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15秒で読める!140字創作小説
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2023年7月の記事一覧

【140字小説】時代の流れとルッキズム

【140字小説】時代の流れとルッキズム

近年、ルッキズム批判の声が高まってきた。
それでも結局人間は…。
「確かに〇さんは心の美しさが外見にも表れているけれど、僕は〇さんの見た目ではなく美しい内面に惹かれて選んだのです」
という後付けの理屈を生み出した。
ますますめんどくさいだけの時代到来である。

【140字小説】焼肉とルッキズム

【140字小説】焼肉とルッキズム

俺は焼肉屋でサラダを頼む女が嫌いだ。肉を食えよ。野菜が食べたきゃ家で食って来い。
そんな訳で今迄焼肉屋で沢山の彼女と別れてきた。
でも菜々だけは違った。毅然とサラダをオーダーし、大胆かつ優雅に食べる彼女に対して俺は全く何も言えなかった。
そう、彼女は他の女と圧倒的に違ったのだ。顔が。

【140字小説】つっこみどころ

【140字小説】つっこみどころ

充は幼い頃から物に触れるとその物の心が分かる。
壊れて泣いてる時計、お絵描きが大好きな鉛筆、荷物が重くて苦しむ鞄…。
ある日充は雑踏で少女とぶつかった。途端に流れ込む少女の心。
「今夜メシア様が降り立ちこの世界は滅びる」
充は思わず少女に呼びかける。
「君は…物…なんだね!?」

【140字小説】線路と重荷、そして脱線

【140字小説】線路と重荷、そして脱線

俺達はずっと平行線。決して意見が交わらず互いに譲歩する事もない。毎日並走しながら己の意見をてんでに叫ぶのみの関係だった。
でもそれでよかった。線路だってそうだろ。互いに平行なまま長く伸びて重い車両を支えてる。
なぁ婆さん、お前が死んだら俺一人で隆(息子)をどうやって支えればいいんだ?