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2018年東京大学 国語大問1

こんばんは
日曜の夜ですが、皆さん良い夜をおすごしですか?
これがアップされる頃には朝になっているかも、それとも月曜になっているかもしれませんね
ともかく、これを読んでくれる皆さん(2~3人ぐらい?)が良い夜を、平和とは言えずとも、なにか感傷に浸れるような、良い意味でも悪い意味でも情緒に浸れるような夜をお過ごしであれば、それは将来のご自身にとって不可欠な、かけがえのない夜であることかと思います

本日は酔ったノリで東大現代文解いてみます
解くのは私が好きな野家啓一さんの出典、『歴史を哲学するー七日間の集中講義』からの抜粋、東大の2018年の入試問題です
皆さん、お手元にありますか?
なくても知りません
東大のことですから、ネットのどこかに転がっていることでしょう
お手数ですけれども、探してくださいね

問1
「量子力学を基盤とする現代の物理学理論」が如何にして「人間が観測可能なもの」から「素粒子の存在」を導くのか、それを説明しましょう
どうでもいいですけど、論説文って大抵は傍線部の文法的説明しなくていい気がするので気負わず問いに入れますよね
そもそも予備校教師って、例えば明治や対象時代の随筆や、江戸の中期以降とかの擬古文を解説するに当たり、「この『の』は格助詞で所有格の働きをしていて~」なんてこと言うのか知りませんけど
「素粒子には質量やエネルギーやスピンはありますが」とあるので、質量だけ説明しておくと、物理習っている人はすぐにわかるのですが質量について書くと、たとえば原子から1こ電子を奪って1価の陽イオンにして、そのイオンを一様な磁場に打ち出すとします。するとイオンは運動の向きと垂直な向き(フレミング左手の向き)に電荷に比例した一定の大きさの力を受けるわけですが、これでどれだけ曲がるかというと、質量に比例するんですね
その質量に応じた円運動をするわけなんですが(、どこかそれっぽいところに原子サイズを観測できる観測器を置いておいて?)、その円運動の半径によって質量がわかる、というわけです
原子を直接体重計に乗せて重さを図ったわけでもないし、どの地点でも円運動をしているかというのを任意の観測点に測程器を置いて調べたわけでもないだろうけれど、ともかくどのように荷電粒子が運動するのかこれまでの実験結果も踏まえて仮定をおいて、実験をしてその仮定と実際との整合性を確かめたところ、どうもその仮定は正しいらしいと、そう認めてよさそうな実験結果が集まったので、それが理論の一部を担うようになっていった、その集積として、現代物理学で想定されるところの性質を持った素粒子の存在を仮定するのが良いということになった。
具体的に書くとこんなかんじかな
さて、まとめましょう
このパラグラフの「問1」と書いた直後の方針を参考に、骨組みをとります

(仮解答1)
量子力学を基盤とした、これまでの有効な実験結果の集積からなる矛盾なき体系としての現代物理学においては、そのうちのいずれの仮定とも相反する性質を持たない物質として素粒子の存在を仮定するのが合理的であるということ。

長い笑
解答欄は2行なので、もう少し減らす必要があります
「量子力学を基盤とする」ことは「現代物理学」に含まれるので記載不要ですね
「矛盾なき」と「相反する性質を持たない」も重複なので片方省略
そもそも矛盾あったら「体系」を構成する要素となり得ません
現代物理学で想定される素粒子は、それを構成する仮定(法則)と矛盾しないように一つ一つそれが持つと想定される性質について検討されざるを得ないので、「いずれの仮定とも相反する性質を持たない」という記述を入れたのですが(一つ一つ検討されるというニュアンス入れたかったため)、「矛盾しない」と言ってしまえばギリセーフかも
ということで、絞った結果が以下

(仮解答2)
これまでの実験結果の集積からなる現代物理学では、その体系と矛盾しない性質を持つ素粒子の存在を仮定するのが必然でさえあるということ。

ちょっと問いとズレた感はあり、入試の解答としては良くないですが、私はこれぐらい言い切ってしまうのが好みです
というわけで問い1お了い


問2
だいたい問1と内容的には同じなのでいきなり解答書きます

(仮解答1)
直接には知覚できない一方で、現代の学問体系の中ではどうしても存在を仮定せざるを得ないという積極的に肯定される性格を多数有する理論的構成物は最早「存在する」と言ってよく、「知覚できないから」という現時点の観測能の限界、すなわちその間接的で、実験結果の集積から素粒子の存在を導く推論過程には一切干渉してこない消極的な理由によって、その存在に異を唱えるのは不合理ですらあるということ。

解答欄はやはり2行なので、もっと削ります

(仮解答2)
現代物理学理論に尽く矛盾せず、かつその空隙を埋める性質を与えられた素粒子は、その存在を必然的に肯定される外なく、観測できないという間接的かつ消極的な理由により「虚構」と呼ぶのは不適当だということ。

もう少し削る必要がありますね
「矛盾せず、かつその空隙を埋める性質を与えたれた」はトートロジー感あるので修正
「間接的かつ消極的」も説明ないと無内容です(この点、私は具体を抽象にするのが必ずしも良いとは思っていません)

(仮解答3)
現代物理学理論の空隙を埋める素粒子は必然的にその存在を肯定する外なく、現時点で観測が不可能である事実はそれが虚構である証拠になり得ないということ。

解答欄2行だしこれぐらいかな、という気はします


問3以降
こっからは簡単な気がしたので書きません
コメントとかで希望あれば書きます


とりあえずお終い
なんでそう考えざるを得ないか、というのを意識できるように書こうと思って書き始めたんですが、まあもうちょっと時間が必要かな、という気はするのと、さもなければ各予備校の模範解答を挙げて批判するという荒業を使うことになるので、それもよくないですし、まあこんなクオリティになるかなという気はします


それでは、よい夜を、そして、よい夏をお過ごしください

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