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デジタル田園都市国家構想推進交付金のデータをビジュアライゼーションしてみた

令和4年3月18日に内閣府地方創生推進室内閣府地方創生推進室より公表された「デジタル田園都市国家構想推進交付金」の採択額について、ビジュアライゼーションしてみました。

【2022/3/22追記】市区町村名と、県単位で検索できるようにしました。
【2022/6/18追記】デジタル実装タイプ TYPE2/3のデータを追加しました。
【2023/12/3】R4補正・R5当初の採択結果分をデータ追加
【2024/4/4】R5補正・R6当初の採択結果分をデータ追加


「デジタル田園都市国家構想推進交付金」とは何か

そもそも「デジタル田園都市国家構想推進交付金」とは何かということについては、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局 内閣府地方創生推進事務局 デジタル田園都市国家構想推進交付金のホームページに記されていますので、そちらから引用させていただきます。

本交付金は、デジタル技術の活用により、地域の個性を生かしながら、地方を活性化し、持続可能な経済社会を目指す「デジタル田園都市国家構想」を推進するため、デジタルを活用した、意欲ある地域による自主的な取組を国が支援することにより、地方からデジタルの実装を進めるとともに、「転職なき移住」を実現し、地方への新たなひとの流れを創出することで、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮めていくことを目的としている。

デジタル田園都市国家構想推進交付金ホームページ


なぜ作ったか

オンラインミーティング(という雑談)をやっている最中になんとなくPDFを眺めてると「デジタル田園都市国家構想」について、多くの自治体が様々な取り組みをされていることに気づきました。
それぞれの金額の過多よりもどういった取り組みで、今後の日本国内の行政DXが進められていくのかに興味がありましたのでPDFデータをダウンロードしてみました。

最初は安易な気持ちでTableau Publicを活用しながら作っていったのですが、公開すると思いのほか好評だったので、ガッツリ作り直してみました。

https://public.tableau.com/app/profile/tdism/viz/_16475706511890/sheet0

※ 前のURLが公開されてますので、改めて上記のものをご利用ください。(前のページは1日で約750アクセスあったようです。)

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ビジュアライゼーションの画面


PDFからデータ化

そのうちデータは国から公開されるのでしょうけど、PDFだけでも実データにすることは、オンラインツールでサクッとできるようになりました。

とはいえ、そこからがなかなか大変で、数値にカンマ「,」が付いているとカンマ取り外す作業、PDFは見やすさ重視なのでページごとに表のタイトルが付いていたりしますから、それを削除する作業。このあたりはよくあるパターンですが、データクレンジング作業に不慣れだととても時間のかかる作業です。

また、後述する全国地方公共団体コードを割り振っていくためには、都道府県名と市区町村名を分割する必要があります。

データクレンジング作業は、ExcelのPower Queryを使う方も増えてきましたが、個人的にはテキストエディタと管理工学研究所の「桐」というソフトを使って行ってます。桐と聞くと懐かしい!!とおっしゃられる方が非常に多いのですが、個人的には最強のデータベースソフトだと思ってます。


コード化

全国の自治体には、「全国地方公共団体コード」というものが割り振られています。

都道府県コード及び市区町村コードは、情報処理の効率化と円滑化に資するため、コード標準化の一環として、総務省(当時:自治省)が昭和43年に全国の都道府県及び市区町村のコードを設定したものです。

総務省:全国地方公共団体コード

先ほど分割した都道府県名と市区町村名に対して、全国地方公共団体コードを割り振っていきます。

ここでも桐は大活躍します。併合というコマンドで一発で完了します。


マッピング作業

ビジュアライゼーションするなら、地図でわかりやすく採択額によって表示を変えたかったので、GISデータを取得してきました。

国土交通省:国土数値情報(行政区域データ)https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-N03-v2_4.html 


問題に直面

順調に作業が終わるかと思えば、ここに来て2つの問題に直面しました。

まず、GISデータ側の全国地方公共団体コード(団体コード)が5桁となっています。これでは、6桁である総務省側の全国地方公共団体コードとマッチングができません。
こちらは、総務省からの全国地方公共団体コードを最後の1桁を落とし、6桁から5桁に変更する作業を行うことで対応しています。

GISデータ側は、政令指定都市(全国20都市)のデータが行政区ごとに分かれており、これを統合していく必要がありました。
こちらは、GISソフト「QGIS」を使いシェイプデータを統合して新たなレイヤを作り、そちらに全国地方公共団体コードを格納し対応しています。

意外と政令指定都市のシェイプデータは転がってないものなんですね。


ビュー画面の構成について

今回の交付金については、2タイプあります。最初は「デジタル実装タイプ(TYPE 1)」だけ作ろうとしたのですが、やはり全体を可視化したかったので、「地方創生テレワークタイプ」についてもデータを作成しています。

なお、それぞれの事業イメージ・具体例としては以下のとおりです。

デジタル実装タイプ:交付金(2/3又は1/2)
デジタルを活用した地域の課題解決や魅力向上に向けて、
・デジタル原則とアーキテクチャを遵守し、オープンなデータ連携基盤を活用する、モデルケースとなり得る取組(TYPE2、3)
・他の地域等で既に確立されている優良モデル・サービスを活用した実装の取組(TYPE1)
を行う地方公共団体に対し、その事業の立ち上げに必要なハード/ソフト経費を支援。
<対象事業例>
• データ連携基盤を活用したスマートシティ構想
• 人手不足に対応するドローンやロボットを活用したスマート農業
• 観光型MaaSやインバウンド向け多言語翻訳アプリ等による観光振興 等

デジタル田園都市国家構想推進交付金の交付対象事業の決定について

地方創生テレワークタイプ:交付金(3/4又は1/2)
「転職なき移住」を実現するとともに、地方への新たなひとの流れを
創出する地方公共団体を支援。
<対象事業>
①サテライトオフィス等整備事業(自治体運営施設整備等)
②サテライトオフィス等開設支援事業(民間運営施設開設支援等)
③サテライトオフィス等活用促進事業(既存施設の拡充・利用促進)
④企業進出支援事業
⑤進出企業定着・地域活性化支援事業(サテライトオフィス等に進出する企業による地域活性化に向けた事業の支援)

デジタル田園都市国家構想推進交付金の交付対象事業の決定について

ビューの画面では、「区分」にチェックを入れることで表示を変えることができます。

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その横には、事業名の「検索バー」を付けています。

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「オンライン」と入力するとオンラインと書かれた事業名を絞り込むことができます。あくまで事業名ですので、傾向をみる程度のものです。


また、今回の交付金は市区町村分都道府県分と分けられていますのでタブで切り替えすることができます。

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あとは感覚で地図を触っていただいたり、バブルチャートやツリーマップも用意していますので、どういった事業が今後実施されるかチェックしてみてください。

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