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ブログとnoteの違いとは? ~D2C視点でnoteの価値を考える~

TCOのミカミ・リョーです。今回は、noteについて考えてみます。

私たち、TCOの事業領域であるD2Cビジネスでは、インターネットを通じたブランドの情報発信が欠かせません。ブランドの背景、ストーリー、プロダクトに込められた想い etc.  コンテンツをつかってブランドの情報を届けるのは、ユーザーと直接つながるD2Cにとって大切なことです。 

そのため、D2Cブランドの多くは、自社ECサイトやブログ、各種SNSなどで情報を発信します。現在、noteを使っている企業も増えていますが、D2Cブランドも例外ではありません。

ここでクエスチョン。情報を発信するなら、別にブログでもいいですよね。なぜnoteを選ぶ企業やブランドが増えているのでしょうか。そもそも、みなさんは、noteとブログの違いを明確に説明できますか?

恥ずかしながら、私はnoteとブログの違いをうまく説明できなかったことがあるんです。それで関連書籍を読んだり、ネットで検索したり。ネット上では、noteとブログの比較記事が多く見つかります。けっこう読みました。おもに機能面の比較(できる/できない)は多いのですが、私が明文化したいのは、そこだけに限定したことではないのです。

noteというプラットフォームが、D2Cブランドの運用視点でどんな価値があるのか。ブログだけでは実現できない活用方法はあるのか。つまり、ミカミ流「D2C向けnoteの再定義」を考えていきたいと思っています。

これ、先に書いてしまいますが、まだ最終的な考えはまとまっていません。現在進行形です。私自身、本業でD2Cビジネス構築に携わりつつ、noteの管理人としてテキストを書きながら、D2Cにとってのnoteの価値を継続的に考えていきます。なので、現状は(仮)も取れていない、Ver.0.6ぐらいの感じです。

ミカミが注目したnoteの持つ「3つの側面」

ミカミ流「D2C向けnoteの再定義」(仮)ですが、その前に「noteとは?」です。基本をおさえておきましょう。自説の前に、基本的な事実をおさえることは大事です。noteについては、note公式で調べるのが一番です。

ここに正確な情報がまとめられています。なので、本記事でははしょります。この公式に書かれている事実(機能や特徴)を俯瞰して、私はnoteの持つ「3つの側面」に注目しました。

①SNS的側面
②ブログ的側面
③コンテンツサイト的側面

前提として意識したのは、noteというプラットフォームに「クリエイターの集う、1つの街である」という概念があること。

街には、共通の構成要素がある。たとえば、商業施設、小学校、公園などだ。しかし、構成要素は同じでも、新宿にある歌舞伎町と代官山では、雰囲気や気質が異なる。たとえば、noteも他のCGMと構成要素は同じだが、雰囲気や気質が異なる。

出典:インターネットの中の“街”を目指す――だれもが創作をはじめ、続けられる「note」の開発舞台裏
https://webtan.impress.co.jp/e/2020/02/06/34934

このnote独自の「雰囲気」や「気質」を具体化すると、何か見えてくるのではないかと考えました。その見えてきたものを、D2Cブランド運営の視点で整理したのが、さきほど挙げた3つの側面です。では、ひとつずつ見ていきましょう。

①SNS的側面

従来のSNS、例えばFacebookの場合、D2Cブランドはどう活用するでしょうか。

(1)ブランドからの発信
・ブログのように作成した記事の投稿
・プロダクツにまつわる画像や動画などの投稿
・自社ECやメディアの導線として更新情報の投稿
(2)興味関心のありそうな層へのアプローチ
・ハッシュタグの活用
・広告の運用
・いいねやコメント、メッセージでの交流とファンづくり
・フォローしてもらう など

noteも広告をのぞいて同様のことはできます。ファンをつくり、メッセージを届ける。noteというプラットフォームに集まる人々にフォローしてもらって、自社ブランドとの継続的な関係につなげるわけですね。従来のSNSがもっていた機能もおさえていると言えます。

②ブログ的側面

つぎにブログ的側面です。以前の記事でもD2Cブランドが「熱い想い」を伝える傾向があると書きました。

①SNS的側面にも含まれていますが、ブログのように「想い」を発信する役割は、D2Cブランドの運用観点からもnote活用の大きなポイントです。

その理由のひとつとして考えられるのが、noteが書き手を「クリエイター」と定義していること。noteではカテゴリを問わず、「日常に工夫を取り入れて創作や発信をする人」のことをクリエイターと呼んでおり、「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」をミッションに掲げています。読む側も、そういう発信を期待しています。つまり、D2Cブランドのメッセージを届けやすい「書き手」の立ち位置と「読み手」の期待が、うまくリンクしていると言えるのではないでしょうか。

ふたつめは、noteでは長い文章でも読まれていること。よく、コンテンツが長いと「読まれない」「離脱する」と言われますが、noteに限っては当てはまりにくいように思います。それは、上に書いた「クリエイター」への期待があるからかもしれません。通常のブログでは、長くても読んでもらえないものも、noteなら最後まで伝えられる。情報量多めでも伝えられる雰囲気や気質を、noteは持っていると思います。

あと、テクニカルなところでは、記事の目次が作りやすい点も機能面から重要ですね。情報量が多い分、全体把握を目次で提供するのは、ユーザー視点でもメリットです。もちろん、SEO対策にも役立ちます。

③コンテンツサイト的側面


最後がコンテンツサイト的側面。つまり自社メディア、オウンドメディア的な使い方をイメージしたうえでのポイントです。ここでは「外見」と「中身」の関係に着目しました。

まずは「外見」です。シンプルで統一されたデザイン設計。noteは、クリエイターの個性を外見で表現するプラットフォームではありません。統一されたフォーマットによって、ある意味では画一化され、D2Cブランドの「色」を出しにくい面もあります。もしかしてブランド訴求的には、デメリットととらえる見方もできるかもしれません。

しかし、それがコンテンツサイト的な価値につながるとも考えられます。つまり「中身」です。見た目で惑わされないデザインだからこそ、中身(内容)での勝負が必要になってくる。②ブログ的側面で書いたように、D2Cブランドの熱い想い、ブランドストーリー、ユーザーへのメッセージなどを伝えることに注力できるわけですね。

また、シンプルという観点でいえば、noteには広告がないため、クリエイターはPVを稼ぐための内容(アフィリエイト的な投稿)に偏ることなく、本当に伝えたいことだけに注力でき、読者側も惑わされません。こうした仕組みづくりがなされている点も見逃せません。

さらに、noteの大きな機能的特徴とも言える「有料記事」にも、D2Cブランドの運用観点からコンテンツサイト的な役割があると思っています。「もっと読みたい」「もっと知りたい」という方に、有料で記事を販売するわけですが、ここの収益はあまり重視しません。何よりも、熱くて長い文章を読んでくれたうえに、さらなる情報を有料でも求めるユーザーこそ、D2Cブランドにとってのロイヤルカスタマー候補と考えられるからです。

ミカミ的まとめ

いかがだったでしょうか。まだ、私も考えながらなので、つけ足すこと、変更すること、前言撤回することw など、出てくるかもしれません。みなさんは、D2Cとnoteの関係をどうとらえますか?

今回、あらためてnoteでできることを見渡し、D2Cブランド構築にどう活かせるか考えてみて、noteは“ありそうでなかった”配信プラットフォームだなと感じました。

noteは、SNSでもあり、ブログでもあり、コンテンツサイトでもある。さらに、情報ポータルサイトでもあり、クリエイターの発信地でもあり、さまざまな「顔」を持っているプラットフォームです。ちなみに、noteに記事ランキングがないのは、ランキング上位のカテゴリに作品が偏ることで多様性が失われるのを避けるという理由があるようです。興味深いですね。

先ほど引用した記事ですが、見出しに「良いことをすれば報われる、現在のインターネットの真逆を目指す」とあります。ここに、note開発者の深津貴之氏の想いが凝縮されていると感じました。

・ランキングがない
・広告がない
・ディスっても伸びない
・正しいことをすると普通に報われる
・クリエイターのキャリアパスがある
・応援しあう

記事中でnoteの特徴として以上の項目がまとめられています。その背景を深津氏は、「これまでの話もきれい事に聞こえるかも知れないが、『きれい事をどうシステム化するか』がnoteのチャレンジ。いいことをすれば報われるシステムを作れば、皆いいことをしだしてくれるはずだ」と語っています。私は、この言葉に大きな感銘を受けました。

だからこそ思うのです。強い理念や思想を持っている「本物志向」のD2Cブランドにこそ、ぜひnoteの活用をおすすめしたい、と。

私たちの研究も現在進行形。また改めてnoteについて取り上げたいと思っています。ではまた。

ミカミ・リョー@note活用術研究中


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