見出し画像

【TEALABO Channel_08】「日常に寄り添うお茶を提供する」-はるとなり 永山和博さん-

 鹿児島のブランド茶である「知覧茶」の作り手を直接訪ねて、その秘めたる想いを若者に届けるプロジェクト「Tealabo Channel」。

 日本茶は全国各地に産地があり、各産地で気候や品種、育て方が違います。そんな違いがあるから「知覧茶」が存在します。一年を通して温暖な気候がもたらす深い緑色と甘みが特徴である知覧茶の作り手の話を皆さんにおすそ分けします。

第7回目は、はるとなりの永山和博さんにお話をお伺いしました。

画像8


永山さんは南九州市頴娃町の山間地域で、祖父が開墾した場所でお茶づくりをしています。重機がない時代、祖父が鍬(くわ)を持って開墾したからこそ今のお茶作りができていることに、心の底から尊敬の念を抱いていることを取材で教えてくださいました。

今回は、そんな祖父が残した茶園で個性を活かした製法と、新しい挑戦を繰り返す永山さんのお茶作りに迫っていきます!

お茶と共に歩む人生の準備

画像4

幼い頃から頴娃の豊かな自然とお茶畑に囲まれて過ごしてきた永山さん。子どものころは畑のお手伝いをしたり、お茶工場で遊んだりと常にお茶が身近にある環境で育ってきました。

高校卒業後はお茶づくりを学ぶために、静岡にある茶業試験場(現:野菜茶業研究所)へ進学。2年間寮生活をしながら、仲間と切磋琢磨し合い、自らの知識と経験を増やしてきたそうです。

鹿児島に帰ってきた後は、製茶機械を作るカワサキ機工(株)に就職。そこでもお茶のことを学びながら、多くのお茶農家さんと交流を重ね、23歳のとき晴れてお茶農家に就農し、これまで以上にお茶に向き合う生活がスタートしました。

お茶作りの面白さに向き合う

画像5

 永山さんの祖父は頴娃に「ゆたかみどり」という品種を広めた第一人者で、頴娃のお茶作りの基礎を作り上げました。現在は、5種類のお茶を育てており、それぞれの品種や気候に合わせた栽培を行なっています。

永山さんは毎朝、自ら全ての畑を歩き、お茶の状態を確認しています。案内してくれたお茶畑を眺めながら、自らの考えを教えてくれました。

「現状維持をするのも大切だけど、前に進むことに重きを置いている」

  品種にあった育て方をするのはもちろん、地球環境にも配慮した栽培を行なっており、今年は肥料の中身と捲く頻度を見直したそうです。現在のお茶作りだけでなく、次世代のお茶作りについても考えている永山さんの姿勢に心を打たれました。

また、現在5種類のお茶を育てている永山さんですが、その中でも特に、「藪北(やぶきた)」という品種には思い入れがあるのだそう。病気にも気候の変化にも弱い、デリケートな品種である藪北。しかし、難しいからこそ、育て甲斐があると語る永山さんはなんだか嬉しそうでした。特に、「お茶は手間をかければ必ず応えてくれる。お茶はこれがあるから面白いよね。」という言葉が印象的でした。

たくさんのご縁から得たお茶作りへの貪欲さ

画像6

永山さんはただお茶を作るだけではなく、お茶業界を盛り上げるために日々奮闘しています。

永山さんは、26歳のときに鹿児島県茶業青年の会で頴娃地区の代表に就任。県内外各地のお茶畑の視察に行ったり、お茶農家さんと交流したりして頴娃のお茶業界の振興に貢献してきました。そして最終的には鹿児島県茶業青年の会の会長に。26歳から約12年間、青年の会でも貪欲にお茶に向き合いました。

そして、その後も別の組織に入り、全国各地のお茶農家さんと交流しながら自らのお茶づくりをアップデートしています。

新ブランド「はるとなり」に込められた想い

画像3

お茶畑を見せていただいた後は永山さん手作りのウッドデッキへ。行ってみると一面に広がるお茶畑と「はるとなり」という新ブランドの茶葉たちが並んでいました。景色の美しさと永山さんの心遣いに感激した瞬間でした。

画像3

永山さんの新しい挑戦である「はるとなり」ブランド。このブランドには、長く寒い冬を越えて「春となり」、美味しい新茶をお届けしたいという意味が込められています。はるとなりのロゴは山、太陽、海を表しており、冴緑、豊緑、藪北、明緑、奥緑の5種のシングルオリジン(単一品種)の茶葉が楽しめるスターターセットは、それぞれの茶葉を味わえるだけでなく、自身で好みの味をブレンド可能。ドリップパック付きなので、急須がない方でも気軽に楽しめます。

「お茶にも特徴があるから、シングルオリジンで自分の好きなお茶を探したり、ブレンドしたりして、それぞれにあったお茶を見つけて欲しい」

とお茶を淹れながら永山さんは言います。そこには1人1人の日常に寄り添うお茶であって欲しい、お茶を淹れるという時間を楽しんで欲しいという永山さんの想いがありました。そんな想いが込められた「はるとなり」はいつもよりちょっぴり特別な一杯になりそうですね。

お茶農家としての「日常」のありのままを伝えていく

画像7

品種や気候、環境に配慮したお茶作りを行なっている永山さんですが、お茶作りをするのはもちろん「情報発信」にも力を入れているそうです。

「情報を発信することで、多くの人にお茶を知ってもらうことができる。そして実際にこの地に訪れて農家さんの話を聞いて、体験して欲しい。」

そこにはお茶で繋がるご縁を大切にする永山さんの姿がありました。お茶をより楽しんでもらうための永山さんの新しい挑戦である「はるとなり」は、現在、通販サイトでの販売が始まっています。

画像8

「お茶を淹れたり、お茶を作ったりする日常の中で一家団欒があって、それで生計を立てている。お茶農家になってよかったと思っている。」

自分の仕事に誇りを持っている永山さんは、強く、でもどこかしなやかで進むことを恐れない、そんな人に見えました。永山さんのお茶を伝えていく情熱が表現された新しい挑戦「はるとなり」ブランドがたくさんの方々に目にしてもらう機会が多くなるかもしれないと思うとわくわくしますね。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
はるとなりのHPはこちらをクリック
はるとなりのお茶を購入するにはこちらをクリック
はるとなりのInstagram

【プロフィール】
永山 和博 (ながやま かずひろ)
1978年南九州市頴娃町生まれ。高校卒業後、静岡県の旧国立茶業試験場で2年間寮生活を送る。卒業後は、製茶機械メーカーを経て、祖父が開墾した山間地域で茶産業を営む。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

お問い合わせ
ご質問・ご要望は下記へお問い合わせください
TEALABO運営事務局
(株式会社オコソコ内)
E-mail: okosoco0629@gmail.com [蔵元・高橋]

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?