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ガチョウのフィフィとサクラソウ
小さな泉のすぐわきに小さなお庭がありました。
小さなお庭によく似合う小さなサクラソウが咲きました。
サクラソウは一生懸命背を伸ばして咲いていたけれどすっくと隣で伸びているスギナに背丈はかないません。
かなわなくてもかまいません。
サクラソウはきゅっと背を伸ばし山の短い春を楽しもうと精一杯咲いていました。
そこへガチョウのフィフィがやってきてふゅるふゅるスギナを食べました。
ガチョウというのはたくさんのスギナを食べるのです。サクラソウは食べません。
するとどうでしょう小さなお庭はあっという間に大変身。
サクラソウもキラキラ輝くようです。
大好きなスギナをおなかいっぱい食べてフィフィも大満足。
スギナだけ食べられ損?
いえいえ。ガチョウの除草は草にも優しいのです。
スギナはまた生えてきます。それがいいのかどうかはあなたの庭のご主人様によって違うでしょう。
それにフィフィが大満足なのですからフィフィを喜ばせてくれたスギナに感謝する人間が必ずいるのでご安心ください。
いつかガチョウのフィフィの本を絵本でも、ガチョウとの暮らしのことでも出せたらいいなって思っています。
思っているなら書いたらいいじゃんと考えなおして書いてみました。
サクラソウのくだりは花は「ただ一途に咲いた喜びだけが残る」との円覚寺の和尚様の言葉にヒントを得ています。
読んでいただきありがとうございます。 暮らしの中の一杯のお茶の時間のようになれたら…そんな気持ちで書いています。よろしくお願いいたします。