0.5%減少しました。
もともとかなり不安定なデータになる傾向があったため、これらは大きな変化ではありません。
しかし、燃料費を除いた消費支出は、昨年10月からおよそ4%減少しています。これは、家計の収入減が要因の一部と言えるかもしれません。のせいだと言いたいところだが、おそらく少なくとも部分的にはそうだろう。イギリス国家統計局(ONS)は、食費が毎月1.6%減少しているのは、物価が上昇しているためであると見ています。

しかし、パンデミック以降、商品からサービスへの消費支出の転換が進み、状況は混迷しています。その結果、特に耐久消費財に対する需要の低迷を背景に、出荷の遅れが生じ、小売業者は過剰在庫を抱えることになりそうです。家庭用品店では、昨年同時期から売上が 15 ~ 20% 減少しています。

消費者信頼感がまたもや史上最低水準に

同時に、生活費の圧迫が今後数ヶ月間の需要にさらなる打撃を与えるものと思われます。政府の新たな支援策にもかかわらず、6月の消費意欲は再び過去最低水準に落ち込んでいます。この1ヵ月でガソリン/ディーゼル価格が10%近く上昇したことも、家計に打撃を与えています。

しかし、当面の間、英国の雇用市場は堅調であり、労働力不足が続いていることから、この状況が大きく変わるとは想定されません。
消費者は、実質賃金の下落の影響をあまり受けない高所得者層により多く集中していると広く信じられているものの、パンデミックを通じて蓄積された余剰貯蓄を活用する余地もあります。

第2四半期の英国GDPはおよそ0.5%減少する見込みですが、これは新型コロナウィルス検査の無料化終了に伴う医療費の減少や、女王の祝祭日による臨時の銀行休暇を反映したものです。


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