宝石みたいなあのショーケースをまた見に行きたい

この前映画を見に札幌にお出かけした。
ビルに入っていた映画館だったので、他のお店もいろいろ見てたら、ケーキ屋さんがあった。お菓子は好きだ、せっせと近寄っていったのだが値段に思わず声が出た。

「うわぁ、たっか」

嫌な客だろう。店員さんごめんなさい。けど、とてもとても高かった。ショートケーキが1000円超え。田舎を転々とし、ちょっと都会な生活を送ってきた私に札幌価格は衝撃的すぎた。

別のケーキ屋さんはタルトが並んでいた。たくさんの種類のケーキ。けどそれも全部1000円超え。おいしそうだけど買えたもんじゃないな。それが当時の私の素直な感想だった。

あれから約1週間。
ふとあのタルトのショーケースが蘇ってきた。ショーケースのなかのたくさんのタルト。ふんだんにフルーツが載っていて1つ1つが丁寧に塗られたナパージュによって宝石のようにキラキラ輝いている。一目見て「うわぁ!!!」と子どものような歓声をあげてしまうその光景がありありと蘇ってきて。食べてもないのに味が口に広がる、期待の味が。

売ってる場所が札幌。それもあるかもしれない。けれど。あれだけの歓声をあげられる体験と、丁寧に丁寧に作られたであろう輝くタルトたちを思い返せば妥当な値段だな、と。思い返すとそう考えられたのである。

値段って難しい。私も今自分で商品売るようになってものの価値を考えないといけなくなったのだが、ついつい周りや自分の価値を低く考えて値段をつけてしまう。でもそれにどんな価値を感じるかは人によって違うのだ。あの場でタルトを購入していた人と高いと思った私、そして見もしない人。同じ商品だけど感じ方は人それぞれ。

実際にタルトは高いとは思ったけれど、少なくとも私はもう一度あの場に行こうと思っている。あの光景をみたいから。戻ってきた記憶で食べたくなったから。そんな価値を見るだけで提供できるタルト、やっぱり1000円越えてて妥当なんだな。そう思うベットの上、風邪っぴきお熱の日でございます。

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