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これからの部活動に求めらるもの

テーマの通り、今回は部活動に求められることについて書いていくのですが、先に結論を言うと、

・生徒主体の運営
・生徒一人一人の自己実現の場
・それらを支えるための部活動指導員という職業の充実

の3つをこれからの部活動に求めます。


皆さんは部活動を通じて何を学べましたか?

僕は中学校から大学までラグビー部に入り色々なことを学んできました。

詳しくはこのnoteに書いてあるのでぜひ読んでみてください。

本当に多くのことを学べました。部活動で学べたことが多かったからこそ、部活動も教師を目指した理由の一つでした。

現在では、部活動指導員という制度も整えられ始めて、部活動の在り方が変わってきているように思います。その制度自体には、教員の業務削減や生徒への効果的な指導が期待できるという点で賛成ですが、その実態は理想とのギャップがあるようです。生徒が望んでいないような過度な指導や、教員との連携が不十分になるケースなどがあるようです。

だからこそ、部活動に求められることを再定義し、適切な活動を行っていくことが求められていると考えます。学べることや得ることができるものが大きいだけに、適切に行われないともったいないですしせっかくの部活動指導員という職業も無駄になってしまいます。

そこで今回は、僕の部活動観についてと、実際にどんなことを部活動指導員は求められるのかについての僕の考えを書いていきます。


1.部活動観

僕の部活動観として挙げられることは大きく3つです。

①教室では経験できない異年齢集団の場
②組織と目標を学ぶ場
③勝ちを目指すためだけの場ではない

①教室では経験できない異年齢集団の場

教室ではどうしても同年齢集団になってしまいます。同学年の生徒がクラスという集団を作ります。

ですが社会に出るとそうではないことのほうが断然多いです。

同年齢しかいない会社やチームなんてほとんどないですよね。

そういう意味においても、学校生活で異年齢集団を過ごせる部活動はある意味、学校内では異質で特別なものなのではないかなと思います。

②組織と目標を学ぶ場

特に何を学べるかというと、組織運営と目標設定です。

先ほどのことにもつながるのですが、学校の中で、社会に一番近い組織は部活動です。例えば、 

(左は部活動、右は会社)                     

・上下関係がある=先輩社員後輩社員の関係

・主将、リーダー、〇〇係などの役職=部長やマネージャーなど

・ポジションや楽器、種目などで部活内で細分化された組織がある=部署

など組織構成の点で会社と類似している点があります。

堅苦しく考える必要はありませんが、部活動を小さい会社のような組織ととらえて運営していくのも悪くないのではないでしょうか。

そしてもう一つが目標設定です。

多くの場合、それぞれの部活動に目標があるのではないでしょうか。

”全国優勝” ”コンクール金賞” ”県大会出場”など、様々でしょう。

さらに言うと、個人単位でも目標はあると思います。

”レギュラーをとる” ”選抜チームに選ばれる” ”休まない”など挙げればきりがありません。

目標を持つことはとても大事です。自分たちがどこに向かいたいのかというゴールになります。そうすると、具体的な道筋が見えるので、振り返った時にその道に沿って進めているかを検証できる。目標を正しく設定するだけで様々な効果が期待できます。

③勝ちを目指すだけの場ではない

すべてのチームが全国優勝をすることはできませんよね。優勝できるチームは、基本的には人チームだけです。

そのことを考えると、勝つことだけを求めていたら、それを果たせなかった時に何が残るのでしょうか。もちろん、全国優勝を目指すなとか、勝ちだけを目指しているチームはダメだと言っているのではありません。本気で全国優勝を目指すからこそ得ることもあります。

ここで言いたいのは、目標にも種類があるということです。

以前紹介した、『THE TEAM』という本の中に、目標設定には3種類あるということが書かれていました。

・意義目標=最終的に実現したい抽象的な状態や影響
・成果目標=チームとして手に入れるべき具体的な成果
・行動目標=具体的に取り組むべき行動の方向性

の3種類です。

”全国優勝”という目的は成果目標にあたります。どの目標が優れているという話ではないですが、自分が立てた目標がどの分類の目標にあたるのかというのは把握しとくと、その目標の先にどんな効果があるのかを知ることができます。

勝ちを目指すためだけの場ではないというのは、どうしても成果目標だけに目が行きがちな部活動ですが、しっかりと意義目標にまで目を向けることで、成果以外の価値を得ることができる場であると思います。

この意義目標ですが、僕はシンプルになぜやるのかということを言語化すればいいと思っています。なぜその部活動を行うのか。これを意義目標として立ててみましょう。


2.部活動指導員の役割

では実際に、部活動指導員は何をするのか。教員でもプロコーチでもないこの職業に僕が夢を抱くのは何なのか。

部活動指導員に求めることは大きく3つです。

1つ目は、組織が正しい方向へ進むためのサポートです。あくまで生徒のサポートに徹します。

2つ目は、生徒一人一人の目標達成のためのサポートです。部活動を通じてなりたい自分に近づくための手助けをします。

3つ目は、その競技や活動の指導です。やはりそれぞれの活動で目指すべき成果を上げることも目標の一つになると思うので、指導する能力は必要です。

まとめてみると、部活動での学びの最大化です。

部活動は学校で行われているからこそ、教育の場でもあるべきだと思います。何を学ぶかというと、部活動観に書いてあることです。

これは僕の大学時代の経験によるものなのですが、学生主体の運営をしていた経験から、めちゃくちゃこの力が伸びました。

現在、多くの部活動では、顧問の先生が主導で活動されていると思います。練習メニュー考えたり、目標考えたり、スケジュール組んだり。もちろんすべての部活で全部教員がやっているとは思いませんが、顧問の先生が絶対という部活も多いのではないでしょうか。

その主導権をなるべく多く生徒に渡しませんか?というのが僕の主張の一つです。その結果、教員も部活にかかる労力を減らすことができるし、生徒も学ぶことができるし一石二鳥です。

大きな可能性のある部活動であるからこそ、その学びを最大化するために、それ専門の職業を創りませんか?教員がその役割を担ってもいいですが、現状は、やりたくない部活動を受け持っていたり、そもそも顧問としてかかわることを望んでいない教員も多くいます。それに、部活動の立ち位置的に、部活動より授業を優先すべきなので、教員にこの役割を担ってもらうというよりは、それ専門の職業があってもいいのではないでしょうか。


3.まとめ

とりあえず、今自分の中にある考えを書いてみました。

部活動は教員の多忙化を考えるうえで、非常に大きな問題です。

それと同時に、学びの可能性を秘めた活動であるともいえます。

生徒のため、教員のため、部活動指導員が部活動に対して責任を持ち、部活動での学びの最大化に努め、部活動がより充実したものになることを願っています。

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