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高校受験を良き思い出に上書きするための記録 # 母親目線で語る高専入試

太知(たいち)

ふとしたときに、長男の太知は育てやすい子だなと感じます。

小学生のときから運動神経はまあまあ。運動会の徒競走で1番になれなくても、3番にはなれる。ときにはクラス対抗リレーの代表として選ばれることもありました。

そして、勉強もまずまず。通知表の5段階評価でいうと、「4」が多めで「5」は親を喜ばす程度にちらほら。
親である自分の可もなく不可もなかった成績と比較すれば、間違いなく太知のほうが見栄えの良い通知表を持ち帰ってきました。

ただし、すごく仲の良い友達はいない模様。クラスメイトや担任の先生の話はちょいちょいしてくれるけれど、誰かと心底気が合うというような様子は見受けられません。

でも、一生の友達を学生のうちに得るとは限らないので、大した問題じゃないとは思っています。どちらかといえば気性が穏やかなせいもあり、親しい友達はいなくても敵を作らないタイプです。

周囲には「すごいね」「頑張っているね」と感心する同級生がたくさんいる中で、目立たない子ではありますが、母親としては「いい子に育ったな」と誇らしく感じています。

中学3年生になり、進路に悩む

太知の成績で進学できる高校はいくつかありました。でも、だからこそ迷う受験校選び。
話し合う過程で太知は自分の考えを上手く伝えることができず、何度となく言葉を飲み込んだように感じたものです。

「トップ校を目指して突き進め!」というのは現実的でないけれど、コツコツと地道な努力の末に希望校へ合格。喜びとともに清々しい気持ちで中学校を卒業してほしいと望む母心。
高校受験がその後の人生を決めるとは思わないけれど、ここで不完全燃焼だと心にしこりが残ると思うのです。

これは私自身のことで太知にも話しましたが、レベルを落として受験した高校で上位を狙い、大学受験は推薦で楽々と済ませようとした結果、自分のレベルがあっという間に急下落。推薦は夢と化しました。
つまり、頑張りは惜しむものではなく、できることは先延ばしにしないのが賢明。

加えて、高校受験という一生に一度の機会に、目指した目標に手が届くという経験をして欲しいとも思いました。
何より、高校受験を自らの頑張りで乗り越え、これからの人生に弾みがつくことを願いました。

母が綴る理由

太知の受験後、幸いなことに太知との親子関係はまずまずです。
理由は、離れて暮らしていることやラインで言い辛いこともさらっと伝え合うようになったことが関係あるのかもしれません。

太知もイマドキの子ですから、気持ちを口頭で伝えるよりも2~3語のラインが気楽なのでしょう。

ただし、受験を終えるまでの道のりは本当に大変なことばかりで心が重たい日々。「落ちたらどうしよう」という不安や心配を胸にたくさん抱え、太知を励ましつつも苛立ったり、理不尽な小言を言ってしまったり。心が晴れないことばかりでした。

受験というのは、母子が共に気持ちをどんよりと曇らせがちです。あれほどに複雑な心境で頭を悩ませ続けた経験はありません。
実のところ、過去のそんな毎日は忘れたくもあり、何故か忘れ難くもあります。
ひとまずここへ綴り、いつか読み返すつもりです。
その後、削除するかもしれないし太知へ読ませるかもしれません。

先のことはわかりませんが、今は当時の記憶を良き思い出として上書きするため、実際の出来事や感じたことを記していこうと思います。

子育ての終わりが待ち遠しいと感じつつ、継続中であることが日々の励みになっていることもまた事実。現在の心境は言葉を尽くしても語りきれずに、今日も綴ります。