【記憶】「見えているんだから、いいじゃん」最近思い出す言葉
「見えているんだから、いいじゃん」この言葉は大学病院の医師に言われた。ふとしたとき、この眼科医から言われたこの言葉が頭に浮かぶ。
なんでこの言葉を言われることになったのか・・・
5年前にアデノウイルス結膜炎に罹った。免疫力が低下していたのか、かなりこじらせた。大体の人は、こんなにひどくはならない。
かゆみや痛みの症状が治まっても、右眼の視力は病気にかかる前の1.5に戻らなかった。0.7に低下、しかもぼやけている。結局症状が完治して一ヶ月経っても、視力は戻らず、かかりつけのクリニックから紹介状をもらい大学病院で診てもらうことになった。
大学病院に行くと、眼科の待合室は患者でいっぱい。さまざまな目の病を患っているだろう人々。私は、私の視力は元に戻るのだろうか、と不安な気持ちで診察の順番を待っていた。
診察の番が回ってきた。医師に眼を診てもらい、いくつか質問され答えた。私の疑問や不安を尋ねた。これから、さらに見えなくなるなど異変があればまずはかかりつけに行ってみて。特に眼は異常はないということだった。
そして、医師からこの一言。「見えているんだから、いいじゃん」
私は何と答えたかよく憶えていない。この言葉を最後に診察室を出た。
診察を終え、「見えているんだから、いいじゃん」が、ずっと頭に残った。待合室のほかの患者の方。スッキリ見えないけど見えている今の私。
以前のように、すっきり見えないがたしかに見えている。不安でいっぱいだった気持ちは、晴れ晴れした!とは言えないが、今の自分の不安を受け入れ、今見えているという現状を受け入れることで、視力を元に戻したいというこだわりを捨てた感じだった。
5年たって言葉の意味を理解
あれから5年経ち、一時期は1.0まで視力は戻ったが、最近は0.7程度。
視力低下の原因は生活習慣のせいかもしれないが見えているからまあいいか。あの時、視力をもとに戻したいとこだわっていたら病院通いの日々だった。医師は、視力は低下したけど見えている今を受け入れたら、ということを言っていたのだと理解している。足るを知る。ということなのかな。
最近、また「見えているんだから、いいじゃん」が出てきた
痩せないけど、元気だからまあいいか。子供は本を片付けないけれど、本が好きなんだからまあいいか。日々のいろいろに当てはまる。
足るを知る。ということなのかな。
「見えているんだから、いいじゃん」を思い出す時、まあいっかと今を受け入れたらといわれているような気がする。
もっともっとと努力をすることも時に必要だが、こだわりを捨て、楽になった方がいい時、この言葉が出てくるのかもしれない。
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