明日の入学式の曲目解説

いよいよ明日は入学式ですね。楽しみです。僕は今、新国立劇場オペラ劇場での二期会オペラ公演、ベートーベン作曲のオペラ「フィデリオ」の舞台稽古中です。今は休憩時間で、楽屋で書いてます。

前夜になっちゃいましたが、簡単に明日の曲目の解説を書きます。対訳はもう載せてありますから、併せて読んでおいてもらえると、明日の演奏をより楽しむことが出来るはず。

オペラって「前もって勉強しないとわからない」という人もいるのですが、僕はそうではない、と思ってます。何の予備知識も無く見ても、十分楽しめる要素はある。

でも、前もってその作品について読んだり、理解を深めてから見に行くと、更に面白い。持ち出しが多い方が、持って帰れるものも多いんですね。歌曲もテキストがあると言う意味では同じ事が言えます。

Heimliche Aufforderung (ひそやかな誘い)

ひそやかにどこに誘うかというと、庭へです。と言っても時間は夜。パーティーで賑やかな時間を過ごしている最中に、この男性は意中の女性に、二人きりで庭に出よう、薔薇の茂みへ、とさそいます。パーティーピーポーは放って置いて、二人になろう、と。(あまり高校生向きじゃなかった?)

Die Georgine(ダリア)

ダリアという花は遅咲きです。歌っている女性は、人より遅く恋心を知った自分にその姿を重ね合わせます。和音が非常に強烈な転調を繰り返し、R.シュトラウスの転調、ここにあり!と言う曲で、僕は大好きです。花を擬人化する歌はシューベルトの「野ばら」や、モーツァルトの「すみれ」など、多くあります。

Ich schwebe (さまよう心)

恋する主人公の心持ちを歌っているのだと思います。抽象的な歌詞ですが、音楽が素晴らしく「浮遊」していて、まさにschweben(さまよう、漂う)している感じです。印象的な転調がここにも多く聞こえます。可愛い曲なんです。僕は大好きなのでよく歌いますが、あまり男性が歌う事は無いかも知れません。

Cäcilie(ツェツィーリエ)

怒濤のような、愛する人への激情の表現ですね。勢いは常にあるのですが、その中に不安もあり、躊躇いもあり、期待もあって恍惚もある。変幻自在のピアノ部分に、色々なニュアンスが隠されています。僕的にはこれだけの激情を歌っておきながら、歌の最後のフレーズの箇所にあるdimがミソだと思っています。

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東京音楽大学付属高等学校の校長として。日々の中で教育、音楽に留まらず、豊かな高校生生活、音楽に寄り添う、音楽が常に傍らにある高校生活について、またその未来について。綴っていこうと思います。
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