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ワークプレイスストラテジーってマニアックだけど高需要なお仕事。 (1)

初めまして、こんにちは。
ワークプレイスストラテジストのyuiと申します。
長ったらしい横文字タイトルですが、日本語で言い直すと、「働く環境を戦略的に構築する人」という感じです。

アメリカやオーストラリアなんかは、組織文化や働き方改革に対するワークプレイス研究が進んでいるため、それなりに知られている職業ですが、日本では働き方改革がようやく叫ばれ、ここ2~3年でちらほらと出てきたような人種です。日本に30人いるのかな、いないかも、くらいの狭い世界。

家族や友人に仕事の話をしても、ポカンとされることが多いですが、ありがたいお話で、たくさんの企業や機関の方が興味を示してくれるお仕事でもあります。

今日は、ワークプレイスストラテジストって何ぞや、ということをサクッと説明することで、自己紹介できればと思っています。

⑴ おしゃれなオフィスを作ります
おしゃれなオフィス増えてますよね。メディアでもおしゃれなオフィス特集!みたいなもの、ここ数年で増えてきたと感じます。豪華な食堂や美味しいコーヒー、ヨガスタジオなど、もはや働くだけの場所ではないのが今日のオフィス。実は、一見お金をかけて作られたそのようなオフィスには、そのように作ったそれ相応の理由が散りばめられています。

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(こちらは私の好きなNetflix Hollywoodのオフィスのテラス。羨ましい!)

何故、世界のトップ企業がこぞっておしゃれなオフィスを作るのか。トップ企業のコスト最適化は、非常に緻密に戦略立てられています。オフィスビルの賃貸やその工事費は、組織経営にかかる経費の中でも上位に入るものですよね。お金があるから、おしゃれなオフィスを作る、という単純な理由ではなく、そこに意味があるからこそ、大きな投資をしてまで作るんですね。

意味のあるおしゃれなオフィス作り、投資に見合ったオフィス作り、というものを、私たちはお手伝いしています。 


⑵ 環境を変えることで、社員の行動、そして組織の文化を変えることがゴールです。
環境が変わると行動が変わる、行動が変わると、文化が変わる、なんてことをよくお話ししたりします。何かを達成したい時、自分の行動や人生を変えたい時、まず自分を取り巻く環境を変えることは非常に有効なステップだと思います。

人の集合体で形成されている組織でも同様です。社員の働き方を変えたい、社風を変えたい、もっとオープンでフラットな組織にしたい、データを活用した経営をしたい。組織によって変わりたい方向は様々だと思いますが、その変化のトリガーとなるような環境を整備できているでしょうか。

もちろん、環境の整備だけでなく、行動に移さなければ意味がありません。(よく形だけ入って、その後はやらないやつですね、私もよくあります。笑)しかし、環境が整備されていなければ、出来ることも出来なかったり、非効率になってしまったり、強い意志がなければ行動に移せなかったり。

近年、行動経済学が台頭しており、「人間は必ずしも合理的な行動をしない」ということが語られています。これがすなわち環境の力だと考えています。人々の毎日の生活の中に行動のきっかけとなる仕掛け = ナッジを効果的に加えることで、行動を誘導することが出来るんですね。

例えば、美味しいコーヒーをオフィスに置く。そしてその周辺にカフェのようなラウンジを設ける。仕事合間の休憩に、「ちょっとコーヒーでも飲むか」と考えることは非常に自然です。そして、休憩に来た人々がそのラウンジで偶発的に出会い、(まるでいつかの喫煙所のように!笑)「最近どう?」と声をかけることも自然な流れだと思います。あ、あの人よく見るな、と顔見知りになることもありますね。
これも環境がもたらす行動の結果の一つでしょう。ここでのポイントは休憩時に飲みたいと思う美味しいコーヒーであること。そして、少し時間を取って休憩できるラウンジが周辺にあること。
よく「コーヒーを置けば会話が増えるらしい」と、コーヒーだけを置くパターンもありますが、美味しくないコーヒーでは飲む人は少なく、それなら外のカフェに行こうと思うでしょうし、座る場所がなければ、注いで自席に戻るしかありません。意図した行動を誘発できるような環境の設定をしてあげることが重要です。

習慣化した行動は非常に強いインパクトを与えます。下記の名言を耳にした方は多いかもしれません。

“Sow a thought, reap an action; sow an action, reap a habit; sow a habit, reap a character; sow a character, reap a destiny.” - by Stephen R Covey
思考が変われば行動が変わる、行動が変われば習慣が変わる、習慣が変われば性格が変わる、性格が変われば運命が変わる。 

環境によって行動の変化を誘導することで、習慣を変え、性格それは組織でいう文化、そして最終的には運命、未来が変わる。おしゃれなオフィスが完成したら終わりではなく、組織の未来を変えていくことをゴールに、働く環境の変革を提案する仕事をしていきたいなと思っています。

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以上、ワークプレイスストラテジーのお仕事紹介 vol.1でした!
私の記事を通して、ワークプレイスって面白いな、興味深いな、こういうアプローチもあるんじゃない?この分野と絡むと面白そう!などと思う方が増えていくといいな、と思っています。

働く時間は人生の3〜4分の1を占めますよね。だからこそ、働く環境って、その分の行動を示唆しているものだと思うんです。ロボットのように機械的に働くことを誘導される環境ではなく、創造的になれたり、問題解決的になれたり、チームワークができたり、自分の知識や能力を高められたり、そんな毎日を誘発できるような環境を日本や世界に増やしていくために、自分にできることは何だろうか、と日々考えています。

続きは以下の2本立てで!行きたいと思います!

⑶ 総務や人事のお仕事を戦略的にサポートします
⑷ 物理的空間にかかるコストを削減します