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賢治が見たイーハトーブが知りたくて

 この夏、結婚記念日ということで岩手県に行ってきました。今年度5年生の担任ということもあり、国語の教科書に出てくる「注文の多い料理店」の作者、宮沢賢治のいう「イーハトーブ」とは一体どんなものなのか以前から気になっていました。

イーハトーブについて

 同僚に「イーハトーブ」の話をしたところ、知らない人が多かったので簡単に説明しておきます。

イーハトーブとは、宮沢賢治による造語で、賢治の心象世界中にある理想郷を指す言葉である。岩手県をモチーフとしたとされており、言葉として「『岩手』(歴史的仮名遣で「いはて」)をもじった」という見解が定説となっているが、賢治自身は語源について具体的な説明を残しておらず、異説もある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/イーハトーブ より

 また、童話集「注文の多い料理店」広告ちらしによる説明では、以下のように説明されています。

「イーハトヴとは一つの地名である。強て、その地点を求むるならば、大小クラウスたちの耕していた、野原や、少女アリスが辿った鏡の国と同じ世界の中、テパーンタール砂漠の遥かな北東、イヴン王国の遠い東と考えられる。実にこれは、著者の心象中に、この様な状景をもって実在したドリームランドとしての日本岩手県である。」

同上より引用

 いかがでしょうか。ここまでをまとめると、
「イーハトーブ」とは、

  • 賢治の理想郷であること

  • 岩手県がモチーフとなっていること

  • ドリームランドとしての岩手県であること

であることがわかると思います。そして、ここまで読むと
「宮沢賢治のいうイーハトーブって一体どんなものなの?」
「岩手ってどんなところなの?」「なにがあるの?」
と興味を抱きませんか?

閑話休題

 国語の授業を行う上で作者のことを知るのは、教材研究をする上でとても大切になってきます。作者本人の自叙伝などがあればよいのですが、ドラマや映画、本などからも学ぶことができます。当時の時代背景であったり、宮沢賢治の人となりを理解するヒントに繋がります。ここでは2つほど紹介しておきます。

銀河鉄道の父

 宮沢賢治の父親「宮澤政次郎」目線で見た宮沢賢治の人生が描かれた一冊。書かれている通り、家族愛がとても伝わる素晴らしい作品です。個人的には、映画も良いがやはり本を読んでいただきたい。

銀河鉄道の父

宮沢賢治の食卓

 宮沢賢治が妹のトシの病気の知らせを受けて東京から花巻に戻り、稗貫農学校の教職員としての生活が描かれたヒューマンドラマ。

宮沢賢治の食卓

イーハトーブ

 話を本題に戻し、宮沢賢治の思想の根底に、
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」ということもある。だから、注文の多い料理店でも紳士も山猫もどちらも何も得なかったのだろう。(話の展開としては山猫が紳士を食べて終わっても良かったはず。だが、賢治はそう描かなかった理由はここにあるのではなかろうか。)

私が思うイーハトーブとは、
人が触ることのない緑豊かな自然
語弊を恐れず言い換えると、
人と自然との共存
ではないだろうか。

 岩手の自然はとても素晴らしかったです。それは、私の住む大阪や東京のような人が作ったビルやら家やらの建物ばかりではなく、一面草木や山で覆われている所、自然をそのままに残した龍泉洞などの洞窟もとても見どころ満載でした。

龍泉洞
雨ニモマケズ詩碑の近くにて

 また、宮沢賢治のことが大好きな都道府県なんだなということも感じられました。町中宮沢賢治でいっぱいでした。

賢治の学校
山猫軒

 二泊三日で全部は回れませんでした。またドリームランド岩手を堪能したいなと思いました。



#忘れられない旅


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