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ワークプレイスストラテジーってマニアックだけど高需要なお仕事。 (2)

こんにちは。yuiです。
暖かくなったと思えば、今日は風が冷たく、季節の変わり目ですね。
みなさま、体調を崩されませんように。

先週、"ワークプレイスストラテジー"という仕事について投稿させていただきました。第二弾の今回のアジェンダは、この二点について。

⑶ 総務や人事のお仕事を戦略的にサポートします
⑷ 物理的空間にかかるコストを削減します

⑶ 総務や人事のお仕事を戦略的にサポートします
ワークプレイスといえば、通常の企業では総務やファシリティマネジメントの範疇だと思います。私もよく総務のみなさまとお仕事させていただいています。そして、クライアントとお話をしている中で、頻出のキーワードが、「空間効率」「生産性」「雇用力」そして「エンゲージメント」です。今日のワークプレイスは、総務の方々だけでなく、人事の方々にも関わりの深い議題になってきているのではないでしょうか。

ワークプレイスは戦略総務や戦略人事という課題に対しても十分適用可能なソリューションだと考えています。そして、戦略総務・戦略人事に必要となってくるプロアクティブな経営機能に対応するのが、やはりデータ活用でしょう。ワークプレイスとは、ありとあらゆる情報やデータが溢れている場所です。まず、溢れているデータを整理し、どのようなデータを取得できるのか理解することがファーストステップです。

例えば、総務範囲だと、空間稼働率、会議室稼働率、施設運営に関する問合せ数、問合せ返答速度、問合せ対応速度、ゲスト訪問数、訪問時間、光熱費、等など。このような情報を、部署別、職種別、ジェネレーション別で分析し、相関を見るだけでも興味深いインサイトを得られます。
人事範囲だと、従業員プロファイルとエンゲージメント・満足度スコア、評価・パフォーマンススコアなどを複合的に分析することで、雇用相関や退職相関、パフォーマンス相関などを導くことができます。

例えば、マクロな人事戦略を考えるときに、ELTVと言う指標が役に立つのですが、この理論では、組織の生産性を上げるには、
①人材の生産性を上げる
②人件費率を削減する
③退職率を減らす
この3つの数字を改善することで達成できます。

そして、③退職率を減らすことで得られるインパクトが非常に大きい!
昨年の12月に、戦略人事をテーマに、セミナーに登壇させていただいたのですが、その時の説明資料を載せておきますね。

こういったインパクトを数字として語れると、本年度の人事の定量目標を「退職率X%削減による生産性XX%向上への貢献」と設定することができます。そして、退職率X%削減するための施策を、退職者とその要因の相関を分析することで、構築できるんですね。

例えば、
大骨:退職率が高い
中骨:20代後半〜30代前半の高パフォーマンス人材の転職率が増加している
小骨:彼らの中でもエンゲージメントが低い人が辞めやすいようだ

エンゲージメントスコアの主成分(スコアリングの増減を発生させている主な成分)は、①シニアとの関係 ②生産性とノウハウ ③家族的な組織文化 であった。

このようなことがデータで分かってくることで、主成分を向上させる戦術を論理的に構築しやすくなります。そして、それは人事制度やチェンジマネジメントプログラムで変えていくことももちろんできますが、ワークプレイスで変えていくことも可能です。前回記事(2)でお話したように、ワークプレイスは、行動を司るプラットフォームですので。
(参照) https://tcproject.jp/n/n381445114c5f

⑷ 物理的空間にかかるコストを削減します
この記事をドラフトで書いていたとき、実は新型コロナウイルスはまだ話題になっていない時頃でした。ですが今日、新型ウイルスによる影響を通して、"物理的空間"にかかるコストについて洞察を得た企業の方も多いのではないしょうか。

つまり、"リモートワークの推進"です。
リモートワーク(テレワーク)が技術的に可能となり、推進が進んでいく中で、オフィスの稼働率はますます減少していくことでしょう。

そもそも、営業活動や打合せ、駐在、派遣、休憩、休暇、病欠等の要因からオフィスの稼働席率は、営業部門で50%前後、開発部門で60%前後、コーポレート部門で70%前後が、これまで国内企業の稼働率調査してきた平均値と認識しています。これはリモートワークを推進していない企業でこの程度の値です。

100席用意しても実際には50席しか使われていない。

東京都内のオフィスビル坪単価賃料、大体3万円/月程度でしょうか。
(エリア、ビルクラス、業界、企業規模によってピンキリですが。)
そして、1席あたりおよそ2~3坪の面積を占めているのが現在の一般的なオフィスレイアウトです。
100席中50席すなわち、100~150万円/月ほど使われていないデスクがある。500席使われていなければ、その10倍の1500万円/月の損失。(わお!)

これからリモートワークが推進されると、この使われていない面積への損失はますます拡大していくでしょう。そして、物理的空間であるオフィスにかかっている経費は、総務の皆様、経営層の皆様が是非メスを入れて欲しいポイントです。
1席を2人でシェアすることができれば、1席のコストは3~5万円/月削減できる。その削減分を従業員に還元することができます。
ワークプレイスという設備を、従業員が生産性をあげるための投資、と括ることで、その投資は、ハードウェア (ノートPCやタブレット)、ソフトウェア、トレーニング、アメニティ等、これまで別立てで予算組みをしていた物たちと並べて、取捨選択することができます。

もう少し踏み込むと、ワークプレイスはショーケースのような機能を持たせることでインサイドセールスとしての役割を果たす可能性も孕んでいます。コストセンターという領域を超え、売上に貢献していくアイディアです。

市場相場のみで構築するにはもったいないのがワークプレイス。
働き方のビジョンや営業戦略などを絡めていくことで、コストパフォーマンスの高いオフィス作りを実現することができます。

そんな戦略構築を企業の皆さんと一緒に作り上げていくことが、ワークプレイスストラテジストの仕事の一つだと理解しています。

さて、ワークプレイスストラテジストってどんな人達が想像ついてきたでしょうか・・・?
オフィス作りをベースとしていますが、設計事務所とも不動産業とも違うアプローチを持っています。

特に私たちTokyo Creators' Projectは「経営機能をサポートする」という観点でワークプレイスを考えることが多いですね。

さて、あと2点ほどお伝えしたいことがあるんです。
もう一つ大切にしている観点が、「ユーザーエクスペリエンス」

ワークプレイスをプロダクト開発として心得たとき、ユーザーエクスペリエンスを真面目に考えることで、プロダクトとしての品質が向上するのではないか、と。
そんな話を交えながら、下記の2点について、またお話したいと思います。

⑸ 組織の働き方改革を肉厚なものにします
⑹ 社員の方々に働くって楽しいってことを知ってもらいます