見出し画像

コモディティ概況

エネルギー

昨日の原油市場は、さらに下落圧力がかかり、ICEブレントは7%以上下落し、4月以来の100ドル割れとなりました。この下落圧力は、今日のアジアでの取引でも続いています。
長引く不況への懸念が市場を直撃し、ドル高と中国の一部地域で発生した新型コロナ感染者の増加は、原油市場にとって不利な状況です。
ブレントは現在売られすぎの領域にあり、ファンダメンタルズはここ数週間に見られた売りの規模を正当化するものではありません。
原油市場は依然としてタイトな状態にあり、この逼迫した状況は今後も続くと思われます。

OPECは昨日、最新の月次市場レポートを発表し、2023年までの予測を公表しました。
OPECは、石油需要が2.7MMbbls/d増加すると予測しており、これは今年の新型コロナによるロックダウンを受けた中国の需要回復が一因です。
非OPECの石油供給は1.7MMbbls/d増加すると予想しており、来年の世界市場を均衡させるためには、OPECは平均30.1MMbbls/dの生産を行う必要があり、これは現在の生産量より11.4MMbbls/dほど上回るものとなります。
OPECはここ数ヶ月、生産目標の達成に苦戦していることから、この生産レベルを達成するのは困難であると思われ、世界の石油市場の逼迫が2023年まで続くことを示唆しています。

EIAは昨日、最新の短期エネルギー見通しを発表し、2022年の米国の原油生産量は前年比732Mbbls/d増の平均1191Mbbls/dとなると予想し、これは、前回予想とほぼ同じです。
しかし、2023年の原油生産量は前年比860Mbbls/d増の平均1277Mbbls/dとなり、前回予想の1297Mbbls/dを下回るとEIAは予想しています。

農業

昨日のWASDEレポートでは、米国の2022/23年の大豆とトウモロコシの期末在庫が市場予想を上回りました。
米国農務省は、米国の大豆の期末在庫を2億8000万ブッシェルから2億3000万ブッシェルに修正しました。しかし、これは市場が予想していた約2億1400万ブッシェルをまだ上回っています。
この減少は、生産側の修正によるもので、作付面積が9100万エーカーから8830万エーカーに減少し、その結果、生産量予測が46億4000万ブッシェルから45億1000万ブッシェルに減少しています。
米国の2022/23年産トウモロコシ期末在庫は1.47億ブッシェルとなり、前回予想の1.4億ブッシェルから増加し、市場予想の約1.4億ブッシェルからも上回りました。
米国産小麦のバランスに僅かな変化があり、2022/23年の国内最終在庫は627mブッシェルから639mブッシェルに増加し、ほぼ市場予想と一致しています。

2022/23年の世界の大豆最終在庫は100.5mtから99.6mtに修正されましたが、これは主に米国のバランスで修正されたためです。
同様に、トウモロコシについても、世界の期末在庫は310.5mtから312.9mtに増加し、その大部分は米国が牽引しています。
小麦については、個別には大きな修正もありましたが、全体としてはかなり小さな修正にとどまりました。
米国農務省は、EUとウクライナの生産量予測をそれぞれ2mt減の134.1mtと19.5mtに修正しました。
しかし、これらの修正は、ロシア(+1.5mt)とカナダ(+1mt)の増加によって一部相殺され、需要の下方修正も考慮した結果、2022/23年の世界最終在庫は266.9mtから267.5mtに増加しました。

TEAM LEGENDSは、自分で考え判断できる、幅広い投資情報を発信する総合投資情報発信アカウントです。経済、金融政策、経済指標など信頼できる情報源に基づくニュースと分析を配信しています。
Twitterもフォローをお願いします

<注意事項>
このレポートにて提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。したがって銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、投資家ご自身の判断でなさるようにお願いします。
また、レポート内にて提供される情報は信頼できると判断した情報源をもとに作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性については保証せず、また、いかなる責任を持つものではありません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?