子どもの発想

「自分で問題を読んで解いてみようか」

年長の次男に、ある日言った。
幼児用のワークは、それまで大人が問題を一緒に読んで意図を確認し、息子に考え、答えさせるというスタイルでやっていたが、よくある「入学準備号」は、1年生のテキスト仕様だったので「試しに」とやらせてみたのだ。

年長の秋。ひらがなは一通り読むことができ、カタカナもまぁまぁ読めるタイミングだったが、「何を回答すればよいのか」を、息子が的確に汲み取ることができるのか、試してみたいのもあった。

数分間、問題とにらめっこしながら何やら書き込んでいた次男が「できた!」と持ってきたテキストは、概ね正解していた。
しかし、「うすい線をなぞり、空欄には正しいひらがなを」というところで、問題が起こった。

「から○げ」の「○」の部分に「あ」を書く問題だったのだが、次男は堂々と「からーげ」としていた。
ある意味正解だが、国語的にはNGなこの回答。一生懸命ひねり出したのだろうと思うとかわいくてかわいくて、ついつい大きな○をつけてしまった。

その後の問題にも、「ラーめん」とこれまた珍回答をした次男。どうやら達筆な字体で「らーめん」とひらがなで書いてあるラーメン屋の看板を思い出した結果こうなったそうだが、そもそも問題は「好きなお弁当のおかずを書こう!」なので、お弁当にラーメンを入れる時点で間違っている。

笑うしかない、というのはこういうことを言うのだろうか。

とはいえ、彼が生まれて初めて自分で問題を読み、考え、回答したテストだ。たとえ世界中の人を敵に回しても、私は母として、彼の頑張りを認めてあげる必要があるし、その権利があるはず。
などと大袈裟なことは思っていないが、とにかく「かわいい」が爆発した次男の回答は、写真に収め家族全員にシェアされた。

「がんばって偉いね」と、生きてるだけで、少し成長しただけで褒めてもらえる時期は短い。次男も「間違えたこと」ではなく、「頑張ったこと」を認めてもらえたほうが、きっとうれしいだろう。

そんなこんなで、私は今日も息子の「からーげ」と「ラーめん」に元気をもらい、仕事に精を出している。

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