シングルオリジンの日本茶とは?

コーヒーのように、お茶にもシングルオリジンの日本茶が存在します。
というよりも、近年コーヒーにならって数多くのシングルオリジンの日本茶が作られるようになってきた、という方が正確です。
これまではなぜシングルオリジンの日本茶は少なかったのか、またシングルオリジンとそうでない日本茶の違いは何なのでしょうか?
それを解き明かすキーワードが『合組(ごうぐみ)』です。

1.合組とは
『合組』はお茶をミックス、ブレンドする工程のことです。
茶問屋と呼ばれる業者が行う工程で、お茶の製造工程としては二次加工にあたります(一次加工は茶農家が行う)。

お茶は農産物ですので、年によってもその品質が異なります。もちろん品質を一定にする茶農家の努力はありますが、最後には天気や温度といった自然に左右されます。
また収穫時期の春夏と、お茶の熟成が進んだ秋冬によっても、お茶の品質は変化します。

それらを踏まえて、出来の良かった・悪かったお茶、または熟成の進んだ・進んでいないお茶を"ミックス"して品質を一定にする工程が『合組』でした。

ですが、今では少し状況が変化しています。
現在、もはやグローバルな飲み物ともなったお茶は、その多様性をより求められるようになっています。
ですので現代の『合組』は、より良いお茶を作り出す"ブレンド"としての側面が強くなりました。
『合組』の持つ意味は大きく変わってきているのです。

2.シングルオリジンとは
対してシングルオリジンは、『合組』をしていないお茶のことです。

お茶には品種があります。そしてその品種の違いは、土地の違い、栽培・製造工程の違いによってより個性的なものとなります。
『合組』はその個性を一定にする工程ですので、逆に言えば個性を消すことになる可能性があります。

お茶の持っている個性を最大限味わえる日本茶、それがシングルオリジンです。
それはワインのシャトーに例えられることもあります。

その違いは多種多様で、コーンのような香りのするお茶や根菜類のような味わいのお茶、『クマリン』という成分を特別に持つため桜の香りのするお茶まであります。


お茶は嗜好品ですので『合組』をしたお茶とシングルオリジンのお茶、どちらが正しいというものではありません。
どちらもより、お茶の美味しさの多様性を求める努力の結晶です。

かつてブリア・サヴァランという美食家が「新しい星を発見するよりも新しい料理を発見する方が人間を幸せにする」と言いましたが
それと同じように、とても美味しいお茶に出会った時の幸福感は思わず天を仰ぎたくなるほどのものです。
シングルオリジンのお茶が増えてきたことによって、その機会が格段に増えたことは間違いありません。

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日本茶インストラクターとして京都で活動中! 日本茶を利用した『新たな飲用形態』『新たな料理』『新たなリラクゼーション』の 3本柱を商品価値として提供する、企業の設立を目指しています!

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