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BASSDRUM公開総会をやってみて (その1) 063

ありがたくもBASSDRUMで公開総会の1セクション中継で機材紹介をさせていただきバタバタで準備して、ぶっ飛ぶぐらい緊張したけど手伝っていただいたチームの方々、BDメンバーの皆さんのおかげで無事中継を行うことができた。

今のところアーカイブに残っているようなのでご覧になっていない方は必見です!
普段は聞けない裏側の話が沢山あるので、デジタルモノづくりに興味がある人もない人も収穫は必ずあるはず・・・

さて、その時にあまりにも早口で喋ってしまったために、もう少し何をやっていたのかを残しておこうと思う。


最初の部屋の8Kプロジェクションについて

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BOXER4K30という4Kプロジェクターを4台使った8Kプロジェクションをデモンストレーションさせてもらったが、これ1台30000ANSIの光量のプロジェクターでいわゆる大型プロジェクターと呼ばれる類のもので、野外のプロジェクションマッピングや大きなスクリーンに投映する際に使われるものだ、ちなみにBOXERは機材倉庫内には12台ある。
Panasonic製の大型プロジェクターなどは使っているDMDが違うので本体アスペクトが違う。
BARCOやPanasonicはWQHD解像度のDMDを高速でズラすことにより違和感のない4K解像度を投映している。やったことはないが多分ハイスピードカメラなどを使った再撮はNGだと思うが、このBOXERはもともとシネマ機ベースなので、フル4KチップDCI4K解像度(4096pix X 2160pix)という17:9のアスペクトで光が出てくる。
なのでブレンディングした時に横方向のピクセルの余裕が3840pixのものよりあるということになる。

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調整がシビアだとは話をしたが、本当に数ピクセル、数ミリの世界で調整をかける必要があるので、プロジェクターをガチガチに固定するのはもちろんのこと、スクリーン側の固定というのも大切な要素になってくる。

スクリーンは通常周囲を固定した帆の様な状態になっているので、風などで少し煽られたりするがその少しの煽りによって画がずれるので空調などにも気を付ける必要がある、バトン吊りの場合は余計に揺れることが考えられるので地上側でもアウトリガー的に固定することなどが必要になってくる、この辺りまで含めてケアをするのが必要で、スクリーンは別業者なんでと言っているとスクリーン固定のシビアさが中に浮いたまま現場に突入するということが一番危険である。
プロジェクションは投映ももちろん大事だが、投影される面のことまでしっかり気を配ることが必要だ、投影したものがしっかり反射してくれるからこそ目に光が入って網膜に映るのだから、投映面の材質などマッピングの時にはとても大事な要素だ。 時には実際のマテリアル測定をして反射度を計測してCG側に伝えるということもしている、特に反射率が高い物に関してはCG側での再現度を出すために必要な工程だと思っている。
ドヤっているが分光測定器を使い始めたのは最近である。

あとお伝えしたいのは、プロジェクターそれぞれの状態の選別である。
プロジェクターは使っているうちに光量は落ちるし、プリズムにスモークなどの汚れがこびりついてムラになったりしてくる。
その個体差をしっかりと管理し一番良い状態の4台を選別できるのかということが1枚画にした時のクオリティに顕著に現れる。

当然光量に関しても一番暗いものに他の3台を合わせるしかないためになるべく高い水準で光量もバランスを取る必要がある、ランプをその時に新品にすることもあるし、メーカーにクリーニングに出して内部を綺麗にして光量を増すということも必要だ、このあたりの細かいメンテナンスが出来て初めてエース級の4台が選別されるのである、なので上記に12台あると書いたが、8Kに使えるプロジェクターの組み合わせは数パターンしかないのである。

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この辺りの細かい部分は見積もりに乗ることもなければ表立つこともない裏の部分だ、見積もりにいくら30000ANSIルーメンプロジェクターと書いてあっても本当に現場に来たソレが30000ANSIあるのかは見た目では相当なプロフェッショナルでも比べる光がなければ判別が難しい。
だからこそプロジェクターは、この人(このチーム)に任せれるという信頼関係が大切なのだと日々感じる、私たちの側は良いコンディションで現場に持ち込むということしか出来ないのだが、それを続けていくことでわかる人にはわかってもらえるし、プロジェクターというものはそれだけ扱うチーム、人によって全然同じ機材でもクオリティが変わってくるものだということをお伝えしておきたい。
プロジェクターが高機能になり、機能が増えたことにより、無駄な幾何学補正などを沢山かけると当然最終の映像は鈍る。
しっかりとした投映設計、プランニングがあり、本体の整えられたコンディションがあり、正確な調整の上で綺麗な映像をお届けできる。
それが何よりプロジェクターという光を扱う機材での醍醐味ではないかと感じている、たかがプロジェクターされどプロジェクターなのだ。

とか書いてたら1部屋目で終わってしまったので、続きも書きます。


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