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「消えた初恋」第1巻 原作:ひねくれ渡 作画:アルコ

集英社 別冊マーガレット連載中(2022年3月現在)

集英社 マーガレットコミックス

男子高校生同士の恋愛,がテーマなら少女漫画神代の時代から手を変え品を変え場所をかえど何度も繰り返し幾多の漫画家によって描かれてきましたが、自分が注目したいのは、少女漫画王道中の王道を行く集英社別冊マーガレットで連載し、人気があり、テレビドラマ化もされてたということ。

集英社は頑なに「少女漫画の主人公は女子!」を基本貫いてきた出版社なんですが、王道の別マはかなりアグレッシブで、「俺物語!」のヒット以降、ある程度のキャリアや力量のある漫画家にはその縛りを無くしているように見えるのが脅威。本来こういう王道から外れた路線は、小学館や白泉社が得意としていたはずなのに。この影響をもろに受けているのはやはり白泉社でしょうね。だって漫画家の勢いと思い込みと読者の熱狂が白泉社少女漫画の醍醐味だったのに、そこに絵も話作りもキャラ設定も上手な集英社が乗り込んできたら敵わないのは明白。

本作の胆(と個人的に思うのは)、「少女の夢」を壊さない程度の男性同性愛の関係性を描いている(≒別に今作品での男同士の恋愛は男女にも置き換えられる程度の軽さでもある)、ことだと思います。「少女の夢」って個人的にはその中の一つに「理想の関係性への憧れ」があると推察しています。だから健全な少女の夢の結晶の物語だから、本作はキラキラとした輝きに満ちているし、それを嫌悪感なく漫画として消費できる現代の読者の健全さにも敬意を表したいものです。

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